築地本願寺の意匠

− 堂 内 −

The design of Tsukiji Hongan-ji temple which is Chuta Ito's work
” Interior ”

[築地本願寺の意匠−外観−][正法寺ホーム]


本堂向拝の欄楯

敷地外柵の欄楯と比べ、材料も良いし細工も手が込んでいる。インドの欄楯には金具の装飾はないが、彫り物がもっと手が込んでいる。

 

  

”あかり”の装飾  おどりば

別院事務所から二階への階段おどりばの照明。ほのかな明かりが周囲を照らす。築地本願寺は伊東忠太博士の設計であることが有名であるがその注目は外観に注がれることが多い。しかし、内装の細部を見ると外観以上に興味深い意匠がたくさんある。このあかりもその一つと思う。

 

  

階段手すりの木彫の装飾

口から手すりが出ている「化け物」。松井建設の設計図面には「グロテスク」と名付けられている。現在の事務所前の階段にある。暗いところなのでわかりにくいですが、人通は多いところです。

  

  

”あかり”の装飾  来賓室

来賓室のあかりの装飾。鋳鉄か青銅か私には不明。今の基準からすると決して明るくないあかり。窓が大きいので日中は充分な採光が取れるが、反面夜は暗い。

 

  

”あかり”の装飾  来賓室控え室

上の来賓室の隣の部屋、控え室のあかりの装飾。優雅な曲線のガラスのほやがついている。ここも明るくないあかり。写真に写っているが窓が天井まであるので日中は申し分ない採光がある。曇りの日や夜は暗い。

 

  

”あかり”の装飾  総会所(聞法ホール)

1階総会所のあかり。丸柱と鴨居の接合部にデザインされた内蔵照明。明かりがついていないときは柱の「白」と同じに見えるので、まさかここが点くとは思わない。もちろんこれだけでは充分な照明にならないのでほかの照明と相まって明るさを保っている。

 

  

”あかり”の装飾  事務所玄関ホール

1階事務所玄関ホールのあかり。まん丸のほや。この周辺の装飾は手が込んでいる。

 

  

”あかり”の装飾  本堂の大照明

本堂のメイン照明。下から見上げたところ。カメラの絞りの関係でバックが真っ暗になっているが、肉眼だと格天井や周囲の装飾がはっきり見える。火袋が8個付いている。このメインの光源は水銀灯で4本入り。本堂にはこの照明が9個と、一回り小さい火袋の無い水銀灯3本入りの照明が外周に11個付いている。

 

”あかり”の装飾  講堂

2階講堂の照明。これも水銀灯。これは和風、中国、印度でもない。ヨーロッパ風のような気がする。実際この講堂自体がヨーロッパ風である。

 

講堂

2階講堂内部。落成当時は国会議事堂のような階段式円形議場だった。現在議員席は取り除かれ、多目的に使えるようにフラットな床面になっている。正面仏壇の両脇のドアの向こうは議長室であった。

 

1階納骨堂のステンドグラス

1階納骨堂の明かり取り用のステンドグラス。よく見ると「鳳凰」(たぶん)が描かれているのがわかる。これは納骨堂内部からの撮影。納骨堂改修時にはずされてしまいました。現在はありません。

 

本堂入り口のステンドグラス

本堂正面入り口のステンドグラス。内側から見ると外の光が透ったステンドグラスがきれいに見える設計だが、パイプオルガンと空調ダクトの設置により内側から見えなかった。しかし、改修されダクト類が取り外されたので、現在は堂内から美しいステンドグラスが見える。

 

”伊東忠太の動物”  ぞう

”伊東忠太の動物” 獅子と馬

”伊東忠太の動物” 孔雀? いえ鳩です

”伊東忠太の動物” うし

2階の本堂正面入り口から階下のロビーに通じる階段周辺は贅を凝らした造りになっている。階段手すりの装飾に使われている動物たち4題。

 

階段の装飾

2階の本堂正面入り口から階下のロビーに通じる階段の手すり。インドの仏塔を囲繞する欄楯を模している。築地本願寺の周囲を巡る欄楯より装飾が良い。材質もここは大理石、外は大谷石である。

 

1階ロビーの通気口装飾

この装飾は見つかりにくい場所にあります。スクラッチタイルが張られているが、こんなに手の込んだ模様のスクラッチタイルは珍しい。一方向にスクラッチ模様があるタイルがほとんど。通気口の意匠は西本願寺の「菊くずし」紋。

 

これも菊くずし

築地本願寺の半天。これも菊くずし紋と本願寺の「本」の字をあしらったデザインになっている。モデルは代々築地本願寺の仕事をしていただいている関根工務店さん。

 

これも菊くずし

境内にあるマンホールのふた。これにも菊くずし紋があしらわれている。マンホールまで特注しているところがすごい。

 

本堂の木目塗装の腰板

本堂内の腰板。一見するときれいに木目の出た木製に見えるが、実は金属製。この金属に刷毛で木目塗装が施されている。まさに職人技。この仕事が出来る方は今はいないとか、一人いるとかいう。以前は部屋の鉄製ドアなどにこの木目塗装があったが、心ない改修の時ペンキで塗られてしまった。今は本堂内部と数カ所の部屋に残っているだけ。

 

美しい曲線の階段の手すり

階段の手すり。設計者にしてみると手すりの曲線をどう処理するかが腕の見せ所らしい(松井建設談)。見事な曲線で処理されている。

 


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