水草の栄養素2(新たなる挑戦)

 さて、1では液体栄養素を主に述べましたが2では固形栄養素について考えていきましょう。
 水草の場合、地上植物とは違い根からの栄養補給だけではなく葉から栄養を供給することができます。
 しかし、クリプトコリネやアヌビアスといったサトイモ科、バリスネリアやサジタリアといった単子葉植物、グロソステグマやウオータークローバーなど地下茎で繁茂するものなどはまだまだ底砂からの栄養が必要となってきます。
 また、底砂中の栄養は微量元素等、様々のものと反応しやすく有用にも有害にも蓄積されてしまいます。とくに、魚の給餌に伴う窒素化合物の蓄積による弊害による生態系破壊がたいていの水槽崩壊につながります。

 その中で、底砂中に水草に吸収されやすい形の栄養としてどのようなものがよいのでしょうか。
 通常、ドイツから輸入されている栄養素で、底砂に混入するものはたいてい天然の腐葉土や泥、もしくはそれらを混合したものです。
 ドイツのものはお国柄の水質もあってイオン交換性の高いものが多いようです。日本のソイル系の砂もこれらの性質を兼ね備えたもので栄養供給やイオン交換が終わればただの泥、ましてや交換された有害物による弊害すら認められるでしょう。
 ヨーロッパではこれらの弊害を起こさぬために砂は石英質のものを使用し、初期立ち上げのための栄養(デナリーデポニット等)やイオン交換剤(テトライニシャル、デュプラリット等)を使用するということになっているのでしょう(真意はわからないが)。
 デナリーE15やデュプラプラント、テトラクリプトなどは底砂に埋め込むと伝導度の上昇により肥料やけという症状を起こします。
 また、これらをオトシン等がなめると死に至る危険もありますので十分注意が必要です。

 底床に埋め込む栄養はこのように様々な問題点があり、徐放(徐々に栄養を放出する)は難しいのです。そのため栄養を急激に放出し肥料やけを起こしたり、イオン交換などによる弊害(不要物の蓄積)を起こしてしまいます。

 それらのことを頭に置き制作されたものがジャレコ フロラステックシリーズです。
 フロラステックは底砂が嫌気的な状態にある環境を酸素供給により改善し、それと同時にその嫌気環境を利用し、水草に鉄や微量元素を供給する仕組みになっています。
 通常の環境の良いバランスのとれた底砂では若干の栄養を供給するだけで目立った効果は認められません。しかし、ひとたび底砂に異変が起きる兆候を見せれば、それを食い止める作用をする特徴を持ったものです。それを食い止めると同時に水草に栄養を与え、水草を健全にし、底砂の過剰な栄養を吸収させる作用により、また、底砂を健全な状態に戻すというサイクルを成立させることができるのです。
 ですからこれは水草の栄養と言うよりも底砂安定剤とでも言うものなのです。これを入れたがいつまでたってもなにも起こらない。それがこの改善剤の役割なのです。
 ビギナーの方には必需品でしょうね。

 次にまだ販売されていませんが5月頃販売予定のニューフロラステックプロがあります。これは、ペットフェアー('99/3/27〜28、神戸)でジャレコのブースを訪れた方はサンプルをもらうことができたと思いますが、説明しましょう。
 この中身は多孔質な粘土とビタミン、ミネラルと微生物に分解されると有用な水草栄養源となる各種天然アミノ酸からなる有機物、そして初期有効な無機栄養素を含んでいます。この原料はすべてオリジナルに配合され、その効果も水生植物成長という過程での評価もすべて終わったものです。
 またこれらの有機物と、水槽内に過剰に供給される有機物を分解するのにふさわしい従属栄養細菌を含み、アミン、アンモニウム等の硝化に必要な独立栄養細菌、脱窒作用を好気的環境下で行う通性嫌気性細菌などが配合されています。
 また、それらの微生物が底砂に担持しやすいよう底床を団粒化させる微生物も配合されております。
 そのほかに菌類に対してその発生や増殖を阻止する酵素を生成する微生物も含まれるため、植物の感染症や魚などの病気に対しても感受性を持つこととなります。
 また、微生物を芽胞(種のような状態)の状態で乾燥保存しているため通常の輸送(摂氏40℃程度まで)にも十分微生物活性の保証ができます。

 ここで微生物の保存のまめ知識として、この業界ではいとも簡単に濾過バクテリアなどと販売されていますが微生物を保存することは簡単ではないことを申し上げておきます。
 通常、微生物は水が存在すると活動を始めます。しかし、5℃以下もしくは氷点下になれば活動は弱まります。そのため、微生物を保存する場合は常温下で水が存在する環境では培養された時点より、かなり速いスピードで微生物は衰退し、効果が無くなります。
 そのため保存は凍結乾燥(フリーズドドライ)もしくは凍結(冷凍)の状態でなければ信頼おけないことを覚えておいて下さい。
 医薬や食品では保存温度と賞味期間(数日間)を定め販売しているものはありますが、観賞魚では炎天下、何日さらされたのかわからない状況のいい加減な商品が何の疑いもなく店頭へ並べられていますね。
 数年前、市販の観賞魚用微生物をどの程度、歌われている細菌が存在するかと言うことを調べてみました(某メーカー、京都S製作所に依頼)。PSBをはじめ、謳われている微生物が存在した商品はありませんでした。(痕跡程度あったものは存在した。)
 その代わり、なにがなんだかわからない微生物(雑菌)がいっぱい存在しましたよ。これらは人体に安全なものなのかどうかもわかりません。
 バクテリアのもと、といわれるものを購入される場合は十分注意下さい。
 私たち微生物の専門家からみれば恐ろしいことです。

 そうそう、私の専門は微生物と水質、それに付随する化学です。現在はだいたい水の媒介する無機、有機(低分子)化学かな。水や化学に関わることなら何でもどうぞ。夢は重力を制御すること(物理は苦手)。理論的にはこれができれば光速で移動できるし、過去にもさかのぼれると言う可能性があるのです。アインシュタインの規制(哲学)を越えタイムワープ。・・・ご興味のある方、夢を追いませんか。
 話を戻しますが、たぶん製作段階ではまじめに作っているのだと思いますが、品質保証がなってませんね。とにもかくにも目に見えないからといって適当ではいけません。

 ニューフロラステックプロは10日から14日程度で目に見えた効果が認められます。たぶんそのような商品は他社ではないと思いますよ。どのような商品でもまず基本を理解して制作せねばなりません。その基本から逸脱することもあります。しかし、基本ありきで初めて実践と食い違いが認められた場合なぜを考えなければなりません。そうするとその基本には一定の規則が見いだされることになるはずです。そうすればまた新たな基本(理論)が生まれ発見と言うものが起こるのです。

 先ほどのアインシュタインの理論は完璧です。しかし、アインシュタインの相対性理論は超高速通信を禁じていないし、光速信号に時間を逆行させる方法を実際に示しています。
 我々はなぜという疑問を持ち、従来の基本を知り新たものを見いだせます。
 アクアリウムでも人がよいというからではなく、なぜという疑問を持ち調べれば基本がわかりそれに基づき検証してゆけばそれがよいのか悪いのかがわかります。

 固定観念にとらわれれば発見はありません。 

宮本   

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