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 様々な雑誌で、日本ロック界に多大な貢献を成したと言われるhide。あまりに突然な死が引き起こした英雄化がそのような言葉になったと思えてなりませ ん。

 ただ私はここで、私が好きであった、いや『私』であったそのものをここで吐き出していきたいと思う。

 音楽の主となる旋律は、ステキすぎるほどにポップなものだが、それを壊そうとするかのような効果が楽曲を撫で回していく。その行為は自他共に認められ、 作られていった楽曲の過程だが、それだからこそhideであり、そうでなければhideでなかったと思う。

 だが、彼は最後にそのピュアさとノイズの境目の調和を見出して世に羽ばたこうとしていた。自分の世界観が自分を知らない人々にまで届く、ギリギリの自分 の言葉で…。

 私は思う。皮肉にもラストアルバムで行ったように、ポエトリーリーディングが彼の究極の姿であったのではないかと…。
【HIDE YOUR FACE】
 輝かしきhideの第一段アルバム。初ソロアルバムとあってギタリストとしてのhideからボーカリストへの一翼を見せ、自らの声を自ら揶揄したよう に、少し独特の声色でリスナーに迫る。 

 また、レコーディング中のハプニングや何気ない箇所を収録したり、スカ的要素を入れる のはすでにこの頃から。hideの部屋というコンセプトで編まれた曲たちはどれも彼の心底を一貫するサイケデリックなものとなっている。 

 ジャケットに使用された仮面はあのエイリアンのキャラデザとして知られるH・R・ギー ガーの制作。アルバム名の如くhide自らの顔をそ のいかめしい仮面で覆う。知られたくなければ素顔を隠せ。初回アルバムは、立体的な仮面とその中にhideの戦闘意欲とも言うべき顔が仕舞われてある。

[曲 目]
 1.PSYCHOMMUNITY 
 ようこそ、hideの世界へ。何者かの到来とも言うべき、ゆったりとしたギター・オーケストラが現れ、 それは次第に四次元へ引きずり込まれるかのように、展開し始める。

 2. DICE 
 シングル第三段としてリリースされた曲。構成的に単純でよくコピーするバンドもある。歌詞の時間制の中 にある自分という構図はこのままja,zooまで継承される。 

 3.SCANNER 
 まさにアルバムに適した作品。シングルカットされた「TELL ME」のカップリングでは RYUICHIとデュエットしている。初期の作品は後期に比べて、反動もなくパンク色を強く押し出しているものが多い。 

 4. EYES LOVE YOU T.T.VERSION 
 シングル第一段。しかも2枚出した内の「売れた方」である。第一段は2枚同時リリースだった。ビデオに おいて、いろいろなhideを演じたhide。hideソロプロジェクトの新曲お披露目にはこれが使われた。 

 5. D.O.D(DRINK OR DIE) 
 hide好きならご存じのこと、彼は酒飲み。PATA当たりから影響を受けて酒を飲み始めたらしいが、 その酒乱ぶりはかなり有名。純度180%というのがその場の雰囲気を物語るだろう。 

 6. CRIME OF BREEN St. 
 ハイ!録っちゃいましたというようなもののひとつ。 

 7. DOUBT REMIX VERSION 
 hideの記念碑的パンク曲。 

 8.A  STORY 
 寂しさを漂わす、切ないナンバー。狂った天使が時間にはめ込まれたイメージを個人的に持ってしまう。  

 9. FROZEN BUG’93 DIGGERS VERSION 
 LUNA SEAのJとINORAN、hideの三人組ユニットで組まれたMxAxSxSはこの曲だけ を後世 に残した。アメリカにいるhideと日本にいるJ、INORANが互いに曲を提案しあって完成された。このアルバムに収録したものは、それにhideが改 良を加えたもの。 

 10. T.T.GROOVE 
 レコーディング中のノリから派生した曲(短いな...)。 

 11. BLUE SKY COMPLEX 
 ライヴでは「青い空なんて、ダイッ嫌いだァ〜」と叫ばれる、黒人ハーモニー付きのノリノリナンバー。 ライヴではこの曲の終わりにキングクリムゾンの名曲がかさなる。

 12. OBLAAT REMIX VERSION 
 あまり目立ってくれない曲だが、個人的には3番目に好きな曲。hideの重要なテーマである、分裂して しまう自分がそこに居る。 

 13. TELL ME 
 これがために知名度が上がったと思われるポップナンバー。CMのタイアップに使われた。 

 14. HONEY BLADE 
 hideの詞の題材は多いが、珍しくこれは近親を扱ったもの。製作期間を置かずに突然創られた曲でもあ る。 

 15. 50%&50%  CRYSTAL LAKE VERSION 
 第一段シングルのもう一方。向こうが歌い上げ調だったのに対し、こちらはノリ重視であったが、アルバム 収録分は、制作された基本に近いアコギバージョン。カントリーな雰囲気が周りを包み込みます。 

 16. PSYCHOMMUNITY EXIT 
 世界は終わるのか、終わらないのか。永遠と続く蓄音機の微弱音...。私たちは常にこうしたものの延長 線上にある。



【PSYENCE】
 ファーストアルバム「HIDE YOUR FACE」から何と2年7ヶ月の歳月を経て、完成されたセカンドアルバム。バカ学という造語をモチーフにし、 缶詰をひとつのコンセプトに使った、まさにhideのおもちゃ箱。 

 さすがにあらゆる音楽、哲学、時代を包括しているだけあって、前作と比べてノリが多 く、キャムプな部分も多く見られる。また堅苦しい意見の缶詰だった「HIDE〜」に比べて、恥ずかしいほど歌詞に開けっぴろげなところがあり、hideの 進化が見られたアルバムである。 

 また、初回ジャケットは緑・黄・赤の3種類あり、段ボールのような紙使用であった。

[曲 目]
 1.PSYENCE 
 アルバムの始まりを告げるスカ溢れるインスト。元曲を他人にアレンジさせてその変貌ぶりを楽しもうとし ていたhideだったが、もっといじってほしかったらしい。 

 2. ERACE 
 これを聴くと、何となくhideのケバケバした過去を消したいのかな?と思わせるナンバー。だけど、 hideは過去のバンドでケバい頃が好きなことが多い。 

 3.限 界破裂 
 LEMONedのコンセプトアルバムに収録された一曲。プラトニックな偏愛を唄う。2年以上の沈黙を 破って、初めて公共に流れた曲で、その大胆不敵な歌唱に驚かされたものである。個人的にナンバー1ソング。 
  
 4.DAMAGE 
 声に歪みが入って乱暴に唄われる歌。歌詞と共にそれは切実な自滅行為にも思える。 

 5. LEMONed I Scream 
 小さなhideが英詩を唄うようなイメージ。これもLEMONedアルバムに提供された。 

 6. Hi−Ho 
 まさに自分の世界を確立させた記念的ナンバー。他人にとってどうでもいいことでも本人には違う...。 彼は「Hi−Ho!」とポップに唄うことによってしがらみからの脱却を図ったのだ。 

 7. FLAME 
 「MISERY」の姉妹曲。だが元々、こちらをMISERYとしようとしたらしい。「50%&50%」 もそうだが、元曲がアコギな歌がhideには多い。何とも言えない切なさが心に染みる歌である。 

 8. BEUTY&STUPID 
 「美女と野獣」。それをモチーフにした曲。小気味よくノリのいいポップナンバーでシングルカットもされ た。 

 9. OEDO COWBOYS 
 小さなロボットたちがちょこまか動き回るのが眼に映るインスト。 

 10. BACTERIA 
 これもLOMONedアルバムに提供された曲。パンキッシュな曲として「DOUBT」が 
代表曲として扱われやすいが、ちょっと遠目でパンクするこれもhideならでは と思う。個人的にDOUBTを凌ぐ曲。 

 11. GOOD−BYE 
 悲しいメロディが奏でる別れの歌だが、終わり故の始まりを告げる勇気づけられる歌。ビデオを見ると何故 か走馬燈のように過去が巡る...。 

 12. Cafe Le Psyence 
 ホントに喫茶店にいるような曲。 

 13. LASSIE 
 真骨頂。何かエクスタシーレコードの延長線上を渡ってきたパンク曲。だがただ暴れるだけでなく、やっぱ り行き着くところは...とするところが現代人hide流。 

 14. POSE 
 昔からアレンジメントを繰り返してきた曲で、いい加減オリジナルを創ろうということで完成した曲。以後 もこの曲は各方面で愛され、アレンジが為された。 

 15. MISERY 
 復活シングル第1段。苦しみを抱きながら生きることの辛さと希望を唄う。この頃、あの病の少女との出会 いがあった。 

 16. ATOMIC M・O・M 
 「HIDE〜」のようにこのおもちゃ箱の終焉を飾る物語。いかめしい機械の中には...。


【ja,zoo】
 急逝したhideの最後のアルバム。「HIDE YOUR FACE」、「PSYENCE」から続く、第三作目に当たる。年始めにシングル 「rocket dive」を発表した頃から、クレジットを「hide」から「hide with  spread beaver」に改名し、そのシングルからの曲を収録している。 

 また、アルバム制作途中での不幸だったため、音源と彼の歌が残っているものを彼の右腕 であるI.N.A.が中心となって収録した。シングル「ピンク スパイダー」の姉妹曲、「PINK CLOUD ASSEMBLY」は生前の彼の嗜好を配慮して(聞き手にとって)、実弟の詩朗読という形で完成となっ た。 

 「ja,zoo」というアルバムタイトルは、japan,zooの略であり (yahooともかけている)、蜘蛛や魚やと動物が多いということから、zooが出てきた らしい。しかしアルバムジャケット(迷彩塗装の野性的な女性が檻の中に入っている)を見る限り、そこには現代社会を揶揄している姿が見えている。

[曲目] 
 1.SPREAD BEAVER 
 hide不在と言えども、始まりはインス トゥルメンタル。軽快なリズムと相変わらずのディストーションなギターが鳴り響きます。 

 2.ROCKET DIVE 
 長い沈黙を破って復活したhideのシング ル第一弾。サッカーワールドカップの興奮に合わせて創っただけあって、音も詩もノリノリな内容。なお、シングル版はここから「ja,zoo」まで怪人カー ドのおまけがつくようになった。 

 3.LEATHER FACE 
 hideのもう一方のバンド「zilch」 で演奏されたナンバーの日本語版。 

 4.PINK SPIDER 
 hideが満を持して発表した自信作。日本 の音楽と西洋ロックスタイルを見事に融合したと言われるナンバー。また詩も儚い物語となっており、続きが「PINK CLOUD ASSEMBLY」にな る。因みにこのPVはアメリカで流れ、日本の部門で表彰もされた。 

 5.DOUBT’97(MIXED LEMONed JELLY  MIX) 
 元々「DOUBT」という曲はファーストシ ングル「EYES  LOVE YOU」のカップリング曲としてデビューした。内容はひたすら怒りに任せた曲で、彼の当時の精神状態をそのまま表している。曲は作るものではな く、生まれてくるものということを実証した曲として彼はずっと大事にしていたという。 

 6.FISH SCRATCH FEVER 
 ロックンロールという言葉が似合う、軽快な ポップナンバー。 

 7.ever free 
 これも明るいノリのある曲。途中、詩で英単 語が変に大文字になったりしているのは、手垢にまみれた聞き慣れた単語が無意識に使われるのを防ぐため。彼はこのアルバムの中で自由という単純で難解な問 題に何らかの指針を与えることが多かった。

 8.BREEDING 
 詩は題材的に古いネタだが、曲と相まって不 思議な世界が拡がる。そういう意味では「PINK SPIDER」に比肩するだろう。 

 9.HURRY GO ROUND 
 hideとして最後のシングル。歌が妙に高 いのはデモからの音源を使っているためであり、ある意味彼の本意が素直に出ている声である。詩に「生き溺れても」という独特の表現が出ている辺り、新しい 彼の進展が見える。 

 10.PINK CLOUD ASSEMBLY 
 自らのジェットで飛んでいった桃色の蜘蛛の その後の顛末を語る。hide自身が歌を残していなかったので、実弟が詩を朗読した。短いながらも自由へのひとつの解答を導き出している。

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