another face 〜電網の恋人〜

第七話・夢幻

 

 

 

そうしてお兄ちゃんは陸上部の合宿に行った。

帰って来るのは四日後……寂しいな…ううん!お兄ちゃんが帰ってくるまで頑張らなくちゃ。帰って来たお兄ちゃんに誉めてもらえるくらい…。

…お兄ちゃん……。

 

 

 

さてと…伝言板のチェックをしなくちゃ。

お風呂から上がった私は、パジャマ姿でお兄ちゃんのパソコンの前に座ると、ディスプレイの電源を入れた。

 

ウォン。

 

えーと、管理者コードを入れてっと……これで削除の準備は完了。後はどんな書き込みがあるかだけど…。

 

 

【キャンミラマスタ−】

なんだかんだ言って、いちいち反応するって事は、あなたも本当は怒ってなくて楽しんでいるでしょう。>ハニーレモンπ

 

【HELL HOUND】

ニャハハ☆やっぱりそうだったんだあ。実は二人ともすごく気が合ったりして、この伝言板で知り合って、恋人同士になって、ゆくゆくはめでたくゴールイン!なんてね☆>神影・ハニーレモンπ

 

【ピアニッシモ】

男女の仲ってそんなに簡単じゃないと思うけど…。>HELL HOUND

 

【アプリコット】

でも、あえて外見がわからなくて文字だけでお互いの意志を通じ合っているからこそ、その人の内面を理解する事が出来るんじゃないかな?>ピアニッシモ

 

【ピアニッシモ】

なるほど。それもそうですね。私もそう感じる出来事がありました。

 

【@】

いい加減にあの娘の事を教えるか、制服をくれないと、僕にも考えがあるんだぞー。

 

【HELL HOUND】

でも私の友達に、そうやって知り合ってネット上の恋人さんになってる人達がいるよ。名前は教えられないけど。>ピアニッシモ

 

【WIND】

そうですね。個人情報を公開するのは良くありませんよね。>HELL HOUND

 

【HELL HOUND】

ニャハハー☆実は私明日からl'omeletteで働ける事になったのだー。ごめんね>ハニーレモンπ

 

 

これって消していいのかな?

 

 

【@】

いい加減にあの娘の事を教えるか、制服をくれないと、僕にも考えがあるんだぞー。

 

 

人を傷付けてはないけど、お店としては黙っておけないなあ…。うーん…お兄ちゃんが帰るまでそのままにしておこうかな?

うん、そうしようかな。

…ところで『あの娘』って誰だろう?

菜織ちゃんかな?

それとも…私?

……そんな訳無いよね…私って地味で面白味が無いから…。

その後、私はいつも『ぱぶりっく』でしているように、伝言板に私のハンドルネームでコメントを書いて、今日のチェックをお終いにした。

次はメールのチェックをしなきゃ…。

この前初めて取ったメールアドレスへの受信メールをチェックしに行く。

 

 

『WIND』さんからのメールです。

この前の相談についてですが、彼があなたの前に姿を現さないのは、彼自身がまだ自分の事を許しきれておらず、あなたの前に立つ資格が無いと思い込んでいるからだと思います。

彼の気が済むまで、気長に待ってみてはどうでしょうか?きっといつかあなたの前に強くなった彼が現れますよ。

それでは、一日でも早く彼があなたの前に現れる事をお祈りします。

WIND

 

 

あっ…。

『WIND』さんからのメール…。

最初にメールを送って以来、何かと相談に乗ってもらっているけれど、いつもちゃんと答えてくれる。すごく頼りになるからちょっと困った事があると、つい相談のメールを出してしまう。

それに…。

なんだか…お兄ちゃんに似てる…。

 

いつも相談に乗ってくれてありがとうございます。『WIND』さんってすごく頼りになるから、何でもない事でも相談してしまいます。こんな事ではいけませんね。もっと強くならないと…。

それではまたメールします。

 

 

これでいいかな?

あっ最後に自分のハンドルネーム入れるの忘れてる。

……………。

これを送信してっと…あれっ?

ふと時計を見ると、もう十一時を回っていた。

今日はここまでにして、もう寝ようかな。

 

 

 

「「「「「いってらっしゃーい。」」」」」

 

朝、アルバイト初日だからちょっと早目に来てもらったみんなと一緒に、お父さんとお母さんを送り出した。お母さんは出て行く直前まで心配そうにしていたけど、お父さんはいつものように何も言わずに笑顔だった。

お父さん、菜織ちゃん達がいるから安心なのかな?

それとも私の事信頼してくれてるのかな?

だったら嬉しいな。

 

「乃絵美、今からあなたがマスターなんだから頑張りなさいよ。期待してるわ。」

「乃絵美ちゃん、私ドジばっかりで迷惑かけちゃうかもしれないけど…一生懸命頑張るよ。」

「乃絵美、四日間よろしくな。」

「乃絵美ちゃん、よろしくね☆」

 

みんなが笑顔で私に声を掛ける。

私が、それに答えようと…

 

「うん、私の方が頼っちゃうかもしれないけど、よろしくお願いします。」

 

と言ってみんなに頭を下げようとしたら、菜織ちゃんに止められた。

 

「んもう…乃絵美、あなたはマスターなんだから、もっと堂々としてなきゃ。」

「そっそうかな?ゴメンね…菜織ちゃん。」

 

そうか…

私、今日から暫らくマスターなんだっけ…

でも…

お父さんは、そんなに堂々とはしてなくて、もっと…

何て言うか、『暖かかった』様な気がする。

 

「まあまあ菜織ちゃん。そこが乃絵美ちゃんの良いところなんだし…私もいつも通りの乃絵美ちゃんでいてくれたほうがお仕事しやすいよ。」

「でも…。」

 

助け船をだしてくれた真奈美ちゃんに、菜織ちゃんが納得いかなそうな顔で答える。

 

「アタイも真奈美に同感だな。それにそんな乃絵美をお目当てに来てるお客さんもいるんじゃないか?」

「そうだよ☆伝言板のほうにも乃絵美ちゃんのファンが書いたメッセージがあるしね。」

「うぅ〜…サエとミャーコまで…。」

 

でも、さらにサエちゃんとミャーコちゃんも加わって、菜織ちゃんが悔しそうな顔になる。

 

「もう…これじゃ私が悪者みたいじゃない!……解ったわ。乃絵美はいつも通りに仕事をしながら、私達に適宜指示を出すって事でいいわね。」

 

結局、菜織ちゃんが折れた。

何だか、菜織ちゃん…可哀相…。

 

「うん、ゴメンね菜織ちゃ……クスッまた謝ってる。」

「うふふ、でもやっぱりその方が乃絵美らしいわ。さてと…乃絵美、マスターの初仕事をお願いね。」

 

思わずまた謝ってしまった私が微笑むと、菜織ちゃんも笑ってくれた。

良かった。

怒ってないみたい。

 

「はい。それでは皆さんのシフトを発表します。」

 

そうして、ちょっとマスターらしい口調でみんなのシフトを発表して行く。(シフトの編成は、昨日お父さん、菜織ちゃん、私の三人で決めた。)

みんなも私に合わせて、ちょっと慇懃な態度で返事をしてくれた。

シフトの発表が終わったら次は制服への着替えとサイズ合わせ、真奈美ちゃんとサエちゃんはお母さんの予備を、ミャーコちゃんは私の予備をそれぞれ着てもらうことにした。

 

「わぁ、この制服可愛い。ふふっ…いらっしゃいませ、どうぞこちらに…なんちゃって。」

「うふふ…真奈美なかなか似合ってるわよ。」

 

真奈美ちゃんは、l'omeletteの制服が気に入ったみたいで、さっきから楽しそうにしている。

私も最初に制服を作ってもらったときは凄く嬉しくて、お母さんの姿見の前にずっと立っててお兄ちゃんに呆れられたっけ…。

 

「アタイはウェイターの服のほうがしっくりくるんだけどな。」

「でも、サエちゃんが着られるウェイターの服ってお兄ちゃんのぐらいしかないよ。」

 

どう考えても、お父さんのは大きすぎるし…。

お兄ちゃんの制服を、少し小さくして着るくらいしかやっぱり無いかな…。

 

「せっかくだからみんなで統一したほうが良いよ。」

「でもなあ…。」

「サエにミャーコ、どうしたの?」

 

サエちゃん達の会話に、真奈美ちゃん達も加わってきた。

私が手短に事情を話すと、菜織ちゃんがニッコリしながら言った。

 

「ふーん…面白そうね。」

「えっ?」

「ハニャ?」

 

菜織ちゃんの言葉に、真奈美ちゃんとミャーコちゃんが同時に疑問の声を上げる。

そのまま菜織ちゃんは、楽しそうに二階に上がっていった。

『面白い』ってどういう事なんだろう?

 

「サエー!あったわよー!」

 

しばらくして、菜織ちゃんがお兄ちゃんの制服を『二着』持って下りてきた。

 

「はい、サエじっとしててね…。」

「お…おう…。」

 

菜織ちゃんは楽しそうにサエちゃんの側にいくと、サエちゃんを『着せ替え人形』にし始めた。

サエちゃんは、呆気に取られて大人しく立っている。

 

「菜織ちゃん?」

「ニャハ☆サエを『男装』させるんだね。」

 

 

 

「はい、完成!…どう?」

 

そう言うと、ウェイターの格好になったサエちゃんと…菜織ちゃんがポーズを取る。

『二着』持ってきたのは、菜織ちゃんが着るためだった。

 

「うーん…一度やってみたかったのよね。コレ。」

「うん、アタイもこの方が落ち着くな。」

 

サエちゃんも菜織ちゃんも良く似合ってると思う。

 

「わぁ…菜織ちゃんもサエちゃんもカッコイイよ。」

「ニャハ☆写真撮っとこっと。」

 

そう言って、しばらくミャーコちゃんはポーズを取ったりしているみんなを撮影していた。

 

 

 

こうして着替えも終え(急遽ウェイターが二人になっちゃったけど)、一度お店の真ん中で輪になる。

 

「それでは皆さん。今日から四日間よろしくお願いします。」

「「「「はい!マスター!」」」」

 

 

 

こうして私達のl'omeletteは開店した。

シフトは基本的にサエちゃんはキッチン、真奈美ちゃんとミャーコちゃんはフロア、私と菜織ちゃんは必要に応じてどちらかに入るといった感じになってる。

 

カランカラン

 

「いっいらっしゃいませ…えーと次は席に案内して…おっ御席の方にご案内します。」

 

真奈美ちゃんは緊張して、まるでロボットみたいにギクシャクとお客さんを案内した。

あ…手と足が一緒に出てる。

 

「もう…真奈美ったら緊張しすぎよ…お客さん笑ってたわよ。」

 

オーダーを取って戻ってきた真奈美ちゃんに菜織ちゃんが呆れたように声を掛ける。

 

「ごっごめんなさい…。すごく緊張しちゃって…。」

 

まだドキドキするのか、胸を押さえながら真奈美ちゃんが答える。

 

「仕方ないよ…私も最初の頃はそうだったから…。」

「乃絵美ちゃんもそうだったんだ…。菜織ちゃんは?」

 

私の言葉に少し安心したみたいで、真奈美ちゃんの表情が柔らかくなる。

 

「私は大丈夫だったかなあ。」

「ニャハ☆菜織ちゃんってシンゾーに毛が生えてい…フギャ!」

「…どうしたのミャーコちゃん?ぁ…。」

 

と言ってから、私は菜織ちゃんがミャーコちゃんの背中をつねっているのに気付いた。

何だか凄く痛そう…。

 

「…オメエら遊んでないで仕事しろよな…。ほいブレンドとハニーレモンパイ上がったぜ。半分くらいアタイのオリジナルだけどな…。」

「ありがとうサエちゃん、じゃあ行って来るね。」

「真奈美、もっと肩の力を抜きなさいね。さてとサエの方を手伝ってこようかな…。」

 

菜織ちゃんがキッチンの方に行くと、ミャーコちゃんは奥の方に走っていった。

危ないから、あんまりお店の中で走らないで欲しいんだけどな…。

 

 

 

「フウ…ようやく一段落ね。」

「結構疲れるものなんだね。菜織ちゃん達っていつもこんな事してるの?」

 

真奈美ちゃんが、感心したように私と菜織ちゃんを交互に見る。

 

「まあ、真奈美の場合は気疲れでしょうね。ずっとカチコチだったじゃない。」

「ニャハハ☆ミャーコちゃんは『EBC』のリポーターだから、これくらいヘーキヘーキ。」

「アタイもそんなに辛くないな。時々煎餅焼いたり、売ったりしてるしな…。」

「……………なんだか私…足引っ張っちゃってるみたいだね…。」

 

サエちゃんとミャーコちゃんも平気そうなのを見て、真奈美ちゃんが申し訳なさそうな顔をする。

 

「まあ何度もやってれば、段々覚えて自信も付くわよ。焦んない焦んない。」

 

 

 

「皆さんおつかれさまでした。また明日も頑張って下さい。」

「はい、乃絵美もマスターおつかれさま。何の問題も無く、上手くやってるじゃない。」

「そんな…今日はお客さんも少なかったし…。」

「でもいつもマスターとしての責任は嫁せられてるわけだし、私達のほうも上手くまとめないといけないから。やっぱりよくやってると思うよ。」

 

真奈美ちゃんが尊敬の眼差しで、私を見る。

そんなに凄い事なのかな?

 

「そうだな。これならアタイ達は自分の仕事に集中してても安心だな。」

「乃絵美ちゃん、明日からも頑張ってね。あっそうだ☆乃絵美ちゃん家って誰もいないんだよね!じゃあさ、明日『パジャマパーティー』しようよ☆」

「『パジャマパーティー』?ミャーコちゃんそれなに?」

 

真奈美ちゃんが不思議そうな顔で、ミャーコちゃんを見る。

パジャマパーティーか…やった事無いけど…楽しそう。

 

「そうか、真奈美ちゃんは知らないんだ。『パジャマパーティー』って言うのはね。夜、みんなパジャマに着替えてから、遅くまでおしゃべりしたり、遊んだりするんだよ。パジャマだから眠くなったらそのまま寝ちゃえるしね☆ニャハハ」

「へえ、なんだか幼稚園のお泊り会みたいで楽しそうだね。でも乃絵美ちゃんはいいの?迷惑じゃない?」

「迷惑だなんて…すごく嬉しいよ。実は誰もいない家に一人でいるの寂しかったの。」

 

そう、今日からしばらくこの家には私しかいない。

だから、みんなが泊りに来てくれるなんて凄く嬉しい。

 

「じゃあ決まりだな。」

「それじゃあ乃絵美、また明日ね。くれぐれも戸締まりには気を付けるのよ。」

「うん、じゃあみんなお休みなさい。」

 

みんな帰っちゃった。

……

広いな…

…家ってこんなに広かったっけ?

それにすごく静かだな…

…今日は早く寝よう…。

 

 

 

ピチョン

 

「…ひゃっ!」

 

お風呂に入りながら考え事をしていると、滴が肩に落ちてきた。

……

そろそろ出ようかな…。

 

 

 

「……もう寝ようかな?。」

 

髪を乾かし、しばらくテレビを見ていたけど、なんだか落ち着かなくて結局早めに寝る事にした。

 

 

 

「……………………………。」

 

眠れない。やっぱりなんだか落ち着かない。今日の仕事でそれなりに疲れてるんだから、眠れないはずは無いんだけどな……。

 

 

 

「…………………………。」

 

何時の間にか私はお兄ちゃんの部屋の前に来ていた。

 

こんこん

 

取り敢えずノックをしてみる。当然返事はない。

 

「……………お兄ちゃんごめんなさい。」

 

取り敢えず謝って中に入ると、私はお兄ちゃんのベットに腰掛けた。

 

「……お兄ちゃん。」

 

そのまま右に体を倒す。

 

ぽてん

 

少しの埃と一緒に、『お兄ちゃんの匂い』が舞い上がる。

 

「お兄ちゃん……。」

 

しばらく『お兄ちゃんの匂い』に包まれていると、不思議な事に、気持ちが落ち着いてきた。

 

「……………・。」

 

もぞもぞもぞ……。

 

「お兄ちゃん……今日だけは甘えさせて…。」

 

そう言うと私は目を閉じた。

 

 

 

あかい……みんなあかい…。

周りがみんな真っ赤……。

 

「お兄ちゃん…どこ?」

 

返事はない…。

 

「菜織ちゃん…真奈美ちゃん…。」

 

返事はない。

 

「ミャーコちゃん…サエちゃん…みんなどこ…。」

 

返事はない。ただ音の無いあかい世界があるだけ…。

 

…………………ノエミ。」

 

「お兄ちゃん!」

 

かすかな呼びかけに振り向くと、いつのまにかお兄ちゃんが立っていた。

 

「お兄ちゃん何処に行くの?」

 

だけど私がお兄ちゃんの姿を確認すると、お兄ちゃんは少しずつ後ろに下がっていった。

 

「……………ノエミ。」

「お兄ちゃん待ってよ!私を!私を置いて行かないで!」

 

だけどお兄ちゃんはどんどん私から離れて行く。

 

「………ノエミ。」

「おにいちゃん!おにいちゃん!おにいちゃ…。」

 

とうとうお兄ちゃんは見えなくなった。

 

「どうして…お兄ちゃん…どうして私を置いて行っちゃったの?」

「…ノエミ。」

「えっ?」

 

顔を上げるとお兄ちゃんが立っていた。戻ってきてくれたの?

 

「ノエミ。」

「おにいちゃんっ!」

 

私に手を差し伸べるお兄ちゃんの胸に飛び込んで、もう二度と置いて行かれない様に背中に腕を回す。

だけど次の瞬間お兄ちゃんは灰色の『霧』に姿を変え、私を包み込んだ。

苦しい…息が出来ない。

私は『霧』の中から出ようと走ったけど、何処まで行っても『霧』は私を包んだままでいる。

そのうち私は自分の足も見えないほどに濃くなった『霧』に足を取られ、その場に倒れてしまった。

『霧』が私に殺到する。

 

「(おにいちゃん!)」

 

心の中でお兄ちゃんに助けを求めた時、白い『風』が私と『霧』の間に割り込んだ。そのまま『風』は『霧』を私の周りから吹き飛ばしてゆく。

しばらくすると『霧』は『風』と共にすっかり無くなった。かすかな『匂い』を残して…。

 

「おにいちゃん?」

 

 

 

To Be Continued...

 

 

 

第八話予告

 

「乃絵美ちゃんは柴崎君の事が好きなんだよね?」

問われる心の内…

一度『WIND』さんに会ってみたいです。

似た人への憧れ…

「乃絵美…あなた変わった…ううん強くなったわね。」

認めてもらう喜び…

 

少女にとって本当の思い人は誰なのか…

 

次回『another face 〜電網の恋人〜』

第八話・困惑

 

 

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