おいらんち
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茹だるオイラ
読んだ本の感想です。主にお風呂で半身浴をしながら読書します。最近は東野圭吾にハマっています。基本的にミステリー推理小説が好き。恋愛小説の類は全く興味なし、コレって女としてダメかしら。文章から好き勝手に情景を都合よく解釈するため判定は甘口傾向。
オイラ的判定基準
ハマった! いいじゃん! ふむふむ ハテ・・・ 苦労した・・・
判定
本の名前
著者名
感     想
「魂萌え!」
桐野夏生
夫に先立たれたことにより未亡人となった妻に予想外の数々の事件が起きる。誰もが不安になる老後を考えさせられる内容。常々、オットには私より先に死んでくれるなと言っているが、母には父より先に死んでくれるなと言っていたりする自分勝手な私。自分の老後はどんな生活になるのか不安、やはり最後は金か?!
「経産省の山田課長補佐、
ただいま育休中」
山田正人
妻の三人目出産に伴い夫が一年間の育児休暇をとることに。育休中の出来事はもちろん育休をとることになったいきさつや、心境の変化や周囲への影響、育休後の生活等をおもしろおかしく、かつわかりやすく描かれている。男の育児休暇が珍しいからこそ、おもしろおかしく感じるのだよね、きっと。
「容疑者Xの献身」
東野圭吾
直木賞受賞作品。でなくともガリレオシリーズ(?)は好きなので読んだと思うが、受賞するだけあり本当に面白かった。事件の真相を先に知らせているようであるが、実は裏には凡人には予想できない感情とトリックがあったりして最後の展開にはびっくりさせられる。そしてその事件の動機には涙が出てしまった。
「父と子の約束」
渡邉美樹
ワタミフードサービス(株)の代表取締役社長である著者の波乱に満ちた半生と、人間哲学に基づいた実の息子達に対する子育て論に始まり、社員教育について等。とにかく熱い魂の持ち主であることは間違いない。「父と子の勉強会」なるものに相当の力を入れて息子達に接し、かなりの自己満足があるにもかかわらず、子供達のコメントがなんとも冷めていることに笑えた。

「県庁の星」
桂望実

県庁のエリートが民間のスーパーで研修をすることになり、そこでの悪戦苦闘ぶりを描く。話題の本なので読んでみることに。性悪な役人(キャリア)ばかり見てきた私としては主人公のような人物が本当にいればな〜なんて思ってしまう。なんとなく伊丹十三監督の「スーパーの女」を思い出させる作品だった。
「頭がいい人、
   悪い人の話し方」
樋口裕一
例をあげて、こんな話し方をする人は愚かで頭が悪い、こんな人が周囲にいたらどうすべきか、自覚する人にはアドバイスをくれるというとても親切な本…。ベストセラーらしいけど、ちっとも面白くないし、ためにもならない。「いるいる、こんな人」という点はあるのだけど、対策と傾向を知ってもね〜、結局はどうにもならないのでは?そもそもすごく愚かな人がこの本を読むかしら、仮に読んだとしても自覚するとは思えない。逆に頭がいい人の話し方を具体的に教えてほしいね。
「ヨコモレ通信」
辛酸なめ子
「世間をシニカルに斬る独特の文体が大人気の著者による、六本木ヒルズ、セレブヨガなどおしゃれスポットへの大闖入レポート 」らしいけど、独特なところが私には合わないらしい。だいたい題名が恥ずかしい。
「夏の吐息」
小池真理子
恋愛感情だけではない男と女の不思議な関係についての短編集。
「グロテスク」
桐野夏生
スイス人と日本人のハーフ姉妹。驚異的な美貌の妹を持つ姉の視点から語られる物語。途中、妹や同級生の日記等が挿入されるものの大半は姉の主観で物語が進む。妹が娼婦となり殺されても悲しくもなく、いい気味だと思っている。ようするに姉は小さい頃から美しい妹と比較され、嫉んでいたんだなという話だった。
「火のみち(上・下)」
乃南アサ
戦争終結後、満州から引き上げてきた次郎は、死んだ父親の代わりに家族を支えてきたが母の死の直後、妹を守るため殺人を犯した。10年の服役中に陶芸に目覚め、出所後もその道を極めていくが、台湾で汝窯を見てからというもの妄信的にその再現に力を注ぐ。上巻の汝窯を知るまでの方が断然面白かったが、下巻になって汝窯についてのこだわりぶりが、ちょっとダラダラ感あり。
「幻夜」
東野圭吾
阪神淡路大震災の混乱のさなかに叔父を殺した男、それを目撃した女が揃って上京、女は野望をかなえるべく策略し、男は指示されるがままに犯罪を犯していく。やがて男は女の素性を知ることになるのだが・・・。死んだ人間になりすまして人生をやり直すという話はよくきく話だけど、ここまでうまくいくものかしら。
「風紋(上・下)」
乃南アサ
高校教師が生徒の母親との不倫関係を精算すべく殺人を犯し、逮捕・起訴されるも、彼が証言を翻したため冤罪ではとの疑いが浮上するというお話。事件後の周囲の人々が世間やマスコミ等に振りまわされる様子が描かれる。「晩鐘」の前の話を確認すべくさっそく読んでみた。やはり未読だったようで順番が逆になったことを悔やみもしたが、逆にうまい具合に続編への伏線が張られていると気付くこともできたので良しとする。冤罪になりえたかもしれない凶器について最後まで真相があきらかにならなかったのが心残りだ。
「13階段」
高野和明
元刑務官と殺人を犯し服役し仮出所中の青年が、ある死刑囚の冤罪を信じ奔走する。江戸川乱歩賞受賞作品。途中まではおおよそ予想通りの展開だったりもするのだが、最後の真実が解明するどんでん返しは予想もつかないもので面白かった。どんな形にせよ人を殺してしまった者は、その後の人格等に多大な影響を受けるという、各自の心の葛藤等がリアルに描かれていた。
「晩鐘(上・下)」
乃南アサ
七年前の殺人事件の被害者側、加害者側の周囲の人々の現在の様子・心境を描いたもの。読み応えのあるページ数だったが、久々に没頭していっきに読んでしまうほど面白かった。被害者の家族、加害者の家族に与える事件の影響は計り知れないものと頭ではわかっているが、それぞれの苦悩等を詳細に描写していた。「風紋」の続編ということだったが、読後になってもしかして読んでいなかったのか、もしくは記憶に残らない程度の作品だったのかが定かではないのが残念。
「秘太刀 馬の骨」
藤沢周平
NHKの時代劇で内野さん主演で今作品を放映するとききつけ、さっそく原作を読んでみることに。秘太刀「馬の骨」を伝授された者を探すため、一人一人に立ち合いを求めていくというもの。藤沢周平原作の映画やドラマは見たことがあったが、原作を本で読むのは初めて。時代小説は今まで敬遠していたのだが、これが面白くて一気に読んだしまった。テレビ放映がますます楽しみになる。
「こころのチキンスープ〜愛の奇跡の物語〜」
ジャック・キャンフィールド
マーク・V・ハンセン
良い話の短編集。第一章「愛の力」の心温まる話(有名な「子犬」や「小さな娘」等)には涙が浮かぶものが多くて感動したのだが、二章、三章〜八章と読み進めるにつれ、「自分を見つける」、「夢を持て」、「あきらめるな」、「前向き」等の言葉が多くなり、なんだか自己啓発セミナーの資料のようだなと感じてしまう。なんだか押しつけがましいような、そんな印象を受けてしまった。
「ドラマチック チルドレン」
乃南アサ
どうやらノンフィクションらしいのだが、どうも好きになれないものだった。
「精神道入門」
小栗左多里
筆者が「幸せ」を求めて修行(手軽に参加できる)した際の体験記。何故この本に興味を持ったかというと、心をもっと強くしたいと常々思っていたわけで、修行によりいわゆる煩悩を捨てることができれば、小さなことで思い悩むことなく夜もすんなりと眠ることができたらな〜という淡い期待があったわけで。結果、煩悩を捨てるということは、かなり難しいことらしい。そして偉そうな坊主も所詮人間だということ。
「柔らかな頬」
桐野夏生
犯人不詳のままの結末。しかし、詳しい動機を持つ犯人かもしれないと思わせるストーリーが、いくつかの選択肢のように織り込まれており、読み進めるたびにこれが真実かもしれないと思わせるリアルさだった。でも結局犯人は誰なのよ。
「ブレイブ・ストーリー
(上・下巻)」
宮部みゆき
少年が主人公で魔法や剣を使っちゃったりするところは「ハリーポッター」を、色々な種族が登場するという世界観は「ロードオブザリング」を思わせる。RPGゲームをする私はわりと嫌いじゃない話なのだけど、宮部さんの作品では今までにない話で、なおかつ流行りの設定の話なんだよね。

「二重証言」
新津きよみ

平凡な主婦が、ちょっとした刺激を求めた行動により殺人事件の第一発見者となる。保身のため通報をせず、1つの嘘をついたことにより更に嘘を重なるはめになる。嘘が嘘を呼ぶと言う典型的なもので、早く真実を言えば楽になるのにね〜。
「号泣する準備はできていた」
江國香織
直木賞受賞作品。破局する恋愛物の短編集。直木賞受賞作品ということで読んでみたが、苦手な部類の話だった。まわりくどい描写の仕方が苦手、リアルなのが好き。

「「レ・ミゼラブル」の100人」
萩尾 瞳

日本のミュージカル「レ・ミゼラブル」(87年初演から97年の再演まで)に関わった人々について出演者を中心に、その後の活躍や当時の心境等についてまとめたもの。皆さんが共通して言うことは、演出家ジョン・ケアードがいかに偉大な人物か、そしてカンパニーの団結力がいかに素晴らしかったか、ということ。2003年版しか知らない私としては、ぜひ当時に観劇したかったと後悔するばかり。
「天空の蜂」
東野圭吾
最新鋭大型ヘリが格納庫から盗まれ自動操縦で離陸、原子力発電所の真上でホバリングしている。その直後、「国内の全ての原子力発電所を停止・破壊しなければヘリを落とす」という脅迫状が届く。ひとことではいえない複雑な事情がからみあう犯人の真意を知るべく最後まで興味深く読むことができた。
「森の中の海(上・下)」
宮本 輝
阪神大震災直後の行政・政治家の対応や、被災者の精神的被害に対するフォロー、教育についての問題提起が夫の浮気が原因で離婚した女性の周辺で起きる出来事の中におりこまれているのだが、説教臭く感じることなく読むことができた。
「未練」
乃南アサ
女刑事・音道貴子シリーズの短編集。音道さんはけっこう好きなんだけど、短編よりも長編が好き。
「片想い」
東野圭吾
大学のアメフト部の同窓会に現れた元女性マネージャーが男になっていた。最近認知されてきた性同一性障害とのことだったが、それをきっかけに男らしいとは?女らしいとは?性差別、殺人事件などを絡めて物語がすすむ。本の題名だけ見ると恋愛小説のようだが、なかなか盛り沢山の内容で面白い。
「模倣犯(上・下)」
宮部みゆき
連続女性殺人事件の犯人の容疑者2人が事故死する。事件の加害者、被害者、その家族、ジャーナリストそして真犯人と色々な視点からの情景や心情がリアルでまるで事件を野次馬的感覚でワイドショーを見る一視聴者のようになる。とても面白かった。中居くん主演で映画化されたようだが、おすぎが酷評していたな。

「嘘つき男と泣き虫女」
アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ
「話を聞かない男、地図が読めない女」の続編。@リモコンでせわしなくチャンネルを変えるA道に迷っても素直にたずねられないB女の買い物に付き合いたがらないCところかまわずおならをするD1度に1つのことしかできない等多数の笑えるポイントがある。特にDの例として、『運転中に地図を見るときや、バック駐車をするときにステレオのスイッチを切る』というのはまさにオット!『かかってきた電話に出る前にテレビのスイッチを切り、皆に「静かにしろ」と言う』というのはまさに我が父!そしてこういった点は男の脳やはるか昔の男の役割からくるものだという。
「ゲームの名は誘拐」
東野圭吾
中堅広告会社の社員が、仕事上で恨みのある自動車会社副社長の娘を偶然に保護することになり,狂言誘拐を仕掛け身代金を取ることを思いつく。犯人の視点からの描写は新鮮で面白かったが、最後がどんでん返しのわりにあっさりしすぎたように思う。
「鳥人計画」
東野圭吾
天性の才能を持ったスキージャンプ競技の選手をコーチが殺害する。完璧なアリバイがあったはずなのに自首をすすめる手紙が届く。どこでミスを犯したのかと犯人側からの描写がなかなか新鮮だったが、他はイマイチ面白くない。
「誘拐の果実」
真保裕一
17歳の女子高生、19歳の大学生を人質にとった誘拐事件が相次いで発生。当初はなんの関係もなさそうな事件だか、実は・・・というお話。とても面白かった。特に動機が今までにないもので興味深いし、誰も死なず被害者と呼ばれる者がいないという特異な事件というのが凄い。たしかに犯罪事件なのだが、動機をきいてもひどい奴だとか、イヤな気持ちにならない、かえってこんな人が今の世の中にいたらなと思わせた。
「超・殺人事件
〜推理作家の苦悩〜」
東野圭吾
副題として「推理作家の苦悩」とあるように作家が作品を生み出すまでの苦悩をブラックユーモアで綴る短編集。最後は「笑うセールスマン」の「喪黒福造(もぐろふくぞう)」みたいな人も出てきた。イマイチ。
「同級生」
東野圭吾
たった一度の関係で妊娠させてしまった同級生が交通事故で死んだ。どうやらたんなる事故ではないらしく、高校の生徒指導の教師らが絡んでくる。またただの教師・生徒・同級生の中で複雑な愛憎関係が交錯し、事件も複雑になってくる。東野さんの作品では、いつも複雑で専門的なトリックで事件が起きるのだが、今回は身近な男女の関係が起因して事件が起きるというもの。まあまあ面白かったけど、学園ミステリーってことで高校生向。
「マダム小林の優雅な生活」
小林聡美
女優・小林聡美さんのエッセイ。小林さんの夫でありオイラが大好きな三谷幸喜さんの朝日新聞夕刊の連載も毎週楽しみにしている。エッセイは普段あまり読まないのだけど、奥様からみた三谷さんの人柄や生活ぶりが分かったら面白いなとミーハー心でセレクト。三谷さんの弱弱ぶりが面白かった。それに比べてマダム小林はとてもアクティブな方。
「白夜行」
東野圭吾
物語の要となる男女の小学生時代から30歳までの時の流れとともに、発端の殺人事件をめぐる謎、複雑な動機、それによって派生する様々な不可思議な出来事をそれにかかわる複数の人物からの視点と、発端の事件を担当した刑事の視点で解明されていく長編小説。とても面白かった。謎を知りたくてどんどん読み進んだ。出来ることなら物語の要となる男女の心の内も知りたかった。
「感情教育」
中山可穂
それぞれ生い立ちがこれでもかというぐらい複雑な女性同士の激しい恋愛模様について。あとがきを読むと、これは作者のことなのか?と思わせる。このての本は好きじゃない。
「予知夢」
東野圭吾
「探偵ガリレオ」の続編。マジックの種明かしのように事件の真相が明らかになるのがとても面白く、あっという間に読み終わった。
「探偵ガリレオ」
東野圭吾
オカルトチックな事件の捜査に行き詰まると、友人である少々変わり者の理工学部の助教授を頼る刑事が、彼の協力を得て難事件を解決していく。こういうシリーズってけっこう好き。すっかり東野圭吾にハマっている。
「躰〔からだ〕」
乃南アサ
いろいろな身体のパーツにまつわるミステリー短編集。 美容整形、ダイエット、若ハゲ等、誰にでも起こりうる身体の変化についてちょっとヒヤッとさせるように話がすすむミステリー。まあまあ。短編はあまり好きじゃない。
「秘密」
東野圭吾
事故で死んだ妻の意識が娘に宿ってしまった。そんな夫の娘として接するべきか妻として接するべきかの心の葛藤や夫婦愛の行方についてなのだが、家族愛に弱いオイラは涙腺がゆるみっぱなしだった。本を読んでこんなに涙したのは初めてかも。映画にもなったらしいが、たいていこういうものは原作の方がいいに決まっている。
「分身」
東野圭吾
研究者のエゴから世にクローン人間を作り出してしまい、その当人(クローン)たちの視点からの物語。クローンの元となった女性は、不妊治療中に無断で卵子を利用されたことを知らず成長したクローンと対面し混乱する。「不妊治療中に無断で卵子を利用する」なんてことは、もしかしたら現実にありえることではないかと不安にさせるほどリアルな描写だった。面白かったので、また彼の作品を読んでみよう。
「涙(上・下)」
乃南アサ
最初のプロローグを読み始めると、これはオイラのことでは?もしかして誰かに見られているのかもと錯覚するほど家族関係が似ていた。その後の話は、オイラとは似ても似つかぬ波乱万丈なもの。婚約中の刑事の彼が、結婚直前に事件に巻き込まれ失踪してしまい、それを必死で捜す女性の話。事件には女性には想像もつかない色々な伏線があり、情報を集めるごとに明らかになる真実、早く真実が知りたくてウォーと読んでしまった作品。最後の解説によると「おすぎ」もこの作品に夢中になったとのこと。
「月光の東」
宮本輝
一人の「女」に少なからず翻弄された男達がいた。その男達のひとりであり自殺した夫を持つ妻と、夫の同級生であり「女」の同級生であった男の視点で、その「女」の生い立ち、生き方、生き様を語るもの。そして男は過去の女をいつまでもいつまでも引きずるが、女はそうでもないという世間の定説が明確になる。発端になった自殺の理由が最後までわからないのが気になる。読者の解釈に任せるとかそういうのはイヤ。
「マークスの山(上・下)」
高村薫
ずいぶん長い間かかって読んだが超長編小説というわけではなく、読む機会がなかなかとれなかっただけだ。そんな状況でも前を読み返さなくとも一度読んだ話を覚えていることができるほど、強烈な印象で文章に引き込まれる作品だった。ただの連続殺人事件の犯人を追う刑事物かと読み始めていたのだが違った。少し残念なのは、犯人が精神障害者であったため、つじつまのあわない行動や動機が許されてしまうこと。そして刑事物にはつきものの犯行や動機の詳細が語られなかった。それが消化不良。
「流さるる石のごとく」
渡辺容子
アル中の主人公が、夫を誘拐され犯人の指示のもとアチコチ連れまわされる。が、それは主人公を陥れるいくつもの事件のひとつにすぎない。犯人の目的もわからぬまま物語はすすんでいく。かなりの長編だが、最後の最後まで犯人や、その目的がわからない。夢中になって読めたが、結局細かいところの真実はどうだったのだろうと思う個所もあり。
「ジャンプ」
佐藤正午
ガールフレンドが失踪してしまう優柔不断の煮え切らない男の視点からみた話。失踪した理由を探す過程はちょっとミステリーな感じで面白いのだが、真実はすべて優柔不断男のせいで起きたこと。それを何か深い理由があるかのようなストーリー展開は、なかなか。
「葡萄と郷愁」
宮本輝
宮本輝は大好きだったはずなのだけど、この本はあまり好きじゃなかった。読み終わった後も、「それで?」って感じ。
「ねじれた絆」
奥野修司
沖縄で起きた赤ちゃん取り違え事件の17年を追ったドキュメント。恥ずかしながら女性週刊誌を読むような下世話な好奇心から手に取った本。しかし、あまりにもドラマティックな展開、事実は小説よりも奇なり、とはこのこと。
「神の火(上・下)」
高村薫
前半はCIA・KGB・北朝鮮情報部・日本の公安の関係が交錯していてわかりにくい場面が多かったが、後半は主人公がテロ計画を実行するくだりは、その場に自分がいるかのような細かな描写でひきこまれた。この本はフィクションのはずだが、今現在の状況(特に日朝関係)と非常に似ていてこれはドキュメントだったか?と錯覚しそう。
「無制限」
渡辺容子
離婚直前の夫が突然失踪し、恋人との結婚のため必死に夫を探す妻の話。これもかなり分厚くて読み応えがあったが、大変面白かった。別居後の夫の行動を探るうちに夫の自分に対する愛情をあらためて知り離婚を決めたにもかかわらず動揺してしまう妻の心理描写などのめり込むものがある。ただ最後に失踪した理由が明らかになるのだが、その理由がどうも真実味にかけるような。
「紫蘭の花嫁」
乃南アサ
面白かったのだが、どうも一つ前に読んだ「慟哭」ととても書き方、ストーリーや登場人物が似ていた。そして案の定、事件の真相、犯人も前半ですでに予想がついてしまいました。盗作とまでは思わないが、すごく似ていた。
「慟哭」
貫井徳郎
連続幼女殺害事件を追う警察、犯人側の動きを交互に描写していく物語。初めて読む作家だったが、面白かった。結末が特に驚き。これ以上は語れない。
「理由」
宮部みゆき
かなり分厚い本。かなりの読み応えだったが、自分が記者にでもなったかのように事件の真相を明らかにしていく、夢中になって読む。最後にこれはノンフィクションなのかと思わせるフィクション作品だった。
「ボクの町」
乃南アサ
今時の若者が、交番に勤務する警察官として成長する姿を描くポリス・コメディ(?)。今まで読んだ乃南さんの作品とは、だいぶ違っていると感じたが、これはこれで面白く読むことができた。特に終盤の同期の仇を打つために奮闘するくだりは、一気に読み倒す。これを読んだ後、駅前でみかけるお巡りさんを見る目が良い意味で少し変わったかも。
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