Xenosaga/episode1〜力への意志〜(PS2)
メーカー ナムコ 総合評価 65点(及第点〜佳作)
ジャンル RPG
発売日 2002/02/28
シナリオ 高橋哲哉 色々あってスクウェアを抜けた「ゼノ」スタッフが起こした会社で製作した作品。「ゼノと直接の関係はない」と明言されていたものの「ゼノとどう繋がるのか」に注目が集まった(^^;
デザイン 田中久仁彦(キャラ)
石垣純哉・麦谷興一・沙倉拓実(メカ)
サウンド 光田康典

※便宜上、「ゼノギアス」(スクウェア)を文中では「前作」として扱っています

個人的エピソード
とかく色々言われがちなディスク2も含めて「ゼノギアス」が好きだったので購入。
episode1とか書いてあって終わらせる気がなさそう(というか終わらないと明言していた)のが
若干気がかりだったのですが……。

内容
西暦20XX年。
一人の男の手によって、アフリカ、トゥルカナ湖より謎の物体が発見される。
遺跡の中から発見された謎の物体。やがて、その物体は“事象変異機関ゾハル”と呼ばれるようになる…

“ゾハル”が発見されたよりも、更に遠くの未来。
人類は"ある理由"をきっかけに地球圏を放棄せざるをえなくなり、宇宙へと進出していた。

ゾハルが発見されたよりも、4000年後の宇宙、
地球の記憶が忘れ去られた時代を舞台にしてゼノサーガの物語は繰り広げられる。

この時代、人類は"グノーシス"と呼ばれる謎の生命体に命を脅かされていた。
明らかな敵意を持って、襲い掛かってくる"グノーシス"の集団。
それに対抗する為に人類の開発した人型末端兵器"A.G.W.S."と戦闘用アンドロイド"KOS-MOS"


一人の女性が、人類とグノーシスの、ゾハルをめぐった争いに巻き込まれていく。
(OHPストーリー紹介より)

システムとか
オーソドックスなRPGのシステムを連想していただいてまず問題ありません。
なので以下若干特徴的と思われる部分のみ説明。

大きな特徴として前作同様押すボタンによる攻撃の使い分けと、その組み合わせによる必殺技が挙げられます。
ですが、今回は弱中強という使い分けではなく攻撃の性質(物理攻撃か魔法攻撃かというような違い)による使い分けであること・習得した必殺技のうち使用できるのは任意の幾つかのみというシステム面での変更を受けて最大で3段までしか攻撃はできなくなっています。
ゼノサーガで初めて入る人はともかく前作のユーザーは戸惑うかもですね。

またやはり特徴としてロボによる戦闘がこれまた前作同様存在します。
ですが、今回に関して言えばロボはいつでも呼び出せる盾というような意味合いが強く、あまり重要性はありません。

その他の特徴として戦闘で手に入るポイントが挙げられます。
技・エーテル(いわゆる魔法)・スキルの3種のポイントを消費することで、それぞれ必殺技の強化・エーテルの習得・特殊効果を持つ道具からのスキル取得が可能です。
スキル取得(規定のスキルポイントを消費することで例えば「毒耐性」の特殊効果を持った防具から「毒耐性」のスキルを抜き出せる。以後スキルを装備することで、防具抜きでも毒に耐性を持ったキャラが作れる)はちょっと珍しいかもしれません。

このポイント制の採用や装備できるスキル・技・エーテルの数に制限を持たせたことで戦闘の戦略性が上がったのは評価できるのではないかと。

戦闘以外で珍しい点だとムービーや強制イベントの途中にスタート→△でスキップ可能というシステムでしょうか。
私にはあまり関係ありませんが何度も遊ぶ人や最速クリア狙いの方は重宝することでしょう。

他にもメールシステムなど慣れるまで多少戸惑う部分はあるでしょうが、チュートリアルもある程度しっかりしていますし概ね問題はないと思います。

ただ一つ大きな不満が。
読み込み時間が長すぎます(´Д`;
誰もがHDDを持っているわけでもなし、もう少し短くする工夫が欲しかったです。
またダンジョンなど広いのでマップ表示があればなお良かったかもですね。改善すべきはこれくらい。

絵とか
モモたんハァハァ(マテ

まあこれは冗談としても割といいと思います。
初めはキャラの目のギョロギョロした感じに戸惑いを覚えましたけど、あれはきっとイラストに近い3Dモデルを作ろうとした結果なんでしょう。
それならそれでもう少し頑張って欲しい気もしますけど(ぉ

実際目の問題を差し引けば十分合格点に達しているかと。
ついでに言うならモモの変身シーンや「よくソニーに怒られなかったな」と思うほどのパンチラなどダメな方面にはかなり力が入っているので、そういうのが目当ての方は絵に関してはまず満足いただけることでしょう(^^;


ただロボは本気でカッコ悪いので何とかして欲しいです。
いくら何でも胴体が円柱というのはどうかと。

音楽・音声とか
BGMはサントラによれば全45曲。
……なんですが、実際にプレイしているとそんなにあるとは思えません(^^;
戦闘の曲がボスもザコも同じなのと、1シーンしか使わない曲もあるためにどうしても少ない印象が。

ただ、さすが光田氏と言うべきか質は極めて高いと思います。
特に一部ロンドンフィルハーモニーオーケストラも参加しているオケ曲は素晴らしいです。
私が彼のファンだからというのもあるんでしょうけどハズレ曲がほとんどないんじゃないでしょうか。
恒例のお気に入りは「Life or Death」「Gnosis」「Nephilim」に「Pain」「Kokoro」の両ボーカル曲辺り。


音声の方はイベント及びムービーシーンはフルボイス。
割とマイナーな方からベテランまで色々な方が登場してますが、どの方もなかなか合っているし
演技の方も全く問題なかったように思います。
特に山寺宏一さんのブチキレた演技は最高でした(^^;

シナリオとか
あらゆる意味でゼノギアスの正常進化形(^^;
このソフトを一言で表現するならばこれに尽きると思います。

多用される専門用語・恐ろしいまでの数が提示される伏線。
これは前作でも見られたことですが今作ではさらにその度合いが増しています。

用語に関しては一応ゲーム中に用語集が用意されているのですが、それを見るのが面倒だと思う方や、専門用語を「それはそれ」と流して話と向き合える方でなければその時点で恐らくこのゲームは楽しめないでしょう。
恐ろしいまでに人を選ぶゲームです。

さらに言うならばムービーと強制イベントがプレイ時間の約半分を占めるというのも人を選ぶ点でしょう。
見せ方はそれなりに上手いので私は気にしていませんが、人によってはダンジョンやボスとの戦いが単にイベントを見るための足枷になっているようにしか見えないかもしれません(^^;
(それは間違っていないし、実はどのRPGでも同じことが言えるのですが……)
前作をプレイしたことがある方なら、「全編がゼノのディスク2のノリ」と書けばイメージしやすいでしょうか。
まあ、さすがにあそこまで顕著ではないですけど(^^;


私のようにこれらが気にならない人ならある程度以上楽しめるかと思いますが、
残念ながら上で挙げた問題だけでかなりの人が脱落していることでしょう。
そしてさらにもう1つ、最大の問題があります。

お話が全く終わっていません。
確かに終わっていないとは予告されていましたが、提示された謎や伏線らしきものへの回答がほとんど全くと言っていいほど与えられていなかったり、敵らしき人々との決着も何一つとして着いていないのはさすがに終わってなさすぎです(´Д`;
せめてもう少しケリがついた状態で「To Be Continued」だと思ったのですが……。


初めから予告されていたということで、未完問題を無視すれば割と面白いと思うんですけどね。
少なくとも「ゼノギアス」が好きな人や専門用語多用を気にしない人ならば。

総評
う〜ん、単品で評価する意味があるのか微妙かもですね(^^;

まとめ。次回作の早期発売が急務なRPG。
冗談でも何でもなく、そうでもないとこの作品の評価も確定しない気がします。
話が全く終わっていない状態では本来単一の作品として評価に値すらしませんから(^^;
とりあえず未完問題を暫定的に-5点評価として65点にしてはおきますが……。

ちなみにゼノギアスとの関連性ですがEDの概要を聞いた友人は
「ゼノギアス第1章“ゼノサーガ”エピソード1〜力への意志〜」が正式タイトルだと言ってました(笑)
#クリアした方にしかわからないネタで申し訳ないm(_ _)m

書いた時点での総プレイ時間 約46時間半(クリア)
お気に入りのキャラ モモ、KOS-MOS
お気に入りのセリフ 「私は兵器です」
「モモ、頑張ります」←ぉぃ

初版2002/03/27 最終更新03/28