GF戦世界設定大局編


舞台となる未来宇宙の大まかな勢力状況とAKを中心にした粗筋のようなものが書かれています。



 光速を超える恒星間航法(ハイパードライブ)と、惑星を居住可能に改造する技術(テラフォーミング)により、人類の居住区域が太陽系以外の星系にまで広がっていた頃‥‥。

 辺境の植民星や国家の太陽系連合からの離反に始まる星間戦争は、カザン帝国・GLFP(銀河辺境惑星連盟)・太陽系連合の3つの勢力による均衡ができていた。しかし、しばらくすると戦局が一段落したことにより各勢力の地力の差が現れてきた。つまり、宙域制圧用の艦船と惑星上の拠点制圧用のAKの開発力及び生産力の差である。

 AK(アーマーナイト)とは、惑星上用の作業用ロボットを改造して作り出された局地戦用制圧兵器である。AKは、多彩な武装を自由に使用できる、いわば万能キャリアとして、拠点制圧時に重要なウェイトを占めるようになっていた。艦船は宙域の制圧とともにAKを搬送し降下させるため必要不可欠なものである。

 やがて、AKと艦船の保有数の差から勢力間の均衡が崩れ、連合が他の2つを制圧・統合して連邦となり、一応の統一は果たされた。未だ各地に戦乱の火種は残っているものの‥‥。

 一方、戦乱の終結に伴い余剰を来したAKとそのパイロットは、各地でストリートファイトを始めるようになった。これに対し連邦政府はAKの管理運用に関する規定を定めるが、その内容はあくまで法律による規制に過ぎず根本的な解決にはならなかった。そこで、そういったパイロット達に職と地位を与える為、またAKのメーカーはその需要を生み出し研究の場を得る為、様々な思惑の元彼らと試合の主催者とを統括する組織「MAI」が作り出された。



ここまではMMの配布ファイルにある説明とほぼ同じです。
ここからはMMの公式設定を元にGF戦オリジナルの世界として、
さらに細かいところまで設定していきます。



 カザン帝国・GLFP(銀河辺境惑星連盟)・太陽系連合・の3つの勢力の星間戦争(汎銀河戦争)が太陽系連合の勝利により終結し、銀河が銀河連邦として統一されてから30年。戦火により居住不可能となった星も少なからずあったものの、この頃、人類が居住する惑星の数はおよそ150となっていた。そのうちの3分の2以上がカザン帝国とGLFPの属していた惑星である。

 しかし、それらのほとんどは戦前のままに惑星や恒星系単位での国家としての自治権を与えられ、銀河連邦の内政干渉や大規模な兵力の駐留などは大して行われなかった。なぜなら、銀河連邦の中核をなす元太陽系連合の兵力や人員では、帝国とGLFPに属していた主要な国や施設を監視し管理下に置くことと、各地に残る小規模な抵抗の制圧だけで手いっぱいという状態だったからである。これは連邦の広大な領土が災いした結果でもある。

 そんな状況の中、先の3つの勢力とは関係ない新たな紛争が起こり始めていた。昔からの因縁や国教の違いが原因の国家間の戦争、主星からの独立をもくろむ植民星の反乱、自分の星を放棄せざるをえなくなった者達による植民星の襲撃、などである。これらの戦争では汎銀河戦争により国力を消耗してしまった国やその植民星が多く狙われた。しかし、連邦はそれらの紛争にも対した干渉はしなかった。いや、干渉する余裕がなかったと言った方がいいだろう。

 今のところ、宇宙の全ての居住惑星と全ての国が銀河連邦に加入していることになっており、それに公に不満の声を上げる星や国はない。しかし、銀河統一とは銀河連邦(太陽系連合)側の一方的な宣言に過ぎず、統治されているとは言い難いのが現状である。連邦に対し快く思っていない国や組織も多く、特に帝国やGLFPの中心となっていた国はいつでも独立の機会を狙っているという。



 GF戦世界設定MM史編

銀河統一後にAK同士のストリートファイトがMMという形になるまでの経緯とMMの現状が書かれています。どこで起きたことなのかは特に決めていません。


 連邦の銀河統一宣言から2年、銀河には居場所を失ったAKとそのパイロット達が多くなっていた。すなわち、軍人やプロの傭兵、そして彼らの乗っていたAKである。広大な宇宙での戦争は、各勢力にその主要拠点の制圧または維持のために多くのAKとパイロットを必要とさせていたが、その必要がなくなりつつあったからだ。そして、それは同時に民間へのAK(特にライト級AK)の流出の原因ともなった。

 戦争中の膠着状態を打ち破った原因と言われるミドル級およびヘビー級のAKは、その大きさ(ヘビー級では全長50M)と保守整備にそれなりの施設と資金が必要なためにそう出回りはしなかったが、汎用性に富み保守整備も比較的簡単なライト級AKは大した武装解除もされずに、作業用ロボット以上の性能を持ったまま社会に出回り始めたのである。戦中にライト級AKが量産されるようになってからは、警察はもちろん民間企業の警備などにもAKは使用されていたが、それはきちんとした手続きを踏んだ上(または秘密裏に)であり、個人レベルでの入手はほとんど不可能だった。それが軍からの横流しや作業用ロボットとしての払い下げといった形で個人でも入手し易くなったのだ。

 その結果、AKを使った犯罪やストリートファイトが発生するようになった。もちろん地域の警察組織も放っておくわけがなかった。しかし、しょせん官民レベルでしか武装を許されないAKでは歯が立たない。なにしろ相手は兵器として使用されていたAKであり、その上そのパイロットには自分達の扱いに不満を持つ元軍人などが多くいたからである。

 そのうち、市街や民間人にはほとんど被害を与えずにストリートファイトに連勝し、警察までも毎回手玉に取る者も現れた。そんなパイロットやAKはマスコミのいいネタとなり、まるで芸能人か英雄のような扱いをされるようになった。治安を乱す行為でも、一般大衆に対してほとんど被害を及ぼさないとなれば、ましてや国家権力に対抗する行為であったら世間に歓迎されるという風潮は、いつの世でも変わりはないのだろう。

 程度の差こそあれそんな状況が連邦内の各地、特に軍事上あまり重要ではなく比較的平和だった惑星、で多く見られるようになると、連邦政府はやっと「AK管理運用法」という銀河連邦法を定めた。それによりAKの製造と使用を公認すると同時に、AKの管理運用に厳しい制限と罰則を設け、軍用AKや過剰に武装されたAKを個人で入手・所持出来ないようにしようとしたのである。

 しかしAK管理運用法は大した効果もなく、逆にAKを使った犯罪(パーツ目当ての強盗など)が頻発し始めると、ついに警察と行政への市民の不満が爆発した。文化人と称するタレント学者や老舗の新聞社などがそれにさらに拍車をかけた。AKの個人所有を禁止し、AK用の武器の製造販売を全面禁止にすべきだ。しかし、一方では、星間戦争の功労者であった彼らに、それなりの職と地位を与えなければ根本的な解決にはならないと言う意見もあり、それは事実であった。

 そこである提案を出したのが大手企業や地方自治体であった。大手企業、特にAK産業に関わり、AKの研究所などを抱える企業が、ストリートファイト(1対1のAK戦)を公式化し、ストリートファイトを行っているAK乗りにプロのパイロットと言う職を与え、安全管理された闘技場内でバトルを行ってはどうかと提案したのである。そうすることにより、AKのデータを効率良く取る事が出来、また、自社AKの宣伝も出来るというのが本音ではあるが、AKメーカーとしてはまさしく一石二鳥、いや一石三鳥の案であった。地方自治体はと言えば、こちらは事情は違うがやはり同じ事を考えた。ストリートファイトやAK犯罪による物的・人的損害は時には甚大なものになり、地方財政を圧迫する始末であったのだ。また、うまくやればそれなりの収入源にもなるとの目論見もあったのだろう。それに世論が加わったのは言うまでもない。

 この案は連邦にも受け入れられAK管理運用法もそれに合わせて改定され、やがて、MMの主催者とパイロット達による組合、MAI(MatchMaker and ArmoredKnight Inspectors)が作られたのである。

 そして現在、AK同士の戦いはMMと言う名の元に公なものになり、MAIの監督下で各地で主催されるようになった。ただし、MAIの監督と言っても、実際のMM開催の形態や規約に関しては、それを行う団体や自治体、または個人の自由となっている。

 また、MMがショー的な意味合いを持ち、AKが身近になったことにより、元軍人やAKメーカー関係者以外で、個人的にAKを所有する人も多くなった(もちろん、AKの使用規制や所持規定などはある)。個人経営のAK工場や、大学のAK部に所属している者、機械マニアやただの金持ち(笑)などがMMに参加するようになったのである。それと同時に、様々な団体・個人が様々なMMを主催するようになってきてもいる。

 今やMMは、そのハードな戦いとは裏腹に、誰もが参加可能なスポーツと化しつつあるのかも知れない‥‥。


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