材木の雑学


【栂】(つが)・・・マツ科 別名 トガ、トガマツ 分布 本州(福島県以南)、四国、九州 


あなたは「マクドナルド」を3文字で呼ぶ時、なんて言いますか?関東地方では「マック」、関西では「マクド」と言います。栂も同じです、関東地方では「ツガ」、関西では「トガ」です。
今まで関西において「ツガ」と呼ぶ人にあった事がありません。あなたの地方では何と呼んでいますか?
ちなみに山口県では「トガ」が一般的だと聞きました。でも残念ながら、国産材を使う事は滅多にありません、出回っているのは、米国産の栂がほとんどです。

【米栂】(べいつが)・・・ツガ類マツ科 別名 ヘムロック、ウェスタンヘムロック 分布 アラスカ〜カリフォルニア 



塩地って何?

最近、マンションの台所カウンターに「タモ集成材t30」の文字が多く見られますが、関西以西の地域では本当にタモを使っているのでしょうか?


【谷地ダモ】(やちだも)・・・モクセイ科 別名 タモ,オオバトネリコ,シオジ 分布 本州(長野県以北),サハリン、朝鮮

(タモの漢字は木へんと、佛のにんべんの無い字或いは佛の字を使う)このパソコンでは出ないのでカタカナで表示


【塩地】(しおじ)・・・・・・モクセイ科 別名 コバチ、アズマコバチ 分布 本州(関東以西)、四国、九州


関西の材木屋さんにタモを注文しても、出荷されるのは、塩地です。(見た目、感触、臭いも同じらしい)
材木屋さんが、塩地をタモと称して出荷しているのでしょうか?
私は、正直、タモと塩地の見た目の違いが分かりません。違いのお分かりの方、出来れば教えて下さい。
関西以西では、その地区で生育しているの木材を使うことを前提に、タモよりも塩地と書くべきでは無いのでしょうか?



台所カウンター、「タモ
集成材t30」もおかしいと気がつかない建築士が多い。

カウンターのような仕上げの部分に集成材(
下地材)を使うように書くこと事態、不勉強ですね。集成材とは、間伐等の木をレンガ状に重ねてから、他の材料を仕上げに貼る材料の事で、レンガ状の材料を化粧として使う場合、「タモ積層材t30」と書くのが正しい書き方。(長野県以北) 集成材(下地材)と積層材(化粧材)の違いも分からない人が多い。



以前、我が家の和室に掘りこたつを付ける際、松下○工のカタログに載っていたケヤキ框付き掘りこたつを注文した時、何とケヤキの框は塩地材でした。塩地の板目部分にケヤキ色を施していたのです。ケヤキ框を発注したので、メーカーヘ問い合わせると結局、塩地板目をケヤキとして偽って販売していたとお詫びの返事がありました。(輸入牛肉を国産と偽っているのと同じでは無いのか?)

【 欅 】(けやき)・・・・・・ニレ科 別名 ツキ、ツキケヤキ 分布 本州、四国、九州、台湾、朝鮮、中国大陸
唐招提寺の柱はケヤキです。また、法隆寺の柱は桧です。私はケヤキの臭いが、特に好きです。


【 桧 】・・・・・・・・・・・・・ヒノキ科 分布 本州(福島県・関東以西)、四国、九州
世界最古の木造建築物で有名な法隆寺ですが、テレビで紹介される場合、3重塔や金堂を映しますが、実は回廊部分の柱がもっとも古く、現在では、樹脂で固められています。桧も古くなると油分が減り、虫喰いの害にあい、回廊の柱は穴だらけです。1000年経っても材木強度が落ちないのは、すばらしい。

材木の使い方

国道171線(西宮市)の道沿いに建っている仏壇屋さん「浜○」の和室の材料のお話です。
床の間の上にある部材(落とし掛け)の材料ですが、建設工事を請け負った大手ゼネコン清水建○の設計は、
「床の間の材種は全て桐だ」??結局この落とし掛けや他の材料は、関西流で「杉」を使いましたが、同じ部分でも、土地によって使う材料が全然違います。この設計担当者はどこの出身だったのでしょう?
ちなみに、JR平泉駅前のそば屋の床柱は、「槐」(えんじゅ)を使っていました。床柱に、えんじゅの木って関西では考えられません。(わび、さびの文化にはあわないかも?)

【 杉 】(すぎ)・・・・・・・・スギ科 日本特産 分布 本州、四国、九州
秋田杉、北山杉、吉野杉、屋久杉等が産地として有名ですが、柔らかいのが欠点(住宅の梁には向かない)

【 桐 】(きり)・・・・・・・・ゴマノハグサ科(ノウゼンカズラ科の場合あり) 分布 古くから全国で栽培

【 槐 】(えんじゅ)・・・・・・・・マメ科 別名 エニシ、キブシ 分布 北海道、本州、四国、九州、中国大陸
(北海道のお土産の「熊の彫り物」や宮城県松島海岸のお土産で、槐の木を使っているのは見た事があります。「延寿」とワザとあて字で書いてあったのはお土産の売上げに影響するからか?)



その他の材木  
   
今は、ほとんど見るとことが無くなった木 「チーク、ウォルナット、ブビンガ」
伐採の削減や現地の輸出中止で、使用量が減ったのでしょう

【 チーク 】・・・・・・・・・・・クマツヅラ科 産地 インドネシア、マレーシア、タイ、ミャンマー
25年ぐらい前は、よく使っているのを見ました。某神戸地区(熊谷組の施工)、ゴルフ場のハンディキャップボードはチーク製です。(当初ハンディのスペルが違っていた) handicapboardで合ってますかね? 

【 ウォルナット 】・・・・・・・・・・クルミ科 産地 北米東南部(マサチューセッツ〜フロリダ)

【 ブビンガ 】・・・・・・・・・・・・・・・マメ科 産地 カメルーン、ガボン 
この木は、普通のカンナでは堅すぎて削れません。


ほぼ毎日のようにお世話になっている木 「ホワイトオーク」

【 ホワイトオーク 】・・・・・・・・・・・ブナ科 産地 北米東部に広く分布
ウィスキーの樽に使われている木です、ウィスキーは樽詰め時、無色透明ですが、数年寝かすと、ホワイトオークの色と香りがウィスキーに出てきます。サントリー山崎蒸溜所に沢山置いてあり、とても良い香りがします。お近くの人はどうぞ!

みんな知っていても、実は知らない木 「ラワン」

ラワン材ってむかし、安い材木の代名詞のような感じでしたが実は、ラワンという名称の木は、存在しません。
一般にラワンという名称は一種の樹種に対する呼び名ではなく、フタバガキ科の3属から取れる木材の呼び名です。フィリピン、タガログ語に起源を持つ言葉です、他の諸国から輸入される同類の木材にもラワンの総称が使われ、わかりにくい木になってしまった。

ラワン類・・・・レッドラワン、レッドメランチ、イエローメランチ、ホワイトセラヤ、ホワイトメランチ、メラピ
尚、米国ではラワン材の総称は、フィリピン・マホガニーと呼ぶそうです。ラワン合板も、色が数種類あるのは、これが理由です。



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