ソリッドシューターにおける各種弾薬についての考察・前編 |
ソリッドシューター概説
射撃系の武装としてはかなりメジャーな武器ではないでしょうか?まずこの武装の解説をしていきたいと思います。
リニア方式で砲弾を撃ちだしていることから、大昔SDI計画であったレールガンと同種の物なんでしょう。構造は非常に簡単で、磁石の持つ吸引力と反発力を利用して砲弾を打ち出す物です。具体的には2本のレールの間に砲弾を挟み込み、2本のレールに電力を流し、上下から磁石で磁力を加えると砲弾が前に進みます。覚えてません?フレミングの左手の法則を。
上記の方法は一番単純な方法で、一応ソリッドシューターとして使えそうな機構ですが、多分砲弾が真っ直ぐ進まないでしょう(笑)磁石を複数にしたり色々と工夫を加える必要があります。
他にも磁力を使って砲弾を打ち出す方法が2つあるのですが、一つは説明が煩雑になり、もう一つは実用的なのかどうか疑問符が付くので説明しません(^^;
これの特徴は電力を使って砲弾を打ち出すことですね。従来の火砲では、炸薬が爆発した際に発生する熱で気体の体積を膨張させ、空気鉄砲の要領で打ち出す構造ゆえ大爆音が発生しました。が、電力を直接運動エネルギーに変換するソリッドシューターなら電力が空気にエネルギーを与えないため静かになります…そりゃ砲弾が音速を超えて移動するのですから衝撃波は発生しますけどね。
さてソリッドシューターには様々なタイプの砲弾がありますよね、次はこれらの各種砲弾を説明していきたいと思います。
ソリッドシューター照明弾
砲弾内部に発光剤を内包し、周囲を照らし出すことを目的とした砲弾。
元から儀典用の砲弾と書いてあるように、本当に儀典用なんでしょうね(^^;
ただ儀典用とするなら音響も必要だと私は思います。軍隊等で放つ礼砲はあくまでも音を出すために空砲を放っているのですから。(ソリッドシューターはリニア方式で砲弾を打ち出すため騒音が極めて小さい)
それらの事は別問題として、この砲弾は内部にはパラシュートと粉末マグネシュウムが内蔵されていて、一定高度に達した際砲弾の側が外れパラシュートに取り付けられたマグネシュウムに点火。その強烈な反応光を照明に使っている物だと思います。
MMではほとんど役に立つことはありませんが、実際の軍隊では夜間陣地等でこれを発射して、周囲の視界を確保するという重要な使い方があります(今は使わないかもね…)。
ソリッドシューター煙幕弾
煙幕展開を目的とした砲弾。
ええ、これもそのままのネーミングですね(笑)煙幕を展開します。
これもMMではほとんど役にはたちませんね。
こちらも実戦ではかなり有用な兵器で、敵に接近する時、後退する際それぞれの局面で敵の視界からこちらがうつらなくなります(煙幕で砲弾が防げるわけではないですが、見えないと言うことは重要ですからね)。
AKの使う兵器としてはATM現金自動預け払い機…ではなく、アンチタンクミサイルから身を守る兵器としての使い方も重要です。
ソリッドシューター粘着弾
粘着性の高い物体で敵AKを包み込み身動きを取れなくする砲弾。
粘着弾…多分とりもちみたいな物なんでしょうね(^^;
ただ、普通の粘りけのある物体だけだとAKに全く影響を与えられないので、尋常じゃない接着力と、人がさわった位じゃ変化しない高い粘りけが必要です…特殊な接着剤、しかも速乾性で、ゴム系接着剤のように固まった後も弾性を持つ物体が内部に充填されているんでしょう。
ソリッドシューター雷撃弾
この砲弾は紐付きです(笑)
なぜかと言うと、電気を流すときには閉回路を必要とするからです。
乾電池でもコンセントでもそうですが、必ず電気は回路を一周して戻ってきますよね。もしも砲弾だけで+−の端子を持っているとすると…AK全体に電気は通らず、砲弾の先端にある端子間のみに電撃が流れるだけで、本来の目的、内部の電子機器にダメージを与えると言うことがほとんどない上に、装甲板に命中した砲弾は電気を一瞬流した次の瞬間には自分自身が持つ慣性で壊れてしまいますから(^^;
(発射するときのスピードを遅くすれば壊れないでしょうが、それだと命中しません)
次に紐付きにした場合ですが、これが電気の送り出し側だとして、返り口は…まず大地を電線代わりにする場合を説明します。
こうすれば砲弾が命中した部分から大地側全ての部分に電気を流せる可能性がある上に、一発命中させればそれで事が済みます。
欠点は自分自身にも電気が流れるんですよね。だって発電器−電線−砲弾−敵AK−大地−自分のAK−発電器、という順序をたどって電気が流れるんですから(笑)これの対策は、足の裏に帰ってくる電気を受け止める板を取り付け、その板を絶縁物質で電気絶縁を施しAKに電気が流れないようにして、その受け止める板と発電器を絶縁被覆を施された電線で接続すればOK。
次に返り口もワイヤーを使う場合。宇宙空間だと大地が使えないために、必然的にこちらになりますね。ただ、大地を利用する場合よりも大地の電気抵抗がないため、当たった時の威力は桁違いに大きくなります。
欠点はいわずもがな…2発命中しないと全く意味がないということですね(^^;
次に流す電気は…当然大電圧、周波数は高周波。場合にもよりますが、低電圧の場合ペンキで塗装されただけでも電気が流れないことがあるんです(経験者談)。
(絶縁専用の塗料なんて物も存在します)
それに引き替え、高電圧は真空でも電気が流れる場合があります。
高周波、高調波と言いますが、これは高い周波数の電流は電線の表面のみを流れるという性質がありまして、この性質を利用して金属の表面だけを加熱し焼きを入れる等々の技術があるのですが、武器として考えた場合これもかなり良い働きをしてくれます。
直接的に装甲を溶かす等は表面のみに流れるという性質ゆえ、中低周波に比べると小さなものになりそうですが、この場合怖いのは、高調波が発する電磁波は中低周波に比べると大きく、電子回路に致命的な影響を与えることです。高調波が発する電波、磁気が集積回路内部に入り込み、その電子回路を焼損、機能停止ということが十分発生し得ます。当然電磁波は電気絶縁では防げません(電波及び磁気シールドが必要)。
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