■ブラッド・ピット七変化


みなさんは、ぴあ(株)発行の、「週刊ぴあ」という雑誌をご存じだろうか?
映画、音楽情報を始め、スポーツなどのイベント、チケット情報満載の週刊誌だ。
1973年に創刊したらしいから、もう26年になる。

え? 説明するまでもない? やっぱそうだよねえ。
いやまあ僕も知らないでもなかったんだけど、 人生の中で買ったことはなかったわけです。
しかし今回、初めて「ぴあ」第28巻第43号通巻828号を購入してみました。

発行人は林和男さん、編集人は安武不可止さん。
不可止さんって、「ふかし」さんかなあ。スゲー名前。止マルベカラズ、だもん。
止まっちゃいかん、走り続けなさい! と、生まれた直後から親に命じられちゃってんだぜー。
もう突っ走ったね。不可止さんは。
人生を全力で駆け抜けて、気がついたら「ぴあ」編集長の座に上り詰めた38歳(推定)。
走り続けた人生をフト振り返り、そろそろ止まってみたい、一息ついてみたい今日この頃。
でも名前がそれを許さない。
何しろ不可止。頑張れ不可止。負けるな不可止!!

ホントは永遠の生を祈った両親としては「不可死」にしたかったらしいが、
船橋市役所(推定)に「死の字はダメ」と言われ、 しぶしぶ「止」にしたらしい。
なんかコレ、全面的にウソなわけだけどホントにそんな裏話がありそうな気がしてきた。
「不可視」で、両親としては透明人間に育て上げるつもりだったり。
「不可詩」で、詩の世界にだけは足を踏み入れてくれるな、という願いを込めてたり。
電話して聞いてみよっかなー、でも怒られそうだからやーめた。

で、話は不可止さんのことではない。

なぜ生涯初の「ぴあ」購入に至ったかというと、
「永久保存版B.ピット&L.ディカプリオ大特集号」と銘打たれていたからである。
しかも表紙もピットさんのイラスト。
ピットさん好きとしては、これは買うでしょう。
で、買ってみたのである。
これ、永久保存版って書いてあるけど、なんともスゴイことだ。
永久だよ、永久。もうこれ以上の長さはないわけだから。とにかく永久だし。
どー見てもフツーの紙だから、100年も経てば間違いなく風化しちゃいそうだけど、
きっと見かけによらず超最新鋭の科学技術が投入されていて、永久に保存できるのだろう。
まさか表紙に堂々とウソを書くわけはないし。
捨てても焼いても流しても爆破しても手元に戻ってきちゃう超ド級再生システムが導入されてるとかね。
何億年か後に地球が木っ端みじんになっても、宇宙空間には「ぴあ」828号が数万冊漂ってんの。
もうそうなると、紙じゃなくて、神だよね。
ああ、だからカミって、同じ発音なのか。
そっかそっか。

いや、話がこんな高度にして難解な宗教的なオチであるはずがない。

P26〜27に、「独占インタビュー“ブラピの本気の本音” 」が掲載されていて、
大変興味深く読ませていただきました。
が、翻訳の調子が気になってしょうがなかったのでお便りしました。
おたよってねーか。

例えば、こんなくだりがある。
究極の価値観などについて語るピットさんに対して、インタビュアーが言う。

──まるでチベット僧の説話のように聞こえますが。
「俺はもう、表面的で糞みたいな話をする気にはなれない。(以下略)」

ピットさん違う!! ピットさんはこんな話しかたじゃない〜!!(知らないけど)
翻訳は、荻原麻理さんという方らしいが、ピットさんの解釈の仕方がスゴイ。
なんかもう、ピットさんすっかり乱暴者。
「ファイトクラブ」っつう暴力っぽい新作映画の紹介記事の一環だからかもしんないけどさ。
萩原さん、昔ピットさんにイヤな思いをさせられてたりね。満員の山手線の中で足踏まれた、とか。
吉野家で「オレのオゴリだから」ってピットさんに言われてうれしくなった萩原さん、
ついいつものクセで大盛りを頼んだら露骨にイヤな顔された、とか。

まあ、 英語のインタビュー記事を訳してんだろうけど、訳でずいぶん雰囲気変わっちゃうもんね。
例えば上のもさ。

──まるでチベット僧の説話のように聞こえますが。
「僕はもう、表面的で無意味な話はしたくないんだ」

って訳すと、なんか好青年っぽいじゃん。
さらにさ。

──まるでチベット僧の説話のように聞こえますが。
「えー私はもう、えー、表面的で何の役にも立たないようなお話をするつもりは、えー、ございません」

ピットさん、一部上場企業の社長になって、用意された原稿を読んでんの。

──まるでチベット僧の説話のように聞こえますが。
「わしゃもう、表面的で何の役にも立たん話をする気はないんじゃ」

ピットさん、老人だし。

──まるでチベット僧の説話のように聞こえますが。
「ワタシはもう、表面的で糞──キャッ、やだわワタシったら──みたいなお話はしたくないの」


ピットさんオカマ。

インタビュー記事中には、結婚についての、こんなやりとりもある。

──パートナーとともに成熟すればいいんじゃないですか?
「俺には危険すぎるな」

これもピットさん違う!! ピットさんはもっと優しい、いい人なの!!(会ったことないけど)
僕のイメージするピットさんだと、やっぱり、

──パートナーとともに成熟すればいいんじゃないですか?
「オイドンにゃあ、危険すぎますたい〜」

ピットさん、肥後もっこす。
違った。

──パートナーとともに成熟すればいいんじゃないですか?
「僕には危なすぎるよ(笑)」

ぐらいの感じかなあ。
もし朝日新聞にこの記事が載るなら、

──伴侶と共に成熟しては?
「危険だ」

新聞は文字数減らすし。
インターネット上にこの記事が載るんなら、

──パートナーとともに成熟すればいいんじゃん(^ ^);?
「ピット(本人だっぴょ〜ん)には、チョイ危なすぎるっス(爆)」

さすがのピットさんも、インターネット文化には影響されちゃってるし。

なお、「ぴあ」をパラパラ見てたら、UAが27歳と意外に若いことが分かった。
勉強になるなあ。
あとは、UAとミーシャとチャラとの区別がつくようになれば合格だな。
せっかくSPEEDの4人のフルネーム覚えたら解散するっつうしなあ。
ウッヒー、メイクでずいぶん雰囲気変わっちゃったなあ。
ああ、ヒッキーっつうのか宇田多ヒカル。間違えてたよ、ワッハッハッハッハ……。
あれ? 宇多田だっけか? もしや全然違う??