■鈴鹿・日本GP取材記

4月6日(木)
午前3時、自宅を出発。真っ暗なのに、なぜかカラスが鳴いていて先行きが超不安になる。まずは六本木に寄って荷物をピックアップ。4時40分、六本木出発。5時、東名イン。「入間の青い稲妻」インプレッサにムチをくれまくる。極めて順調。鈴鹿サーキットに午前8時30分に到着した。コチラちゃんの超興奮プロジェクトが気になる。11時、ノリックの某撮影に立ち会い。北京語と台湾語をメチャメチャ流暢にしゃべるノリック。「香港映画ノリ」で激しいガッツポーズをリクエストされ、ふだんのノリックとはキャラが全然違うのに、本人なぜかすげーうれしそう。「勝利者インタビュー、英語で話した後、北京語でやっちゃえ」と言うと、まんざらでもなさそうな様子であった。この日のノリックは超多忙。取材に次ぐ取材で、昼飯は午後3時15分から10分間で弁当をかっこんでいた。日テレの取材でマジェスティに乗るノリック。ウイリーに挑戦していたが、そりゃ無理でしょう……。真矢くんとも顔合わせ。やっぱり取材で多忙。ナンバーの撮影をしてる横で、さまざまなことをして笑わせる。たぶんGP特集のナンバーに、ピットのシャッター前でマジメな顔してる真矢くんの写 真が載ると思うけど、実は必死で笑いをこらえてます。風が強くて寒かったのだが、上着をクルマに取りに行くヒマもなく、風邪気味。これからなのに、どうしよう……。


4月7日(金)
この日からいよいよマシンが走り始める。いいなあ2ストのパインパインって音。去年紀行のチームでシェフをやっていた、ボージョにバッタリ出会う。なぜかHRCのシャツを着ている。とてもおいしいイタリアンを作るので、「あとで食べに行ってもいい?」と聞くと、「もちろんだよ」と言ってくれた。うれしい。生ギャリーに感動。意外と小さい。あの体であの走りかよー。ノリックの調子はイマイチ。予選後も「しっくりこないんですよー」を連発。真矢くんはプログラム通 りという感じだ。直樹くんにも会う。「モノが全然足りないんです……」と元気がない。ただ、車体の調子はいいとのこと。頑張ってほしい。


4月8日(土)
風が強くて、各ライダーは苦労している。タイムも98年に比べて全然伸びていない。ノリックは特にセッティングに悩んでいて、表情も暗い。「こういう時の方がイケそうじゃない?」と言うと、「だといいんですけどねえ」と冴えない。密かに期待。真矢くんは順調。取材も多く、ファンに囲まれるシーンも多いので、ちょっと疲れ気味だけど、周りの騒がしさのわりに本人は落ち着いているみたいだ。それにしてもみんなパドックパス、買ってるのかなあ。高いだろうに……。マルボロヤマハのピットで紀行を発見し、「乗んの?」「まさかー」などと歓談!? 何に乗っても速いライダーだ。この日の晩飯は、日本人、ドイツ人、オーストラリア人、オランダ人で韓国の焼き肉を食う。オーストラリア人のウェンディ、オランダ人のトムは、タンが苦手。義理でひとつ食べて、二度と箸を出さなかった。焼いちゃえば大丈夫じゃんねー。


4月9日(日)
決勝前のフリー走行後、ノリックのコメントをもらうと超表情が暗い。もう最悪らしい。密かにますます期待。「レース後は明るい顔してるといいね」と言っても「どうですかねえ」と浮かない。で、案の定というかなんというか、優勝。もう喜びまくり。喜んでるスキに決勝で使ったグローブをゲット。懐に……しまわずに、公式HPのプレゼントに。250では真矢くんが3位 。「バトルも楽しかったし、全力でベストを尽くしたいいレースができたので満足してます」 と余裕の笑顔で語った記者会見。宇川&真矢の二人に外国人記者から質問があった時、宇川が「(返事は)英語ですか? 日本語ですか?」と言うと、すかさず真矢くん、「日本語にしましょう」。笑いに包まれた。記者会見後、こっそり「ずいぶん余裕の発言だったけど、ホントは?」と聞くと、「もうメチャクチャ悔しいですよー!」としかめ面 。表になかなか出さないけど、この人の負けず嫌いは相当だ。まあ、ライダーはみんなそうか……。真矢くんからはニーパッドなどをゲット。自分のGパンに貼り付け……たりしないで、公式HPのプレゼントに。午後7時頃、サーキットを後にする。六本木に11時30分頃到着。荷物を下ろしてなんだかんだで、自宅に着いたのは午前1時17分。その瞬間にちょうど携帯が鳴る。出るとノリック。「あー、寝てましたかぁ?」とべろんべろんに酔っぱらってる。「パーティー終わったとこなんスよ〜」「ベロベロですよーこんなに飲んだことない」「でもみんなハッピーで良かったです〜」だって。明日電話することを約束して切ったけど、何だかこっちまでハッピーな気分。


4月10日(月)
電話でノリックと会話。「昨日の夜、電話くれたの覚えてる?」「え? 誰がですか? オレがですか?」「夜中の1時頃、『寝てましたぁ?』って電話かけてきたんだよ」「え? マジですか? うわオレもう最低ですね」だって。おめでとう!