初恋(Win) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | RUNE | 総合評価 | 60点(及第点) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2002/10/25 | ||
シナリオ | 猫舌あち | ロリ絵好きに強く支持されるRUNEの新作。 タイトル及びプロモーションの雰囲気から同社初の学園恋愛ADVかという注目を集めた。 |
|
原画 | 野々原幹 | ||
サウンド | feel |
※以下の評価はVer.1.02に基いています
個人的エピソード |
同じ原画さんの「リトルモニカ物語」は結構気に入ってたので買ってみました。 あの作品のセリアは結構ポイント高い幼なじみでしたっけ……(結局幼なじみに走るヤツ^^;) あとはこの絵で学園恋愛物なら外れることはあるまいと思ったのですが……(´Д`; |
内容 |
「初恋」って、初めてする恋のこと――。 でも、その時の気持ちにその言葉をあてはめてみるのはずっと後になってのことで、 やっぱり、その最中には気付いていなかったりすることが多いけれど。 けれど、あなたが自分にとって大切な人になるという予感だけは、確かに最初からあった気がする。 ――そして今、あなたは大切な人だから――。 その春のできごと、それを「初恋」と呼んで、一生忘れないと思う―― 俺、初島稔は、古い由緒ある街を見下ろす丘に立つ『聖桜館学園』に通う二年生。 学校の周囲はちょっと高級住宅街で、学校も歴史の古い学校だから、 どちらかというと目立たないタイプの俺が通うのには似合ってない気もするけど、 どこかのんびりとしていていいところ。 そんな春先、少し気になることが。 俺の男友達と女友達がつきあうことになり、みんなの前でおひろめをした。 今まで女の子のことに興味がなかったわけじゃないけど、 ああしたいこうしたいと思う勇気がなかったのも事実。 でも、その二人を見てやっぱり憧れている自分を意識したり……。 その頃から、どういうわけかひどく気になる女の子たちが何人も目の前に現れ始めて、 そういうことに縁がないと決め付けていた俺も、やっぱりその子たちが気になり始める。 そして、それはその後に続くいくつもの楽しかったり切なかったりする出来事、それから――。 後で『初恋』として思い出す、大事な女の子との大事な思い出のきっかけだったんだ……。 (マニュアルより) |
システムとか |
必要容量は360MB/500MB/1.05GBのいずれかから選択。 フルインストールするといちいち起動時にディスクを入れる必要がないので、余裕があればそれがオススメ。 ゲームシステムはごく普通の選択肢分岐型ADV。 ルート分岐にかかわる選択肢はわかりやすいので難易度的にはごく標準的な部類に属するかと思われます。 少なくともサブヒロイン陽子のHシーン回収以外は特に失敗するようなことはないかと。 セーブ数は20個。 個人的にはもう少しあってもいいかと思いますが、不足を感じるほどではありません。 スキップは既読/強制の両方を実装。オプションメニューで選択、スキップボタンで実行するタイプ。 Ctrlキー押下による強制スキップにも対応、さらにはスキップ速度も可変と機能はかなり充実。 速度もかなり速くてほぼ完璧ではないでしょうか。 バックログは音声リプレイ機能付きで100ページ前まで読み戻し可能。 質量ともに十分でやはり不満はありません。 鑑賞系はCG・BGM鑑賞にシーン回想と完備。 全てを1画面にまとめたデザインは評価できるのですが、結果として各キャラのサムネイルCGを一括で見られないなど操作的に不便な点があるのがちょっと気になりました。 鑑賞系の検索性の低さはともかくとしてそこを除けばほぼ完璧なシステム。使いやすかったです。 |
絵とか |
野々原絵マンセー!(ぉぃ ……とお約束はさておいて。 真面目な話、ロリィな絵を描く方の中では比較的多くに受け入れられやすいタイプの絵柄だと個人的には思います。 適度に子供子供しているので(どんな言葉だ)。私も好きな原画さんの1人です。 普段は可愛らしくHシーンではそれなりにH、立ち絵パターンも結構豊富…と原画に関しては一見いいことづくめなのですが角度によって崩れている物があるのが気になりました。 具体的には小桃の沈んだ顔とか。 しかしそれを除けば原画は安定してますし淡い色使いの塗りが雰囲気にあっていてグー。 総合的に見ればいい仕事をしているとは思います。 枚数の方はCGモードによれば65枚(パターン違い除く) プレイ時間的にもイベント数的にも妥当な数字でしょうか。 一枚絵が欲しくなるようなシーンには大抵きちんと絵が用意されているという印象を受けました。 |
音楽・音声とか |
BGMは(恐らく)Ogg Vorbisで収録、全16曲。うち2曲がボーカルです。 加えて2曲ばかり既存のピアノ曲が使用されているので、実際のオリジナルBGMとしては12曲。 質の方はfeelとしては微妙、世間一般で見れば標準レベル。 それぞれの曲自体は雰囲気にあっていていいけど印象に残る曲が少ないのがやや辛いところ。 お気に入りは「壊れやすい心」、相変わらずfeelの鬱曲はいい感じです(ぉ またOP曲「初恋」はゲーム中で最も「初恋」な雰囲気が良く出ている名曲かと(^^; 音声の方はサブキャラも含めて男女問わずフルボイス。 ちなみにデフォルトの名前だと「みのる」と呼んでくれます。 私は二木と美木の声に最後までどこか馴染めませんでしたが基本的には声質も合っていたし、 演技のレベルも高めで安定していたと思います。 個人的なお気に入りボイスは花梨役のカンザキカナリさんと小桃役の大波こなみさん。 |
シナリオとか |
なんで普通の話を普通に書かないのかなぁ……?(´Д`; この作品に関するコメントはこの一言に完全に集約されるかと思われます。 普通の話を普通に書く。ただそれだけでこの作品の評価は全く違った物になり得たはずなのですが。 このゲームはお約束ですが前半の共通ルートと後半の個別ルートに分かれます。 ちょうど私のコメントもその2つに応じて綺麗に分かれるので以下ではそれぞれについてコメントします。 まずは共通ルートについて。 共通ルートでの誉めどころは何はなくともキャラ立ちの良さと萌え度の高さでしょう。 「リトルモニカ」でもそうでしたが、このライターさんはキャラクターに魅力的な個性を与えた上でそれを見せるのが上手いです。 メインヒロインのうち柚純は個別ルートに行かないとほとんど絡んで来ないので萌えにくいかもですが、それ以外のキャラについては誰かしらツボにハマるキャラクターが見つかるのではないでしょうか。 また学園物はまったりとした日常を見るだけなので飽きてしまうという側面が強いのですが、非常にテキストがあっさりしていて読みやすいのでサラッと読み進められるのは好印象。当然サラッと読み進められる(読み流せる)「読ませる力に乏しい」というマイナス面もありますが両者を天秤にかければプラスがやや勝るかと。 対して共通ルートの難点は主に2つ。 1つは前半のカギである肝試しシーンで多く見られるシナリオ上の不整合。 もう1つはお互いが惹かれあう経緯の説明不足です。 後者に関しては個別ルートに行った後に関係が深まる部分もあるのでいいと言えばいいのですが……、やはりもう少し関係を深めるイベントなどを用意して欲しかったと思わずにはいられません。 さて個別ルートですが……これのどこが「初恋」なんでしょうか?(ぉぃ 実に過半数のヒロインがファンタジー色豊かなシナリオで驚かされます(´Д`; 別にそれ自体はいけないことだと思いませんが、ほぼ全てのシナリオで伏線を張ることなくその設定を出してしまっているのはいただけません。 いきなり「前世から好きだった女を追いかける!」とか言って飛び降り自殺をされてもプレイヤーは呆気に取られるだけです。 「そういう設定なんだ」と割り切った上で見れば話自体は綺麗に着地しているし、良くも悪くもあっさりしたテキストのおかげで案外読み流せるのが救いといえば救いですが……。 果たしてそれを誉めていいものかと言われれば私は疑問です。 読みやすいテキストによって多分に救われているもののやはり突飛なシナリオは人を選ぶわけで。 少なくとも花梨と小桃に関してはあの設定にした意味がまるでわかりませんでした。 ありきたりの話を書きたくなかったのでしょうがアグレッシブすぎるのもいかがなものかと(^^; |
総評 |
う〜ん、別につまらないとも思わないし嫌いでもないんだけど…。 まああれだけムチャクチャな設定で腹を立てさせないだけライターさんは頑張った、のか? まとめ。普通の学園物かファンタジー世界の話ならアリだったかも。 このプロットのままであっても今までのRUNE作品同様に異世界の話であればきっと受け入れられたでしょう。 いかんせん今回は舞台が悪かった。この世界に魔術なんて言葉が出る余地はありません(^^; でもまあ設定を明かした後は実に綺麗に話をまとめているのと、テキストの読みやすさを評価してこの点。 萌えることは萌えましたしね(ぉ |
書いた時点での総プレイ時間 | 15時間(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 高鷺花梨・初島杏 | ||
お気に入りのセリフ | 特になし |
初版2002/11/27 最終更新11/29