508.48km  JINST−ARVAYHEER  RCP-336.86km

「あの回廊を越えて」

残す所後2日になり最後のハードステージへと入っていく。今日生き残れば完走は目の前だ!なんと言っても昨年多くのリタイアを出した回廊へのルートである。不安と期待が脳裏をよぎる。スタートして平行ピストを走り小さな集落を超えた辺りから次第に路面が荒れてくる。やがて切り立った岩山が現れるが昨年の大洪水のためにピストは全て流され、人の頭位の石がごろごと転がる中をよたよたと走る。岩山と岩山の間に開かれた回廊と呼ばれる入口に辿り着く。回廊はふかふかの砂のカレ川と化し、とても走り辛い。少しでも硬い所をと、ガレている所を走るがこれまた走り辛い。いろいろと試しているうちに回廊も難なく抜けてしまった。

回廊はちょっとだけハードなルート。 回廊を抜けると大平原が待っていた。

山を下ると大平原をハイスピードで延々と走る。「これがモンゴルの大地じゃー!」と言うくらい延々と走る。遠くに富士山のような形をした山を目標に走って行くがなかなか近づかない。回廊から200kmくらい走ってやっと集落が見えてきた。集落を抜け電柱沿いにピストは延びる。カレ川を数本越えオーボーの横にRCPがあった。ここまで来たら完走したも同然でみんなの表情も明るい。

RCPをスタートしてまたまたハイスピードダートが続く。低地なのか湿地帯も所々にある。4輪が止まっている。良く見るとピストの真中にある大きな湿地帯を突っ切ろうとしてスタックしたらしい。横川氏と冶武氏が泥だらけで格闘している。なんと!山田氏も見物している。そこを大きく迂回して駆け抜ける。前を走っているバイクに追いつくと旭田氏であった。旭田氏は俺がラリーレイドに始めて参加した時にいろいろと教えてもらった師匠でもある。「こりゃ一丁かましたろ!」と旭田氏をぶち抜くと旭田氏も燃えたのかピタリと付いてくる。その後抜きつ抜かれつバトルしながらゴールまで走る。ゴールにはオフィシャルで参加した香川の武田氏が待っていた。「久しぶりにバトルして面白かったねぇー。」と暫し休憩。武田氏も交えて話に花が咲く。

リエゾンでビバーク地へ向かう。リエゾンは久々の舗装道路だ。アルベイヘールは大きな町なのだろう町の入口の看板も大きい。大きな橋を越え山を廻り込み川沿いの綺麗な草原を走る。丘を越えるととても美しい草原のビバーク地にゴールする。夜、大雨と強風がテントを襲う。「明日はちょっと辛いかな?」などとぼんやりと考えながら眠りにつく。

緑がとても美しいビバーク地。 ビバーク地からビバーク地へと荷物を運んでくれるカミオン。


今日の結果  SPECIAL 13位  GENERAL 15位

 

 

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