シスタープリンセス〜ピュア・ストーリーズ〜(PS)
メーカー (発売元)メディアワークス
(開発元)スタック
総合評価 50点(凡作)
ジャンル ADV
発売日 2001/12/13
シナリオ 公野櫻子(原案)・白根秀樹・野中幸人
滝晃一・あべけん・佐藤勝一・彩乃小路
全国にお兄ちゃん病の患者を大いに増やし、なおも増やしつづけるシスプリのファンディスク。初回限定生産だった…割にはまだ店頭で見かけるような気が(爆)
キャラクターデザイン 天広直人
サウンド 菊池幸範・畑亜紀


個人的エピソード
まあ、ネタとかにしつつもシスプリは好きなんで。
惚れた弱みというか何と言うか…駄作だろうと思いつつも買ってしまうんですよね。
お兄ちゃんって本当に悲しい生き物だと思います(´Д`;

内容
こういったファンディスクの常でいくつかコンテンツがあるので別々に紹介。

◆クリスマス・ストーリー(多分メインと思われるコンテンツ)
妹が12人に増えたバレンタインデー。そして、忘れることのできないホワイトデー。
あれから季節は巡り、また寒い冬になりました。もうすぐクリスマスがやってきます。

そんなある日、12人の妹たちからメールが届きます。
妹全員から、いちどにメールが来るなんて、めったにないことです。
お兄ちゃんは、びっくりしながらメールを開きました。

妹たちから届いたメールは、クリスマスパーティへの招待状でした。
うれしい招待状に、心躍らせるお兄ちゃん。
12人の妹たちとのクリスマスパーティは、どんな楽しいパーティになるのでしょうか?
(マニュアルより)

感想は後述。

◆バレンタイン・ストーリー
前作のストーリーを妹視点で見ていくモード。
選択肢もあって前作の血縁/非血縁・ベスト/ノーマルエンドや、そこに至るイベントを見ることが可能。
経験者以外は立ち入り禁止のある意味とてもファンディスクらしいコーナー。
モードの説明としてはこれだけ。感想については後述。

◆ミニプリコーナー
CG・BGM鑑賞モードと声優陣からのクリスマスメッセージ、
さらに神経衰弱とパズルのミニゲームで構成されたコーナー。
で、こちらの感想はもうここで書いてしまいますが大変物足りないです。
なんでかと言うと理由は極めて単純でクリアしても何もメリットがないからなんですが。
クリアした際に何らかのご褒美的要素があっても良かったんじゃないかと。

そういう部分の配慮でも随分印象は変わると思うんですけどね〜(^^;

システムとか
基本的に選択肢分岐型のADV……なんですが。
選択肢らしい選択肢はほとんどありません(´Д`;

バレンタインストーリーは基本的に妹のモノローグを見るだけの内容なので、
EDやイベント分岐のために選択肢が1〜4個用意されているだけですし、
クリスマスストーリーはクリスマスストーリーで最初に12人のうち誰のメールを読むかという選択と
その後、数回にわたるマップ移動時に「どのキャラに会うか」という選択は行われますが
実際のところ選択肢はどの妹のCGが見られるかというレベルの分岐にしか繋がっていません。
EDとかには一切影響を及ぼさないんです。
と以上のようなわけで個人的には「選択肢分岐型のADV」と呼ぶにもちょっと物足りない気がします(^^;

で、システムそのものについて書くとこちらは前作より進歩しています。

セーブ数は3ブロック使用で12個可能。
普通の人はそんなに使うことはないので足りなくなることはまずないでしょう。
スキップは前作同様、強制スキップのみ。
今回は別に既読スキップが欲しくなるような分量でもないのでまあ困りませんね。

前作は読み返し機能がなかったのですが、今回は音声再生機能付きの物が用意されました。
読み返し可能量は最大45ページ分(メール部分テキストは読み返し不可)

鑑賞系は内容欄でも書きましたがCG・BGM鑑賞が用意されています。
前作のCGを最初から全て見ることができるのは、見逃しがある方には嬉しい仕様でしょう。

システムについて総括するとADVとしては落第だけど、動作システム自体は進歩している。
こんなところが適切な評価かと思われます。

絵とか
大変可愛らしい感じでいいと思います。
というわけで、よほど子供っぽい絵が嫌いとかでなければ万人に受ける絵柄かと。
個人的にはキャラデザの天広さんの最近の絵柄よりも好きかもしれません(ぉぃ

ただやっぱり前作同様、CGの粗さが目立ちます。
今回なんかは鑑賞モードだとインターレースモードの高解像度で見れるだけに不思議でなりません。
普段からそのモードで表示できないんでしょうか?

ハイレゾで収録を銘打ったCGは新規CGが10枚ほど。
前作にも「ハイレゾ」の文字があったような気がしますが気にしちゃダメです(笑)
今回はちゃんと本当に高解像度CGが収録されてますしね。
正直少なすぎると思うんですが…前作のハイレゾ画像も見られるのでよしと……していいのかなぁ?

音楽・音声とか
BGMは全39曲。その他にボーカル曲がありますが、それは鑑賞不可能。
新曲はあまり自信はないのですが、ボーカル曲を除くと恐らく4曲ではないかと。
で、出来の方なんですが相変わらず心に残らない出来です(´Д`;
唯一の救いは今回は謎のモタリが発生しなくなったことくらいでしょうか?
いずれにしても大した評価は出来ません。


一方音声はフルボイス。
もう既にアニメなどでもお馴染みのメンツですのでキャラに合う合わないについては何も問題ありません。
演技力についても不満が出ることはないでしょう。
さすがにこの項目だけはいい評価に落ち着きました(^^;

シナリオとか
いくら何でもこれはどうなのかなぁ……
正直なところ、このソフトのシナリオに対する感想はこれだけです。

クリスマスストーリーは1回15分程度で終わってしまいますし、バレンタインストーリーも
30分程度で終了してしまいます。ボリュームが少なすぎます。
かといって、例えばクリスマスの方で全ての妹のメールを読むとかバレンタインの方で
全ての妹のあらゆる分岐パターンを試そうという気になるかというと、普通はなりません。

よほどシスプリが好きな人ならともかく普通の人は一通り好きな妹の物をチェックしたところで
終わりにしてしまうのではないでしょうか?
根本的にプレイヤーを遊ばせる要素が少なすぎるように感じました。

ロクに選択肢もなく、妹の「お兄ちゃん大好き!」なセリフを延々30分間オートモードが使えるわけでもなく聞かされ続ける……お気に入りのキャラならば、妄想したり萌えたりでそれもまた楽しいのでしょうが、そうでないキャラにそれをやられた日にはプレイヤーはひたすら退屈です(^^;

私はそれでもそれなりに楽しめたのでいいですが、やはりもっとボリュームは欲しいところでしょう。
少なくとも「シスプリ? まあ嫌いではないですけど」レベルのファンは手出し無用という
とてもハードルの高い物に仕上がっています。

まあ、ファンディスクなのでそういう作りもありだとは思うんですが……。
これは下手するとファンでも高い買い物に感じてしまうかもしれません(^^;

総評
なんだか文句つけてばっかりですけど、事実だから仕方ないです。
客観視しても主観でも見ても高く評価するのは難しいかと。

まとめ。「ファンなら」よりはむしろ「ファンでも」
ファンの人でも並のファンでは若干(あるいは多分に)不満が残りそうなソフトです。
妄想力か妹への愛情に自信がある方以外は買わない方がいい。正直そう思います。
ある意味これが何らかの分水嶺になるのかなぁ…?

書いた時点での総プレイ時間 5時間半(一通り終了)
お気に入りのキャラ 咲耶・衛・四葉
お気に入りのセリフ 「……私、かまわないのよ。お兄様が望むなら……相手がお兄様だったら、私、いつでも……ね……ウフフッv」
その他、妄想の源になるようなセリフ全て(マテ

初版2002/01/26