アンのらぶらぶ大作戦☆(その4)


ラ・ターシュ邸の前でシリウスは車を止めた。

シリウス「それじゃ、また今度な(^^)/」
  アン「あ、ちょっとだけ寄っていってくださいませんかぁ?お見せしたいものもあ
     るしぃ……」
シリウス「ああ、いいよ。
     でも、あまり遅くなるわけにはいかないから、少しだけな(^^)」

  アン「シリウス様にお見せしたかったのは、このお部屋なんですっ☆」
シリウス「ん?……凄いなぁ、これは」

アンに言われてドアを開けたシリウスは驚いた。目の前には無数の武器防具が並
んでいる。

シリウス「ちょっと見てきていいかい?」
  アン「もちろんです(^^)私の祖父のコレクションなんですけど、どうぞ☆」
シリウス「じゃあちょっと失礼してっと。……この鎧なんて凄いなぁ。特にここの線は
     完璧だな。なるほど、ここにはこういう処理の仕方が……それだとここはこう
     なるのか……よし、鎧のイメージが沸いてきたぜ!」
  アン「シリウス様に喜んでいただけて嬉しいですぅ(^^)なんだったらコレ、
     持っていっていただいても……」
   爺「いいいいいけません、これはぁぁぁぁぁ!!」
シリウス「……またもいきなり現れたな(^^; 大丈夫、俺は鎧の価値は分かるさ。
     こんなに貴重な鎧、貰うわけにはいかねえよ。本物だろ、これ」
  アン「じゃ、お誕生日にお贈りしますねっ☆」
   爺「……(;_;)」
シリウス「アン、家宝を人に簡単にあげるのはよしといた方がよさそうだ。
     爺が倒れそうになってるぜ(^^;」
  アン「爺が卒倒するのはべつにいいんですけどぉ、シリウス様がそうおっしゃる
     ならやめますぅ……爺、シリウス様に感謝しなさいねっ。
     じゃ、次はお父様のお部屋に行きましょっ(^^)」

アンはそう言うと、シリウスの手をぐいぐい引っ張っていった。

二人は大きな扉の前までやって来た。アンはその扉をノックをする。

  アン「お父様〜、いらっしゃいますかぁ?」
  親父「アンリエットか。入ってきなさい」
  アン「実は、会っていただきたい殿方がいらっしゃるんですけどぉ……」

アンに続くようにしてシリウスも部屋に入った 。

  親父「殿方?……ほほぅ、アンリエットが男性を連れてくるなんて、初めてだな。
     ふむ、なかなか良さそうな青年ではないか」
シリウス「はじめまして、シリウスと申します(礼)」
  アン「この方がアンの今一番好きな殿方、シリウス様っ(^^)
     もしかしたら結婚しちゃうかもっ(^^きゃっ☆」
シリウス「お、おい、俺はそんな話は聞いてないぞっ(アセアセ)」(笑)
  アン「え〜、今聞いてくださったでしょぉ?もしかしてシリウス様、心に決めた方で
     もいらっしゃるんですかぁ?(;_;)」
シリウス「いや、別に心に決めた人はいないが……」
  アン「あ、やっぱりクレセントお姉さまとぉぉぉ……嫌ぁぁぁ、アンはお遊びだと
     おっしゃるんですかぁ?(;_;)ひどいっ、シリウス様……」
シリウス「こ、こら、勝手に暴走するんじゃないっ!誰もそんな事言ってないぞ!
     それに、俺とクレセントとは全然そういう関係じゃないっ」
  親父「……シリウス君、それは本当なのか!?」
シリウス「嘘です、嘘っ!」
  アン「えっ、やっぱりそーいう……シリウス様の馬鹿ぁぁぁっ!バタバタバタ(部屋を
     駆け出すアン)」
シリウス「こ、こら、嘘って言うのは「お遊びだと」っていうのに対してで……(焦)
     クレセントとは……っておい、待てっ、待つんだっ!」
  親父「……この責任、どう取ってもらえるのかね」
   爺(さすがは旦那様、素晴らしい話の持っていき方でございます……シリウス
     様、お嬢様を追って追ってぇぇぇっ)←影から見ている(^^;
シリウス「すいませんっ、お話はあとでっ!!」

シリウスは駆け出した。アンは廊下の突き当たりでシリウスを待っていた。

  アン「シリウス様ぁぁぁ(^^)アンのこと、追いかけて来てくださると信じてまし
     たぁ(^^)」

アンは勢いよくシリウスに抱きついた。シリウスは片手でアンの背中を支える。だが、恥ずかしさから天井を見上げている

シリウス「だから、俺とクレセントとはそういう関係じゃないんだよ」

ふと視線を落とすと、アンの目が飛び込んだ。気のせいか、すこし潤んでみえる。

シリウス「……」
  アン「私、シリウス様とそういう関係になりたいんです……もちろん今すぐってわ
     けじゃないですけど……考えていただけますか?」
シリウス「……ああ、構わないよ。……でも、俺なんかで……」
  アン「本当ですか?ありがとうございますっ!」

そういうと、再びシリウスに抱きついた。

  アン「私、シリウス様じゃなきゃだめなんです……」
シリウス「……」

シリウスは無言で彼女を抱きしめた。



あれから数日後。シリウスは電話の前でうろうろしている。

シリウス「よしっ……(受話器を取り、電話番号を押す)」

プルルルルル

シリウス「(アンがとってくれるといいなぁ……)(どきどきどきどきどき)

がちゃ

シリウス「(!)」
 アレク「……貴様っ、この家に何の用だっっっ!!!」
シリウス「お前なんかに用は無いっ!!アンに代われっ!」
 アレク「冗談ではない、誰が代わるかっっっっ!いいか、これからずっとこの家の
     電話は私が取る!!ふははは、これで貴様はアンリエットにデートの誘い
     もかけられないのだぁ、いい気味だな!!(受話器を勢いよく置く)」
シリウス「何をしやがるっ!!(ツーツーツーツー)……切りやがった(−−
     こうなりゃもう一度……」
 アレク「(プルルルルル)……往生際の悪い男だ……」

電話をとろうとしたアレクを爺が押しのける。

   爺「アレクシス様にそのようなことをさせるわけにはっ!!」

爺に突き飛ばされ、壁に激突するアレク(笑)

シリウス「(プルルルルル プルルルルル)……さてはあの野郎、取らない気か?(−−
   爺「はい、こちら……ををっ、シリウス様ではございませんかぁっ!!
     お嬢様でございますね、少々お待ちくださいませっ」
  アン「シリウス様ぁ〜(^^)お電話いただけるなんて、嬉しいですっ☆
     今日はどんなご用事なんですかぁ?」
シリウス「やあアン(^^)……(どんな用だっけ?……!)
     あ、あのさぁ、今度、またどっかデート行かない?(どきどき)」
  アン「……シリウス様からデートのお誘いいただけるなんてぇ……(;_;)
     はいっ、地の果てまでも行かせていただきますっ(^^)」
シリウス「じゃあさ、カゼルーン森林公園に散歩に行かない?
     お弁当俺が作ってくからさ(^^)」
  アン「本当ですか?……絶対行きますっ、爺が死んだってすっぽかしたりしませ
     ん!!」
   爺「………(;_;)」
シリウス「えっと、いつにする?俺はいつでも開いてるけど」
  アン「明日っ☆」
シリウス「うん、わかった(^^)
     で、何時に何処で待ち合わせる?なんなら迎えにいこうか?」
  アン「迎え……や〜〜〜んっ、嬉しいですぅぅぅぅぅ(;_;)
     私、朝からずーっと待ってますから……(;_;)」
   爺「朝とおっしゃいますがお嬢様、明日は家庭教……」
  アン「じゃ、明日、絶対ですよっ(^^)お待ちしてま〜すっ☆」

そっこー切るアン(笑)

   爺「師の先生が……」
  アン「ってことになったからぁ、明日はお休みっ☆」
   爺「お嬢様ぁぁぁぁぁ(^^;;;;;」






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