■国営昭和記念公園の実態における一考察

東京・立川駅そばにある、昭和記念公園の潜入レポートをお送りしたい。
我々偵察隊は、そこで恐るべき事実を発見してしまった。
4月某日(忘れた)、我々偵察隊は、駐車場代820円、入園料大人1人400円、
合計1620円を国に納付し(昭和記念公園は国営)、正面から堂々と潜入した。
それってただの入場じゃん。しかしながら、堂々と偵察するのが我々のモットーなのである。
昭和記念公園、広い。めっ…………ちゃくちゃ広い。
我々は「立川口」という入口から潜入したのだが、
第一目標である「みんなの原っぱ」まで、徒歩で約10分かかった。
第二目標、「子供の森」までは、そこからさらに10分ほどかかった。ハイキングだ。
「立川口」は公園の真南に位置し、「子供の森」は真北。
南北に長い広大な公園を、縦断するわけである。ウルトラクイズも可能だ。
園内は汽車を模したバス(?? しかもやたら速くてせわしない)が走っているが、金をとる。
ボートもあるが、金をとる。自動販売機でジュースを買うにも、金をとる。ホットドック買うにも、金をとる。
子供におもちゃを買い与えたのだが、やはり金をとられた。
しかし、それは問題ではない(当たり前か)。
問題は、「みんなの原っぱ」にあった。
我々は、このただっ広い芝生広場で弁当を広げた。
春風というには少し冷たい風が吹いていたが、それでも外での食事は楽しい。
我々は、偵察の仕事をつかの間忘れ、心地よいひとときを過ごした。
いや、過ごす予定だった。実際には、ゆったりとランチを、という雰囲気ではなかったのだ。
メシを食べていても、何かこう、落ち着かない。
なぜ? なぜなの? 教えておじいさん、教えてーおじいさんー。
教えてーーーー、アルムーのーもーりーのー木ぃよ。ヨーレヨレヨレヨー、
とハイジのテーマソングを歌ってしまったが、そこは偵察隊である。すぐに鋭く原因を突き止めた。
それは、夥しい数のじーさんばーさんの、頻繁な移動であった。
人がメシ食ってる横を、じーさんが通過し、ばーさんが微笑みかけ、
じーさんとばーさんが大声で語り合いながら歩き、ばーさん撮影スポットを発見して小走りし、と、
何かこう、ワサワサワサワサしてるのだ。
広い原っぱを薄目で見ると、顕微鏡で覗く池の水みたく、なんかウヨウヨウヨウヨしてる。
じーさんばーさん、一ヵ所に落ち着いてられないものか。
右からストレートでばーさん、左からのじーさんをかわすと、
背後からじーさんが迫り、ふと気付けば目の前にはばーさん。
上からはばーさんが降り注ぎ、下からはじーさんが這い出てくる。……コワ〜。
そんな状況だ。四面翁婆である。
しかし、そこは偵察隊だ。鋭くじーさんばーさんのスタイルに法則性を見いだした。
まずじーさん。63%の確率でいい一眼レフカメラを持っている。
キヤノンのいいヤツとか、ミノルタのいいヤツ、ニコンのいいヤツを、首からぶら下げている。
三脚も必需品だ。あと、ポケットまみれのベストに、リュック。
それで、花とかばーさんとか撮ってる。
いい一眼レフを持っている63%のじーさんのうち、98%がそんなスタイルだった。
次にばーさん。84%の確率で、チューリップみたいな形の帽子をかぶっている。
服装は、74%が淡い緑や黄色や灰色のズボンに、黒っぽい上着。
がま口(なつかしい)を大きくしたようなハンドバッグを提げている。全体的に地味だ。
残り26%は、ピンク色のタイツ(スキーのジャンプスーツみたいな素材)に、
真っ赤なトレーナーなんかを来ている派手組。こちらはハンドバッグではなく、リュックだ。
長めの髪にモジャモジャのパーマをかけている。
オーヤンフィーフィー(なつかしい)を思い出してもらえれば、遠くないイメージだ。
この辺は文章では分かりにくいので、グラフ化してみた(じーさんばーさん)。
じーさんばーさん、どこで示し合わせているのだろうか。やっぱ巣鴨か?
じーさんばーさんの総合ファッション誌でもあんのかなあ。「月刊JeeBaa」なんつって。
こんだけの話です。
「子供の森」はじーさんばーさんがほとんどおらず、
(だからってわけじゃないけど)子供もとても楽しく遊んでいました。
トータルして、オススメです、昭和記念公園。
また行きます。
……いやマジで、こんだけの話なんですってば。