未来にキスを〜KISS THE FUTURE〜(PC) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | otherwise | 総合評価 | 60点(及第点) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2000/09/21 | ||
シナリオ | 元長柾木・シュート彦・大瀧大輔 | 発売前の主な話題は「果たしてふたなりはあるか?」(^^; 原画のみさくらさんの嗜好が反映されるのかが焦点に。 あとは明るい奴隷物はアリなのか否かも議論となった。 |
|
原画 | みさくらなんこつ | ||
サウンド | BIGMADE |
個人的エピソード |
みさくらさんの絵自体はかなり好きなのと(ふたなりネタはアレですが^^;) 前作「sense off」が結構楽しめたので購入。 とりあえずシナリオ的には安全牌だろうと予想したのですが……。 |
内容 |
従妹の霞の家に居候している主人公。 2週間ほど叔母さんたちが旅行に出かけることになって、 広い家には主人公と霞の2人だけ。 そんな矢先、いきなり霞に「奴隷にして?」なんて言われて、混乱することしきり。 それでもぎこちなく肉体関係は始まり、 2人は自分たちだけの奴隷生活を築いていく……。 (マニュアルより) |
システムとか |
必要容量は770MB。フルボイスなんでこんなものですか。 最近のゲームは大容量化が進む一方でちょっと考え物ですが(^^; システムは基本的にビジュアルアーツ標準のAVG32で動作。 というわけで安定はしていますし、大きな不満はありません。 セーブ数は16個。 個人的にはもっと多くてもと思いますが、攻略難易度は低いので特に困ることはないかと。 スキップは既読のみ(Ctrlキー押下で強制スキップも可能ですが)。 相変わらずの超高速スキップで、とにかく重複するテキストが多いこのゲームでは重宝しました。 これでスキップまで遅かったらと思うと……(´Д`; バックログはPageUp、PageDownキーかメッセージウィンドウ下の小さなボタンで機能。 戻れる量は約140クリック程度。 前作「sense off」にはなかったこの機能が追加されたのは大変ありがたいのですが、操作するためのボタンが小さすぎます(^^; まあキーボード操作を使えと言われればそれまでなんですけどね…。 鑑賞系はCG・BGM鑑賞とシーン回想とED回想が用意されています。 あとは珍しいところではスタッフロール鑑賞と店頭デモも見ることができますね。 ……発売後の店頭デモチェックに意味があるのかは疑問ですが(^^; |
絵とか |
原画は同人界でもふたなりで有名な方。 とはいえ、このゲームにはそういうシーンはありませんからご安心を(笑) それはさておき、このゲームの絵について。 なんというか若干バランスに欠けた絵です。 特に立ち絵のバランスの悪さはどうにかならなかったのでしょうか? 目とかのパーツの位置がおかしく感じるような表情も散見されましたし……。 あとは手がやたら大きいのが気になったかな?(^^; で、塗りなんですけれど原色バリバリに近いので好みが分かれるでしょう。 個人的にはもうちょっと落ち着いたトーンでも良かったかと。 目が疲れるというか何と言うか……13cmのCGみたいです(爆) 枚数の方は60枚(パターン違い除く)。 プレイ時間に比してあまりに少ないと思います。 倍とまでは言いませんがもうちょっと増やしてもバチは当たりません。 |
音楽・音声とか |
BGMはCD-DAで収録、全23曲。うち1曲がボーカル曲です。 プレイ中はあまり印象に残らなかったのですが、キャラごとのテーマや日常シーンの曲は特に見るべき点がないので、プレイ中の印象は薄いのかなと。 見せ場的なシーンで流れる曲は割とレベルが高いと思います。 もっとも非常に音楽評価の高かった前作と比べるとどうしても見劣りしてしまいますが(^^; お気に入りはテーマ曲「Kiss the Future」と「よそ行き」「違和感」あたり。 単品で聞くと結構いいのになぁ。やっぱりダレるとゲーム曲の印象って薄くなりますね(ぉ 音声は女性のみフルボイス。個人的にサブキャラにもボイスが入っているのは好感が持てます。 声質はキャラクターに合っていますし、演技力もまあまあ。 十分合格点はつけられると思います。お気に入りは式子の声。 #多分「恋ごころ」のシャオとか「恋愛CHU!」の野花と同じ方だと思うんですが自信はなし(^^; しかし、この音声のおかげで冗長性がいたずらに上がっているのが難点でしょうか。 …日常会話のシーンでは何度Ctrlキーに手が伸びたことか(マテ |
シナリオとか |
最後だけあればいいじゃん。 誇張でも何でもなくどのキャラのシナリオでも共通して感じたのがこれです。 基本的にゲームは甘い学園物の様相を呈したまま、霞とのHを挟みつつ日常を 描いていくのですが、その日常があまりにも退屈です。 淡々として代わり映えのしない文字通りの日常であるにも拘らず、その全てに音声がついていて しかも決して喋ることを前提として組み立てられたシナリオではないために恐ろしく冗長になっています。 音声が付いているのに、オフにした方がテンポが良くて面白いのでは本末転倒でしょう(^^; 個人的にはあまり変化の無いHシーンが毎日挿入されるのも勘弁です。 しかも音声付きで1シーンが長いからテンポが殺されること甚だしいんですよね…(´Д`; また萌えゲーを意識したのかはわかりませんが過剰なまでのキャラクター、特にヒロインの霞の描写についてはやり過ぎだったのではないかと。 自己を無条件に委ねられるのに加えて最終的には「新しい人類」とやらに進化までする霞の特殊性や無垢性を表現するためならば、それもまた可なのかもしれませんが、ああまでデコレーションを施さなくても…とか思ってしまいました。 ぶっちゃけた話、足りない淫乱な子にしか見えませんから(爆) さて、先に「冗長」と評した日常部分が終わると各ヒロインのシナリオへ…というのが普通のソフト。 ですがこのソフトの場合は、あまりそういう色は濃くありません。 確かに各ヒロインのシナリオに移行はしますし、多少観念的なテキストが出てくるものの基本的には相変わらずの日常が続いていくだけです。 そして物語はそのまま観念論丸出しのエンディングへ。 ……ここまで読んでお気づきでしょうか? 起承と結はあっても転が構成のどこにも出てきません。 一応そのキャラの話をある程度踏まえた結論ではあるものの、私はプレイしている間 ずっと「最初からある結論を語るためのツールとしてキャラを使っている」感が拭えませんでした。 どうにもシナリオ本編とエンディングとの間に隔絶感があるんですよね……(^^; このゲームは非常にテーマ性が強いです。そのテーマの全てを理解できたとは思いません。 でもあえて極論させてもらえば各キャラのEDと最終シナリオさえあれば、この作品の他の飾りは不要なものでしかないのではないかと思います。 個人的に作品の最後に提示される結論も好きにはなれませんが、(単なるコミュニケーション不信じゃないかとか思っちゃうクチなんで)1つの意見として面白いとは思いますので。 個人的にはせめて最終シナリオくらいのテンポのよ良さがあれば嬉しかったのですが…。 |
総評 |
まとめ。テーマありきが過ぎる作品。 このゲームを楽しむには2つのハードルがあると思います。 1つはテーマに辿り付くまでに疲れてしまわないだけのスタミナ。 もう1つは辿り付いた先に用意されたテーマを理解、あるいは納得できるか。 両者を満たした人には良作、一方を満たした人にとっては佳作、どちらも無理な人にとっては駄作か凡作。 これはそういう人を選びすぎるソフトなのかなと。 私は疲れましたし、テーマにも納得はしていませんが意見としては面白いと思ったので及第点ということで。 途中まではマジでただの凡作でしたよ(^^; |
書いた時点での総プレイ時間 | 約20時間(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | (強いて言うなら)神澤悠歌 | ||
お気に入りのセリフ | 特になし |
初版2001/09/26 最終更新09/27