アンのらぶらぶ大作戦☆(その1)


サンライズ通り、時計台。待ち合わせの為にあるといっても過言ではない時計台の前は小さな広場があり、噴水、そしてそれを囲むようにしてベンチが置かれている。
今日はシリウスとのデートの約束の日、アンは待ち合わせの時間より少し早くやって来た。

  アン「(や〜ん、シリウス様まだいらっしゃってなぁいっ(;_;))」

周りを見回してもシリウスはいない。アンは近くの小さなベンチに腰掛けた。
ベンチに腰掛けて彼の事を考えていると、自然と顔がにこにこしてくる。

  アン「(今日は手とかつないじゃおっかな〜っ、でもでもぉ、初めてのデートでそ
     れはちょっと進みすぎかなっ?シリウス様って奥手っぽいから、アンがリー
     ドしてあげないとな〜〜〜んにもしてくれなさそうよねっ……)
     ……あっ、シリウス様ぁぁぁ〜(^^)」
シリウス「ごめん、待たせちゃったみたいだな」
  アン「いーえ、ぜんぜんっ(^^)でもシリウス様ってすごいです、まるではかったよ
     うにアンが来てすぐ現れるなんて……(^^)」
シリウス「(実はその通りなんだよな(^^;)」
  アン「早く行きましょーよぉ。げーむせんたぁに連れていっていただけるんで
     しょっ?(^^)」
シリウス「あれから考えたんだが、結局俺らしい場所、っていえばそれくらいしか無く
     てな(^^;」
  アン「でもアン、シリウス様と一緒ならどこでもいいかもっ☆きゃっ^^)」
シリウス「よかった、嫌がられたらどうしようか、って思ってたんだ(^^)」



 町人A「おい、見ろよ、シリウスだ。 また鎧着て歩いてるよ」
 町人B「すげー、今日はお姫様のオプション付きだ(笑)」
 町人A「あのお姫様役の人誰だろう?可哀想に、シリウスに付き合わされて」
 町人B「それにしてはお姫様ドレス、着こなしている気が……」
 町人A「まさか?シリウスじゃあるまいし(笑)」
 町人B「……だよな(笑)」
 町人A「あれ?なんか執事風ジジィまでついてるぞ」
    爺「お嬢様ぁぁぁぁぁ〜、爺も、爺も連れていってくださいませぇぇぇ……」
 町人B「う〜ん、オプションまで本格的とは、さすがシリウス……(^^;」
 町人A「そうすると悪役も必要だよな」
 町人B「お前がやったらどうだ?(笑)」
 町人A「やめとくよ。あの背中の長剣でずんばらりんは嫌だ」
 町人B「どうせ刃がついてない偽物だろ」
 町人A「でも、あのシリウスだぞ(^^;」
 町人B「……まさかなぁ(^^;;;」

  アン「ねぇねぇシリウス様、アンにその剣見せてくださぁい」
シリウス「ん?構わないぜ。よっこらせ、と」
  アン「アンが悪者に襲われそうになったらぁ、これを使って助けてくださいますよ
     ねっ?」
シリウス「ああ、勿論だぜ!まかせときな!」

 町人A「お、おい、あれ見ろ、剣抜いたぞ」
 町人B「ま、まさか俺達の会話が聞こえたんじゃ無いだろうな(^^;」
 町人A「シリウスって……耳、良かったよな、確か」
 町人B「え(^^; うわっ、こ、こっち向いたぞ、逃げろっ」

  アン「あ、シリウス様、あの人たち逃げたぁぁぁっ!!きっと悪者に違いありませ
     んっ。成敗しちゃいましょっ(^^)」
シリウス「任せておけ!……ってォィ」

 町人B「やべ、ロックオンされたみたいだ」
 町人A「こうなったら……恥ずかしいけど解除信号送るぞ」
 町人B「……あれか(−−;」
 町人A「背に腹は変えられないぞ」
 町人B「仕方ない。……せーのっ」
町人A&B「お、おぼえてやがれぇっ!」

シリウス「……何をだ?(^^;」
  アン「(せっかくのシリウス様大活躍の場面だったのにぃ……)逃げられちゃいま
     したねぇ……アン、シリウス様の大立ち回り、見たかったのになぁ……」
   爺「お嬢様、そんな不謹慎なことをおっしゃられてはいけません」
シリウス「おおうっ!?……いきなり出てこないでくれ、驚くだろ(^^;」
   爺「申し訳ございません(^^;」
  アン「爺!?なんでこんなとこにいるのよぉぉぉ、アンとシリウス様のラヴラヴデート
     の邪魔しないでよねっっっ」
   爺「(お嬢様、ここは仕立てた暴漢を襲わせるというのは……)←小声」
  アン「そんなことする必要ないわ。アンがこんなに可愛いんだから、そのうち誰か
     がシリウス様の剣の錆に立候補してきてくれるわよ☆」
   爺「……そうですな……」

爺はそういうなり、寂しそうに去っていった。

シリウス「……神出鬼没とはこのことだな(^^;」
  アン「まったく家の仕事をほっぽりだして、何やってるのかしら……(−−
     こんど爺が出てきたら、かっこよくやっつけちゃってくださいねっ(^^)」
シリウス「い、いや、それは相当マズいと思うんだが(^^;」
  アン「シリウス様の素敵なお姿が見たいだけなのにぃ……でも、お楽しみは後に
     取っておくのもいいかもしれませんねっ(^^)」
シリウス「あ、ああ、取っておいてくれ(^^;」





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