Coda〜棘〜(Win) | |||
メーカー | (販売)OVER (開発)Chaff |
総合評価 | 60点(及第点) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2001/10/26 | ||
シナリオ | ここのつ | ロッククライマー・TESLAとなぜか1作でブランドが消えてしまう不遇のクリエイターユニットChaffの新作。 果たして次の作品は出るかどうかに注目(マテ |
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原画 | ぶるべら | ||
サウンド | mindrome・I've |
※以下の評価はVer.1.01に基いています
個人的エピソード |
とりあえず同じメインスタッフが作った「Portrait」が良かったので購入。 当然こちらとしてはそれと同レベルのクオリティを期待したわけですが……。 (以下どうしても比較するような書き方が多いですがご容赦くださいm(_ _)m) |
内容 |
棘のように、消せない罪と悲しみを俺の心に刺した、あの夏の出来事から… 今日で丸一年が経ち、俺は草葉学園三年生になっていた。 ずるい俺は、この一年…心の痛みから逃れる為に仲間達と距離を置き、 自ら考えた処世術…心のアンテナの感度を曖昧にすることで、痛みを感じない自分を作ってきた。 生きる為には、それが一番良い方法だと思えたんだ。 だが、俺は気づいてしまった。 いつの間にか…アンテナの伸ばし方が、わからなくなっている自分に。 何を見ても、何をしても、誰といても“つまらない”と感じている自分に。 心が錆びついてしまっている自分が一番つまらなく思えた。 気づくと…生きるのが辛くなった。 今朝…手紙が届いた。 封を開けると…俺の心は、生きているように震えた。 そして“あいつ”に…感謝していた。 ただ、一つの出来事の終焉は…新たな出来事の始まり。 蟻を踏んだような小さなきっかけでも、何が起こるかわからない。 心を焦がす、出来事の始まりなのか? それとも…再び、心を凍てつかせる出来事なのか? それらはゴールに辿り着かないと見えないが… 人は必ず、起点と終点を…生きている限り行き来する。 Codaのように。 (マニュアルより) |
システムとか |
必要容量は約600MB。フルボイスですし、これくらいは当然かもです。 ゲームは選択肢分岐型のADV。もっとも選択肢はかなり少なめ。 攻略に関係ある選択肢に限って言えば数個に過ぎないでしょう。 それに伴い難易度は下がっていますがちょっと少なすぎてゲームとしては面白みに欠けるかも(^^; セーブ数は27個。 先述したように選択肢は少ないのでこれで困ることはないでしょう。 ですが選択肢表示時にセーブできないのはかなり不便でした。 スキップは既読スキップのみ。一応Ctrlキー押下で強制スキップもできますが。 ただ同じテキストでもルートが違うとスキップできないことがあったのはやや不便かと。 また一般と比べてスキップ速度は遅めに感じました。 バックログはかなりの量。「Portrait」の例に倣うなら999行でしょうか。 選択肢履歴の表示機能も例によって健在。 またリロードした地点よりも前のログも読める仕様はなかなか便利だと思いました。 鑑賞系はCG・BGM鑑賞とシーン回想とこちらも一通り揃っています。 全体としては欲しい機能がきっちり揃ったいいシステムだと思います。 ですが1つだけ疑問が。 履歴表示やスキップはキーボード対応してるのに、どうして他は非対応なんでしょう? メッセージウィンドウ消去やメッセージ送りはキーボードで操作できないのは本当に謎です(^^; |
絵とか |
原画さんの絵柄は肉感的な女の子が特徴でしょうか。割と手広く受けそうではあります。 「Portrait」時には多少気になった頭部の大きさも改善されていていい感じ。 塗りの方もかなりいい出来で絵関係のレベルは総じて高いと言えるでしょう。 強いて難を挙げるならば、立ち絵が少ないことくらいでしょうか。 ポーズのパターン数が2つしかないというのはさすがにどうかと思います。 とはいえ、これもHシーンCGのエロさの前では瑣末事に過ぎません(ぉぃ HシーンのCGはヒロイン達が肉感的なことや汁気たっぷりなのも加わって、かなりのレベルかと(^^; 枚数の方は77枚(パターン違い除く) 半数以上はHシーンCGなんで、そういうのが好きな人にはいいかと思いますが、 個人的にはもうちょっと通常イベントのCGを増やして欲しいです。 |
音楽・音声とか |
BGMはPCMで再生、全20曲。うち1曲がボーカルです。 なおボーカルのみI'veの作曲となっています。 曲のレベル自体はは水準よりやや高めといったところ。 ただノイズが目立つのがちょっと気になります。 恒例のお気に入りは「Ache」「Calling」にボーカル曲「遮光(かげり)」あたり。 音声は女性のみフルボイス。 声優陣はWill作品やJANIS作品などでお馴染みの面々だけあって、演技力の面は安心。 キャラにも合っていますしレベルは高いと言って差し支えないでしょう。 個人的には「みなみ」さんがどなたなのか気になります(^^; 長崎みなみさんでないのは明らかなんですが、やっぱり北都南さんなのかなぁ…? |
シナリオとか |
なんかこう……微妙(^^; とても書き難いのですが、こんな具合なんですかねえ。 まずはいい所から書いていきましょうか。 序盤の主人公とその仲間達との出会いや仲が深まる過程を描いた部分は 大変丁寧に描いているし青春恋愛物って感じでいいと思います。 萌えもあり(^^;、また主人公の心情にも入り込みやすく、序盤で恋人同士となる紗世とのとある出来事を機に主人公が荒れるのも非常によくわかります。 特に主人公や周りの人間の描写については中盤以降も同様のことが言えて、特に春香ハッピールートに関しては主人公や春香のみならずサブキャラも含めて「なぜこうするのか」といった部分がしっかり丁寧に描かれていました。 閉鎖世界という極限状態での衝突・悩みの吐露・そして成長の描き方はなかなかのもの。 が、それ以外の部分でどうしても色々と粗が目立ってしまいます。というわけで以下列挙。 中盤以降、主人公達は異世界に閉じ込められ、そこを彷徨うことになります。 その原因というのは主人公のちょっとした行動がたまたま異世界に接続される儀式と同様だったから、というものなんですがその場面に至るまで伏線はほとんど全くありません。 こういったオカルティックな方向に進むならば伏線を張っておくか、あるいはプレイヤーにもキャラにも一切の情報を与えずに「謎の原因で」オカルト路線に進むべきではないかと。ここを読んでない人には飛躍が過ぎますし、読んでいたら読んでいたで面白みに欠けます(^^; またこの作品にも「Portrait」同様ハッピー・ワーストの両ルートがあるのですが、正直これをルートとして独立させる意義があったのかは疑問です。 「Portrait」はハッピー(一般的な恋愛)とワースト(狂気・陵辱)が共存し、お互いを引き立てるような関係を構築していましたが、このソフトにおいてはその奇跡的な関係は見事に消滅してしまっています(^^; ハッピールートはともかく、ワーストルートは主人公が傍観者にほぼ徹するというシナリオのせいもあって、狂気に走る他のキャラの気持ちを推し量ることはできるもののプレイヤーの観点にすれば単なるHシーン回収ルートと大差ないような物になってしまっています。 他のキャラも速攻で狂気に走ってしまうので少々強引さを感じてしまいました。 おまけシナリオ「ケ・モ・ノ・ミ・チ」に繋がる春香ワースト以外は存在意義がないような…(ぉぃ あとは細かいことを言えば、テーマ的なことも含めて綾シナリオで語られる ほとんどの要素は春香シナリオでも語られるというシナリオウェイトのバランスの悪さも気になりますが、 これ以上は単なる重箱の隅を突いてるだけになりそうなんでこの辺で(^^; あ、重箱の隅ついでに誤字脱字がやや目立ったのも付記しておきます(ぉ シナリオ総論としては 基本的な技量はあるが、ちょっと空回り感や欲張りすぎた感がある とまあそんなところでしょうか。なんか偉そうですね、自分(^^; |
総評 |
まあ期待に応えるっていうのは難しいですよね。 それに真っ向から挑戦した姿勢は素晴らしいものだったと思います。 でもって、私はちょっと多くを期待しすぎたと。それだけのことです。 まとめ。力作、でもやや力みすぎ。 そんな風に思ってしまいました。どのパーツを取っても一定以上よくできてるんだけど、 どこか微妙に決め手に欠けるというか……。 もうちょっと欲張らずに気軽に作ればもっと良作に化けた気がしてなりません(^^; |
書いた時点での総プレイ時間 | 15時間(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 水無月綾 | ||
お気に入りのセリフ | 特になし |
初版2001/11/20