BLESS〜CLOSE YOUR EYES,OPEN YOUR MIND.〜(PC) ※ディスク2枚組
メーカー BasiL 総合評価 65点(及第点〜佳作)
ジャンル ADV
発売日 2000/09/08
シナリオ あごバリア・一条ジョニー 新規参入ブランドBasiLの処女作。
AIRと同日発売になった作品の1つ。
EFAさんのところに載っている売れ行きを気にするスタッフ?の反応が最高です(笑)
原画 西又葵・鈴平ひろ
サウンド アッチョリケ・KING・Mind Dragon・nayman

※以後の評価は修正版Ver.1に基づいています

個人的エピソード
原画の西又葵さんの絵が好きなんで購入。
あ、「夏色剣術小町」のことは私の前では禁句です(笑)

内容
10年前。俺は両親の仕事の都合でこの街を去って行った。
だが、それ以来頻繁に同じ夢を見るようになる。
それは、俺の後ろをいつも追っかけてきていた一人の少女の夢。
正直、俺はその少女の顔を思い出すこともできない。
けれども、その少女が泣いていたことだけははっきりと分かる。
そして、その少女が助けを求めていたことも。
当時の俺はそのSOSに気付かなかった。
だからこそ、そのSOSに気付ける今だからこそ、その力になってやりたい。
気付かなかった事に謝りたいと思う。
そのために、俺は高校卒業と同時にこの街に戻ってきた。
だが、当時少女が住んでいた家は既になく、その所在を掴む事はできない。
そんな俺にかつての友人が一つの提案をしてくれる。

それはネット、それも多くの人が集まる出会い系のCHATで探すことだった。
1年にわたって様々なCHATで探しつづけた俺に対し、
また新たなCHATを友人が見つけてきてくれる。
そのCHATの名は「Masquerade」。
今度こそ。そんな淡い期待を持って、俺はそのCHATへ参加するのだった。
(マニュアルをほぼそのまま転載)

システムとか
必要容量は約500MB。音声がないわりには容量食う方でしょうか?
基本的には選択肢分岐型のADVです。
難易度は私にはキャラクター別シナリオに分岐する条件がよくわかりませんでした。
最初の1日、2日で決まるのは間違いないですしルートに乗ってしまえば簡単なんですけれど…。

システムはオリジナルの物を使っているようですがあまり誉められたものではありません。
まず、フルスクリーン強制というのが私のような攻略を見ながらやる人間には辛いです。
さらにメッセージ送りのクリックに対する反応が(特に選択後)悪くなることがあるのも減点ですね。
一瞬フリーズしたのかと不安になりました(^^;

セーブ数は10個。
まあ長い話ではないですしルートに乗れば比較的楽ですから特別困らない範囲かとは思います。
しかしながら選択肢が表示されている時にセーブできないのは致命的じゃないかと思います。
スキップは強制スキップのみ。まあ、あるだけマシってとこです。
読み返しは20ページ分可能。多くはありませんが困ることもないでしょう。
鑑賞系はCGおよび音楽鑑賞が用意されています。

さて、このソフトならではの部分と言えば独自画面まで用意されたチャットモードでしょうか。
しかし、このチャットモードではメッセージスキップ、バックログ、セーブなど
メッセージ送り以外のあらゆる操作が不能になっていて困り者です。
唯一可能なメッセージ送りに対する反応も通常時に輪をかけて悪くなってしまいますし(^^;
というわけで文章でわかるかと思いますがシステム評価は低いです

絵とか
西又絵、萌え〜〜!(帰れ


というわけで原画さんが違ったら買っていないでしょうから絵の魅力は高いです。
描き分けができていないとか、正面向いているか左向いてる顔が極端に多いとか
思わないこともないですが可愛さの前では全て詮無きことです(ぉぃ
で、まともなコメントも書きますとイベント絵に関してはあまり言うことありません。
丁寧な仕上がりですし原画の魅力を発揮しています。
#まあサブキャラの絵でちょっと危ういのもありますが(^^;

で、立ち絵なんですがこちらもかなりいいと思います。大きめ表示で表情変化も豊富で○です。
この辺は「Milkyway」みたいですね。特に皐の舌を出した立ち絵は反則だと思います。
私はあの絵だけでご飯3杯はいけますよ!(爆)

ただ立ち絵の切替はもっとゆっくりでいいと思いますし、強制フルスクリーン+大きめの立ち絵が
完全に災いしてジャギが目立つのは残念です。できればブレンド合成くらいしてほしかったところです。
あと目に付いたのは通常シーンの背景に若干手抜きを感じたというくらいでしょうか。
立ち絵がいいのであまり目が行きませんが(^^;
CG枚数は101枚(パターン違い除く)。必要十分な数だと思います。

音楽とか ※音声はありません
音楽はCD-DA再生の全22曲。

ゲーム起動に必要なディスクがそのままBGMディスクも兼ねているのですが質としてはまあ高めの部類に入るかと思います。
ただ、この頃やっていたのが(AIRなど)超高品質の曲ばかりだったのでプレイ中あまり印象には残りませんでした。面目ない。

で、恒例のお気に入りは「SilverMoon」「ただ二人だけ」とOP曲「VANITY」の“曲のみ”です。
なんで“曲のみ”と書くのかと言えばOP、EDともにボーカルの歌唱力が素晴らしく、さらにゲーム本編ではaviファイルなせいもあってか音の割れ方も素晴らしいことになっているからです。
私は声優さんとかの「ヘタウマ」な歌が好きなんですがそれでも辛かったほどに(苦笑)

シナリオとか
まずいきなり全否定するようなことを書いて恐縮ですが、なんでこの程度(内容の項参照)で
ここまでするのかが全くわからなかったりします。主人公の動機付けが今一つ弱いというか。
なので私はほとんど「思い出の女の子」のことは忘れて話を進めてました。
アレですよ、どうせ「愛し合う二人がトーダイ…」とかそういうのに決まってるんだよ(違
#察しはつくでしょうが、この設定を伏線とした話も当然あります

で、それはさておきテキストそのものは悪くないと思います。
キャラは魅力的に表現できていますし、日常会話、チャット共に漫才を思わせるやり取りで何度も笑わせられました。
しかしながら日々がほとんどチャットのみで進むのはいただけません。
バイトがある日はバイト先で二言三言喋るものの、バイトがない日は、朝→いきなり夜、チャット開始→就寝という流れの主人公…フリーターというよりはヒッキーです(笑)
真面目な話、これで長くはないゲームがさらに短くなっている印象を受けました。

一方、ヒロインごとのシナリオの出来はまあまあです。なんだか動機として怪しいものもあるにはありますが、各ヒロインがチャットに出入りするようになるだけの理由もありますし、「Masquerade」なんてチャットに出入りしてるせいかどの娘も心に仮面を着けていますし、この手の恋愛物を成立させる要素は整っています(^^;
このままハッピーエンドかと思わせて一波乱→二人の間に生まれる距離→なんとか困難を乗り切ってハッピーエンド
というパターンの踏襲も嫌いではありません。
何よりこの「困難を乗り切る」部分で奇跡とかに頼らないところと途中多少重い展開になろうが最後は純粋なハッピーエンドという点は、ハッピーエンドに飢えていた私には魅力的でした。
難点としては各ヒロインへのシナリオ移行がやや唐突な印象を受けたこととHシーンへの流れがやや悪い点でしょうか。特に華蓮のHシーンではそれを強く感じました。
せっかくCG、テキスト共に恋愛物としては頑張ってるのに勿体無いです。

あ、サブヒロインのシナリオは短いを通り越して「何これ?」って感じなんでむしろ無い方がよかったんじゃないかと。この娘目当てで買ってたらCD割ってます。

総評
正直全く期待していなくて原画買いだったのですが、予想外に良かったです。
でも熱烈な西又女史ファンの友人は「原画萌え。でもそれだけ」とのこと。
世の中ってうまくいかないもんですね。

まとめ。システムは大いに不満ながら全体としては健闘してるソフト。
絵はかわいいですし、シナリオも私は決して悪くは無いと思います。
ハッピーエンド至上主義の方ならやってもOKかと。
原画萌えなら絶対に話でも萌えられると思うんだけどなぁ……(未練がましい)

書いた時点での総プレイ時間 6時間15分(コンプ)
お気に入りのキャラ 比奈山皐  #そりゃ、あんな立ち絵見せられたら堕ちますわ
お気に入りのセリフ 特になし

初版2000/10/31 最終更新2001/05/31