第3回 餌料について


 現在、観賞魚用餌料は各社多種多様なものが発売されています。
 そのなかで、冷凍赤虫や糸目(糸ミミズ)などにはかなり高い濃度のよからぬ細菌が含まれています。
 また、ブラインシュリンプ(アルテミア)の卵などにもサルモレラ菌等が含まれ養殖の稚魚飼育で問題となったケースもあります。養殖魚では稚魚や仔魚期にウイルスに感染し8割程度の鯛やハマチが死亡すると言うことも昨今報告されています。

 観賞魚では乾燥飼料についても保存等の問題で酸化されたものや腐敗(微生物汚染)したものを知らずに給餌し原因不明で魚が死んでしまうと言うケースがよくあります。
 特に鯉の飼料の場合大きな袋で湿度を帯びるような状況保存でこのような弊害がもたらされることが多いようです。

 冷凍赤虫では通常市販されているものでは一般細菌群が1グラムあたり10億個体程度認められ大腸菌群も1000程度認められます。また、クリーン赤虫と言われるものでも前者が100万個体、後者で100個体程度認められます。
 これらのことから、様々な細菌が赤虫の含まれ魚病の原因となっているほか、人体にも悪影響を及ぼしかねません。無論生きた糸目やブラインシュリンプの卵も同等のことがいえます。
 アピストなどシクリッドでは腹部が膨満し、眼球が突出する症状がよく見かけられます。これらは赤虫や配合餌料に含まれるストレプトコッカス族の仕業なのです。
 しかし、魚にとって赤虫などの天然餌料は重要な蛋白源で給餌しないわけにはいかないでしょう。そのため、冷凍赤虫を給餌する場合、必ず水で解凍し、水洗したものを給餌するよう心がけて下さい。

 また、現在市販はされていませんがそれらのものに生きた乳酸菌を添加して与えると死亡率や成長が良くなることがわかっています。
 これは、乳酸菌が他の細菌の活性を低下させ有害細菌数を減らすことが知られています。冷凍赤虫などでは死んでいるため内部にまで乳酸菌は取り込まれませんが表面では確実に拮抗作用が起こり乳酸菌が優性を占め、他の細菌を抑制します。
 それらを補食した動物消化器内では無論赤虫内部にいる有害細菌群が活動を始めようとします。しかし、乳酸菌が優性をしめる状態にしておけば拮抗作用が起こり有害菌活性を阻害することが認められます。
 そのため、魚の成長率が上昇し、死亡率が低下する結果となります。

 乳酸菌は乳酸を生成します。その乳酸や生成物質だけで他の細菌に影響を及ぼしたり、成長を促したりすることは若干認められますが、生菌を投与した場合の方がかなりその効果はかなり高いことがわかります。
 日動からメディフィッシュという餌が販売されています。これには乳酸生成物質は配合されています。しかし、生菌は配合されていません。そのため拮抗による感染症等の抑制効果はありません。

 ここで興味深い実験結果をご報告します。
 乳酸菌(特定のもの)をある一定の濃度にしたものをロベリアカーディナリスやアルテルナンテラ、ハイグロといった植物に投与したところ、投与していないもの、乳酸液を投与したものと比較するとその生長度合い、環境水の透明度、スラッジの蓄積、発根の状態などが大きく優勢になることがわかりました。
 これらのことから、乳酸菌やその活動過程での生成物質等が水環境にかなり良い影響を及ぼすことが研究データーからわかってきました。
 通常、水環境や魚類の腸内には乳酸菌は存在しません。それを無理やり投与し、数日間生きながらえさせることで、環境の改善や魚類など変温動物(元来乳酸菌が腸内に存在しない生物)の体質を改善することがわかってきました。
 ディスカスやグッピーなどの飼育繁殖には欠かせない改善剤となるのは間違いないでしょう。また、海水魚水槽においても、コーラル(動物です)等がポリプにより補食し体質を改善するという報告も受けております。もちろん、淡水魚も海水魚も発色は抜群。
 今後、特定乳酸菌が水環境改善剤や変温動物の体質改善剤として注目されることが必至であることは間違いないでしょう。しかし、この業界のメーカー各位はたぶんこのようなことは知らないでしょう。一部の養殖、車エビなどでは死亡率や発色の向上が認められ、なくてはならない存在となりつつありますが。
 乳酸菌といってもヤクルトを入れてもだめですよ。濃度と菌の種類、配合物により効果が違います。糖などが多く含まれたものを水に溶解すると良くないので注意下さい。

 あと、赤虫や生餌を加熱せず滅菌状態で常温保存する方法もあります。この方法であれば無菌状態なので細菌の心配をすることはいりません。

 もっと詳しくお知りになりたい方は特許公開広報 
   水族の育成環境改善剤及び環境改善方法。
   水生動物の体質改善剤及び体質改善方法。(アクアガーデン、島津製作所 共願)
   生餌。(アクアガーデン)
をごらんになって下さい。詳しいデーター等が盛りだくさんです。
 商品化等にご興味のある方はご連絡下さい。

 もちろん乳酸菌を冷凍前に生きた赤虫に吸収させ冷凍すればより完全なものができるかもしれません。
 また、配合餌料や乾燥飼料でも防腐剤等(環境ホルモン)による弊害が今日指摘されるなか、安息香酸類の仕様を控える傾向にあります。その代わり、天然防腐剤(ワサビや柑橘類抽出物質、竹のエキス等 これらの原料にご興味のある方もご連絡下さい。)の使用に切り替えられる傾向にあります。(食品、健康食品、化粧品等)

 それらとともに、乳酸菌という微生物の力を利用し、薬では得られない生体に優しい効果が期待できるでしょう。

       宮 本    

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