GF戦世界設定単語解説編・後編

【銀河アカデミー】

 連邦の最高学府であり最大の研究機関でもある。太陽系連合内の科学技術と研究の情報交換を行っていた総合科学学会とその施設を発展させて作られた。あらゆる学問の研究の場であり学習の場でもある。学問の最先端がすべてここに集まってくると言っても過言ではない。
 位置づけ的には大学より上の、すべての人に開かれた大学院のようなもので、どこの国家にも属していない。一定の条件を満たしていれば年齢学歴に関わらずここで学ぶことが出来る。また、銀河アカデミーで決められた博士号のうち30以上の博士号を修得した者は総合科学者(ネクシャリスト)と呼ばれるが、現在は
銀河に30人しかいない。
 施設は地球から20光年ほどの惑星上にあり、その惑星の人口の半分は銀河アカデミーの関係者だと言う。
(それにしても、「銀河アカデミー」ってありがち過ぎ(^^;;;)


【マシンナーズ】

 身体の一部または全身を機械化した者のこと。その中でも特に、機械化に際し必要以上の性能(武装化や知覚系の強化など)を持たせた者のことを言う。普通の義手などをこう呼ぶことは少ない。
 サイバネティクス技術の進歩によりほぼすべての臓器を機械で代用出来るようになっているが、脳以外の全身を機械化したとしても不死になるわけではない。脳は老化するので保っても180年くらいが寿命である。それに、全身の機械化と術後のメンテナンスに必要とする金は、たとえ星間企業のオーナーと言えどおいそれと出せる金額ではない。


【ハイパーノーツ】

 いわゆるニュータイプや超能力者、変身能力を持つ者などの総称。過酷な宇宙環境と異質な惑星環境などによる者、人為的な遺伝子改造などによる者がいる。
 連邦は彼らに対し通常人と全く同じ権利を認めているが、実際は嫌悪・迫害される地域(惑星・国家)が多い。しかしその能力を生かす場はいくらでもある。軍、民間の諜報機関、傭兵、AKのパイロット、悪の組織(笑)などである。


【犯罪組織と宇宙海賊】

 惑星間の定期便や観光宇宙船を狙う小規模な海賊から、惑星上の企業施設や果ては軍の補給基地などを襲う大胆かつ大規模な海賊まで存在する。戦力としてAKを使用している海賊が多く、そのパイロットには元軍人も多い。海賊になった理由は様々で、中にはある目的のための手段として海賊行為を行う者や、義賊めいた海賊もいる。
 銀河最強最大の海賊「カロン」は同じく銀河最強最大規模の犯罪組織「ダークナイツ」の直轄の宇宙海賊である。
 ダークナイツは正体不明の犯罪組織で、組織の概要、幹部等は一切不明。某巨大星間企業と深いつながりがあるという説もある。


【交通機関】

 現在ある交通期間や乗り物はそれなりの進化を遂げている。
 車輪付きの自動車等も現役だが、太陽系連合や帝国内の歴史が長く近代化の進んでいる星では、エアカーやエアバイクが主流。
 他惑星への交通手段は、航宙会社の定期便(旅客宇宙船)や観光宇宙船などが一般的。恒星間航行が可能な宇宙船(スペースクルーザー)を個人で所有している人もいる。つまり、現在の航空機業界を宇宙船に置き換えてそのまま宇宙まで拡張した状態。
 宇宙港も同じように建設・運営されているが、一惑星上の宇宙港の数はそんなに多くはない。太陽系連合内の惑星には大型の旅客船や戦艦などの外洋宇宙船が着陸出来るような宇宙港が特に少なく、そういう星では連絡船に乗り宇宙ステーションまたはスペースコロニーまで行き、そこから目的の船に乗るという形になっている。太陽系連合でも後進の惑星では軌道エレベーターを使用しているところも多い(軌道エレベーターとは静止衛星軌道と地表を結ぶ巨大なエレベーターそのもの。現在でも理論上は建設可能)。


【AK】

 人間が乗り込んで操縦する人型のロボット。モビルスーツと言えば一番わかりやすいだろう。作業用ロボットの開発で培われた技術を元に、惑星上の拠点制圧兵器として開発されたのがこのアーマーナイトである。
 量産が可能になり換装が簡単な武装が多く開発された結果、拠点の制圧・維持・復旧などに汎用運用されるようになった。その後、特殊環境用のAK本体のバリエーションも増え、あらゆる場所で使われるようになる。
 AKまたは武装を施した作業用ロボットは、各企業や特殊な職業に就く個人でも古くから使われていた。それは自然災害や宇宙海賊などに対する自衛もしくは職業上必要なためであり、そのための武装・AKの所持はほとんど公認状態であった。と言っても、AKは高価で運用するにはそれなりの技術が必要であったため、小さな会社や個人で使用しているところは少なかった。
 ところが、汎銀河戦争が終結しAKが余剰を来すと、戦争による混乱も手伝って一般人でも比較的簡単に手に入れられるようになった。AKの価格自体が安くなり、戦中にAKの性能(主に操作性とメンテナンス性)が向上したからである。
 現在では仕事の道具としてはもちろん、趣味としても広く普及し始めている。

 篠崎砂美さんの設定によるAKのサイズは以下の通り。
 AKL(ライト級)が15メートル未満。
 AKM(ミドル級)が15〜25メートル。
 AKH(ヘビー級)が20〜30メートル。
 AKF(フォートレス級)が30メートル以上。


【オーナー・パイロット・メカニックチーム】

 オーナーはパイロットを雇い、そのパイロットにAKまたはAK製作のための資金や設備などを提供する(たいていはメカニックチームもオーナー専属である)。ほとんどの場合、金持ちの道楽か企業の宣伝やデータ収集の一環として行っている。
 惑星クーリエに於いてはAKが趣味として普及しているため、パイロットとメカニックがオーナーを兼ねている場合も多い。


【MM主催者】

 MAIの規定に従いMMを開催する団体または個人のこと。オーナーと契約し、大会を開いたり首試合等の試合を取り持つ。
 地方自治体や企業の他、金持ちが趣味として行う場合があり、特にMMがスポーツとして認められているところでは、それを主催する団体も様々である。


【MM】

 マッチ・メーカー。本来は試合を取り持つ者(大会主催者等)という意味。でも、ここでは便宜上、普段我々が使っている意味で使用します。
 MAIの規定したルールに従って行われる合法なAK同士の戦いのこと。基本ルール以外の細かい内容はそのMMの主催者が決めるが、それらすべてを含めてMMと言う。AK同士の試合のことは、バトル、ドーリング、ファイト、デュエル、等の呼び方をする。
 MMの主催者はすべてMAIに加入していて、そのMMに参加しているパイロットとAKは自動的にMAIに登録される。中にはMAIに加入していない主催者もいるがその信用度は低い。


【AK管理運用法】

 AKの所有規定と運用規定等を定めた銀河連邦法である。
 AKを公道で乗り回してはいけないとか、武装に対する制限、所有・運用時の義務などの基本的なことと、それに違反した時の罰則が定められている。
 もちろん、AKを所有したり操縦するためには免許が必要である。免許は、普通免許、業務免許、特殊免許、の3種類ある。
 普通免許では武装されていないAKの所有・操縦が可能(作業用AK)。業務免許は訓練された者が用途を限定して、武装されたAKを所有・操縦出来る免許(傭兵・警備会社・ギズモハンター等)。特殊免許は運用・格納する施設を限定して武装されたAKを所有・操縦出来る免許である(MM)。
 各国および地方自治体は、これを元にその地域に合った更に細かい規定を定めている。しかし、ごく限られた平和な地域以外ではほとんど機能していない。


【MAI】

 MAIとは、MatchMaker and ArmoredKnight Inspectorsの略。MMの主催者とパイロット達による組合である。AKとそのパイロットの管理・登録、MMの管理とルールの規定等を行っている。
 MAIに認められ加入を許されたオーナーやパイロットは、MAIからAK製作のための援助金や補給品の支給などを受けられる。
 その性質上、MAIの勢力はあらゆるところに入り込んでいると考えられる。また、加入パイロットによる傭兵部隊の斡旋も行っているため、各国の軍隊からも一目おかれている。MAIの運営経費の一部は各軍や企業からも出されているという。
 内部通貨はクレジット。基本的にはラインと同価値であるが、その性質が異なる。
 MMのAKに使用されているパーツや武器は、すべてMAIの審査によりMM用に正式採用された物である。センサーから武器に至るまですべてにMAIによる規格が定めてあり、それを満たした物が採用されるわけである。よって、同じ武器でもメーカーによりデザインが異なることがある。
 また、MAIはパイロットの資格試験も行っており、「パイロットがMAIに認められる」ということはこれに合格するということでもある。この資格はすべての国で通用する。逆に言えば、MAI認定のパイロットになることは非常に難しく、元軍人のパイロットでさえ、それなりの訓練を必要とされる程である。具体的には、学力(ある程度のメンテナンスは自分でも出来なくてはならない)、反射神経・判断力・体力・精神力等の実戦時に必要な能力すべてがある程度のレベルに達していなくてはならない。

 現実世界でのMMの配布ファイルに含まれている公式データやドキュメントに書かれているお約束事等はすべてMAIが決めたものだと思ってください。


【GSO】

 銀河規格統一機構。
全人類規模の規格統一機構、しかし実際に規格が厳格に定められているのは航宙艦のエアロックなど限られたものである。 各国家には独自の規格を定めることが出来る権利が認められており、規格の登録のみが義務付けられている。 GSOの目的は主に航宙艦の規格を定めることにあった。 これは「カザン帝国」「銀河辺境惑星連盟(GLFP)」などが独立するにしたがって独自の規格を設けていた頃にカザン帝国の輸送船が遭難、 エアロックの規格が合わなかったために近隣で活動していた「太陽系連合」の駆逐艦が救援活動を行えなかったため乗員三十名が死亡した事故が2500年ごろにあったためである。 GSOは銀河連邦からは組織的に独立している。 なおGSO本部は地球の静止衛星軌道上都市、パシフィックステーションにおかれている。


【ACAD】

 進化形設計支援システム。
ACADは二十世紀に開発されたCAD(設計支援システム)の発展形である。 主にACADと従来型CADの違いはマンマーシン・インターフェイスが対話型かどうかである。 勿論従来型CADでも対話型は常識となっているがこの場合の「対話」とは人工知性による対話である。 つまりACADはGSOなどの規格を内包した人工知性が設計者と対話してゆくことによって設計を行うのである。 また画面も二十世紀のCADが三面図を前提としていたのに対してACADでは瞬時に3D処理をおこない表示する。 そのため従来型の三面図は廃れつつあるのが現状。 ACADの欠点は高価な人工知性(といっても従来型に比べての話であり一般人には手の届かない話というわけではない)の支援を必要とすること 内包する規格の為の膨大な容量である。 そのため従来のCADで作業するものも少なからず存在するのは事実である。 ACADの性能は人工知性の性能によって左右される。


【惑星クーリエ】

 第一次移民が終わる頃に発見された地球にそっくりな居住可能惑星。地球からは80光年の位置にある。他の植民星のある方向とはかけ離れていたため、第二次移民計画で目的とする植民星には含まれなかった。しかし、連合や地球政府に対して不満を持つ団体等が密かに開拓・移住を開始。第二次移民計画中に行方不明になった船団の中にもこの星に向かった者がいる。
 しばらくすると連合に知られることとなるが、連合はクーリエに対してロストコロニーと同様に扱った。
 クーリエの開拓と他惑星からの移住は細々とだが着実に続けられた。開発が順調に進み人口も増えて、いくつかの都市が出来上がると、その都市を一つの行政単位として自治が行われるようになった。自由都市の成立である。
 クーリエへの移住者は銀河の紛争の数に比例して年々多くなり、西暦2500年頃には惑星総人口が1億人を突破。人口の増加に伴い自由都市の数も増え、やがて各自由都市の代表による会議(合議制)によって惑星国家としての統治と行政を行うことになった。この時点ではクーリエはどの勢力からもロストコロニーと見なされており、互いに干渉はしないが自由に貿易や移住が出来る自由交易惑星であった。
 しかし、星間企業の進出や軍隊の整備などが進み、クーリエが惑星国家としてそれなりの力を持ってくると、太陽系連合もこれを見逃しておくわけにはいかなくなった。3大勢力の均衡が壊れ始めた頃、太陽系連合はクーリエを連合に吸収しようとしたのである。これにはクーリエ市民のほとんどが反対したが、各都市の代表は、銀河の趨勢から考えるといずれは避けられないことと判断。連合が武力行使に出る余裕がないのを見越して、条件付きの加入なら受け入れる旨を伝え、連合もそれを受け入れた。この裏にはクーリエで活動している巨大星間企業の圧力もあったことは言うまでもない。
 結局、クーリエに変化のあったところは、銀河ネットワークに組み込まれたという点と、惑星国家としての軍事・経済活動において連合以外の勢力の軍には直接荷担しないという制限が設けられただけで、連合の軍事活動に対する協力義務も課せられなかった。つまり、自由で開放的なクーリエの気風と市民の生活はなんら変わらなかったわけである。
 そういう立場だったために、汎銀河戦争の影響もまったくなかったと言っていい。各勢力のいずれにも荷担することなく、近隣に軍事上重要な惑星がなかったからでもあるが、クーリエと同じように戦中にも関わらず平穏を保っていた惑星は他にも少なからずある。
 現在、クーリエの総人口は3億人あまり。自由都市の数は大小合わせて30以上。汎銀河戦争後の混乱や各地の紛争から逃れてクーリエへやってくる者は今も後を絶たない。銀河ネットワークに組み込まれたことと、移民局が置かれて宇宙港と定期宇宙便の整備が進んだこともそれに一役かった。
 今ある自由都市には、初期に成立した大都市から機能・施設・住人等を分散する形で発展したものや、新規参入した星間企業または集団で計画的に移住してきた者達による開拓に伴い発展したものが多い。しかし、最初にクーリエを開拓したのは、地球政府と連合の、科学技術を偏重し自然や文化をないがしろにする植民開拓計画に反対し、そのような地球の環境を良くないとする民間団体であった。彼らのその考えは今も受け継がれており、各都市独特の町並みや慣習としてそれが現れている。また、惑星全体の開発計画は自然環境との調和を基本としている。
 惑星全体の気候は今の地球とほとんど変わらず。気象制御技術は封印されている。惑星表面の8割が海で、自由都市は3つの大陸のあちらこちらに数都市でかたまって存在している。
 自由都市間には明確な境界線のようなものはないが、都市間は相当の距離があり、間には農場や自然がそのままに広がっている。交通手段は高速チューブ列車やハイウェイ、または航空機である。
 MMは惑星全土でスポーツとして認められているが、場所によっては禁止されていたり、逆にパイロットが死亡することも有り得るデスマッチを行っているところもある。


【自由都市サングロイア】

 元はある自由都市のベッドタウン的な衛星都市であったが、その自由都市の施設等が飽和状態になってきたために、100年ほど前に都市機能を分散させる形で自由都市として独立した(自由都市として独立した行政を行ったり、それを目的として新たに都市を開発するためには、各自由都市の代表の許可を受けなければならない)。
 自由都市としての再開発計画では主に文化施設と惑星間の窓口となる施設の充実が計られた。外洋宇宙船の発着可能な宇宙港(クーリエでは3番目)の建設と学校やレクリエーション施設の誘致・新設等である。また、クーリエが太陽系連合に加入すると同時に正式な移民局がこのサングロイアに置かれることとなった。その結果、惑星の内外を問わずサングロイアに移住してくる者が増え、都市の産業も成長し、クーリエではそこそこの自由都市となっている。
 衛星都市時代からここに住んでいる市民も多いが、他の星や自由都市からの移住者も多い。そのため、住人の職業や出身も様々であり混沌とした都市という感もあるが、その分活気に溢れているとも言える。そのためか、サングロイアの産業は、第一次から第三次産業までバランス良く行われている。
 サングロイアの気候は基本的に今の日本と同じ。四季もある。
 MMに関しては、AK管理運用法が比較的有効に働いているため民間にも普及している。AKを所有している者も多く、民間のAK教習所やMAIの経営するパイロット養成所などもある。
 現在のサングロイア代表(市長)は、シオドア・エリスン。

 サングロイア主要部の広さと立地状態は横浜市+川崎市と言ったところ。その中で行政・商業・工業・住宅の各区域が大まかに分かれている。と言っても4つの区域にきっちり分かれているわけではなく点々と存在しています。もちろんどの区域とも言えないような煩雑とした場所もあります。宇宙港は主要部と離れた郊外にあります。


【オーシャンコロシアム】

 サングロイア公営のMM専用の闘技場(コロシアム)。最大収容人数は12万5千人。観客席はゆったりしており、場内にはレストランやグッズなどを売っている店もある。
 電磁シールドで隔離された直径800メートルの円内がAKのバトルフィールド。その周囲を囲んで摺り鉢状に観客席が並んでいる。円周が2.5キロメートルもあるため、場内の通路には移動用の電気自動車まで走っている。雨天時には開閉式の屋根が迫り出してきて観客席の上を覆う仕組み。
 場内4ヶ所に取り付けられたホログラフィ投影機によって、試合の様子がバトルフィールドの上空に拡大投影されるため、場内のどこにいても迫力のある試合を楽しめる。
 観客席最上段の一角には、AKのパイロットとその関係者専用の特別観戦室がある。特別観戦室にはもちろんオーナーも入れるがマスコミは入室出来ない。当日に試合のあるパイロット達はここで待機したり、試合後にゆっくりとくつろぎながら他の試合を観戦したり出来る。
 コロシアムの電力の約半分を、潮力・風力・太陽光発電で賄っている。

 オーシャンコロシアムのある地域のイメージは関内ですが、行政関係の建物はもっと少なく、どちらかと言うと商工業+住宅区域と言った感じ。この地域は10年ほど前から本格的な開発が始まったばかりで、開発が始まる前の下町的な雰囲気(町並みや人情等)は今も各所に残っています。

(管理人注・関内とは、横浜市にある街のひとつです。設定を公開していたBBSが横浜にあるため、かなりローカルな地名が出てきています)


【GF戦】

 GFとは、Groovy Fightの略。パイロットはもちろん観客にも楽しんでもらうことを第一に考えた登録制のMM。その試合のことをGF戦と言う。「F」と「戦」がかぶっているが気にしないように(^^;。
 GFはサングロイアが主催しており、その主旨から参加者のクレジットは完全補償、外部転送率も100%となっているので、AKとそのパイロットおよびメカニックが揃っていれば誰もが気軽に参加出来る。が、反面、ハードな試合を望む者からは敬遠される傾向がある。


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