官制大観 表紙へ [トップページ] [更新のお知らせ ( What's New )]
[和憩団欒房(ブログ)] [参考文献リスト] [資源栞 ( リンク集 )]

[官制大観総目次] [予備知識 総目次][官制の沿革 総目次][官職 総目次]
[役所名50音別索引]


[神祇官] [太政官] [八省] [職〔しき〕] [坊] [寮] [司] [監] [署] [台] [府] [所] [使] [外官] [下級職員・その他]


官職:司:

采女司

(最終更新日:98.07.07

 − 目次 −




 

采女司〔うねめのつかさ〕


宮内省の配下で、「采女」の支配、名簿や進退記録の管理、及び、采女の月料養田に関する事務を担当します。
(采女は采女司に管理される立場で、采女司の職員は男子です。)

平城天皇の大同3年、前年に諸国の采女の貢上の制度を廃止したため、必要がなくなって、縫部〔ぬいべ〕司と共に、縫殿寮へ吸収合併されますが、嵯峨天皇の弘仁3年、翌年からの采女貢上制度再開の準備として、再び独立分置されることとなります。


 

○ 『采女〔うねめ/うねべ〕


采女司の管理下、後宮12司に勤める女官です。(水司に6名、膳司に60名。采女司へは勤めていません。)

当初は、中務省から出される令によって、国ごとに定められた員数ぶん容姿を基準に選び、地方より貢上させた、郡司・諸豪族出身の女官でした。
延喜式以降からは、次第に、在京諸氏から貢上される都会育ちの女官ばかりとなっていきます。

「采女」の官名は、唐に於ける、皇后以下の階級名のひとつから来ているようです。

皇后

夫人〔ぶにん〕(貴妃〔きひ〕・淑妃〔しゅくひ〕・徳妃〔とくひ〕・賢妃〔けんぴ〕

九嬪〔ひん〕(昭儀〔しょうぎ〕・昭容〔しょうよう〕・昭媛〔しょうえん〕、修儀〔しゅうぎ〕・修容〔しゅうよう〕・修媛〔しゅうえん〕、充儀〔じゅうぎ〕・充容〔じゅうよう〕・充媛〔じゅうえん〕

世婦〔せいふ〕(しょうよ・美人・才人)

御妻(宝林・御女・采女)

字義については諸説あるようで、たとえば、【采】=選択、の意、つまり、選りすぐりの美女、ということである、という説があります。

また、なぜ日本では、この職の官名にこの字を当て、[うねめ]と訓じたか、についても諸説あります。髪型や服装から来たものとする説、氏の女の意だとする説、地方=田舎=田の畝〔うね〕出身の女の意だとする説など。


 

● 管轄(被官)


  右弁官局 → 宮内省 → 大膳職〔だいぜんしき〕
               木工寮〔もくりょう〕
               大炊寮〔おおいりょう〕
               主殿寮〔とのもりょう〕
               典薬寮〔てんやくりょう〕
               掃部寮〔かもんりょう〕
               正親司
               内膳司 → 進物所
                     御厨子所
                     贄殿
               造酒司
               采女司
               主水司

 

● 采女司職員構成


正  → 佑   → 令史  → 采部 → 史生 → 使部
(1名) (1名)   (1名)   (6名)

 

● 采女司四部官(四等官・四分官)


 ・ カミ

『正〔かみ/せい〕

正六位下


 ・ スケ


 ・ ジョウ

『佑〔じょう/ゆう〕

正八位上


 ・ サカン

『令史〔さかん〕

大初位下


 

○ 『采女正』


采女の管理支配を担当します。定員は1名。





[神祇官] [太政官] [八省] [職〔しき〕] [坊] [寮] [司] [監] [署] [台] [府] [所] [使] [外官] [下級職員・その他]

[官制大観総目次][予備知識 総目次][官制の沿革 総目次][官職 総目次]
[役所名50音別索引]

[トップページ] [更新のお知らせ ( What's New )]
[和憩団欒房(ブログ)] [参考文献リスト] [資源栞 ( リンク集 )]


© 1997-2010 MinShig All Rights Reserved.