Wing&Wind(PC) ※ディスク2枚組 | |||
メーカー | Clear | 総合評価 | 50点(凡作) |
ジャンル | ADV | ||
発売日 | 2001/03/16 | ||
シナリオ | 秋津環 | かなりの回数におよぶ発売延期が話題に ……なったのかなぁ? あまりいい意味での話題でないにしても(^^; |
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原画 | KEG | ||
サウンド | ClapScrap・よっぴ・梶恵司 |
個人的エピソード |
まあ、前作「Moon Light」には見るべき点も多かったので。 安定した質の物は作れると思った…んですけどねぇ(苦笑) |
内容 |
風が吹いた。 山間部に近いためもあるのだろう。 穏やかな涼風が体を優しく通り過ぎていく。 目の前にはありふれた駅前の光景が広がっている。 あの夏の日からどれくらい時間を重ねていったのだろう。 振り返って駅舎を眺める。 小さな、だが忘れられない幾つかの出来事。 出会いと始まり。 別れと終焉。 生きてきた時間の中で出会う当然の出来事。 それを最初に知った季節だった。 そして………… 彼女はそこにいた。 (パッケージ裏より) |
システムとか |
必要容量は300/760MBのいずれかを選択。 このゲームの特徴であるデュアルシステム(画面解像度を640x480、800x600のどちらかから選択可能)を使うためには大容量の方を選択しなくてはなりません。 ただ、個人的にはこのモードに意味があるとは思えませんが(^^; 大画面でやりたければフルスクリーンにすればいいわけで。 内容としては普通の選択肢分岐型ADVです。 それ以上の説明の仕方を知りません。 セーブ数は25個。まあ十分な数だと思います。 相変わらずどこでセーブしたのかがサムネイル表示されて非常に便利です。 スキップは基本的に既読スキップのみ。Ctrlキー押下で強制スキップも可。 速さとしてはなかなか快適です。 ただ、この既読スキップには大きな不満が。 テキストの文章単位ではなく、シーン単位で既読フラグが管理されているのでシーン中に少しでも違う要素が混じっていると1度読んだテキストであってもスキップしてくれません。 これは不便でした。 今回から追加されたバックログは約100ページ分可能。満足。 鑑賞系はCG、BGM、シーン回想と全て揃っています。 さすがにこの辺はぬかりありませんね。 文末ウェイトや細かい文字表示速度の設定・オートモードなど 基本的な点は前作「Moon Light」に準じているといっていいでしょう。 今作ではさらに読み返し機能もついて充実の一途。 スキップ以外は何も文句はありません。 |
絵とか |
クセのような物はなく、取っ付きやすい絵柄です。 ちょっと表情がぎこちないのを除けば結構いいんじゃないかと思います。 塗りの方はごく普通。まあ、最近どこも実力ついてきてますしね(^^; というわけで、この項目総合的には普通といったところでしょうか。 通常シーンの背景に若干の手抜きを感じなくもないですが、とりあえず目をつぶります。 枚数の方は80枚(パターン違い除く)。 プレイ時間から考えれば不満は出ないと思います。 ……なんか手抜きみたいなコメントで申し訳ない。 |
音楽とか ※音声はありません |
BGMはCD-DAで収録、全25曲。うち2曲がボーカルです。 カントリー調というか何と言うか落ち着いて聞ける曲調の物が多いのが特徴でしょうか。 客観的に見た質は標準といったところ。 個人的にはギター・フルート曲がいくつかある時点で満足(爆) 私にとってそれらの楽器は反則ですよぅ。 お気に入りは「pastrale」「私は…」「人の形」 全部ギターかフルート主体の曲な辺りわかりやすすぎて泣けてきます。 ですが、別にこの項目も特に問題となるようなことはなかったです。 |
シナリオとか |
非常に書くのが難しいのですが、まず結論から。 私の性には合いませんでした。以上(ぉ もうちょっと細かく書きますと、このゲームは序盤〜中盤やや過ぎまでのコミカルなパートと、それ以降のシリアスなパートとに分けることができるのですが、この2つがはっきり言って完全に分断されてしまっています。 起承転結で言うなら「転」と「結」が終わりの方で唐突に現れて、かつその後すぐに物語が収束してしまっています。 それゆえにED間近では置いてきぼりを食うこと必至です。 1つ言わせてもらえば、その世界観の中でしか通用しない特性に基づいた伏線はもはや伏線とは言えないのでは? (プレイヤーの誰一人として理解できないため) それは既にこじつけと言うべきものなのではないでしょうか? 若菜シナリオ終盤、特にHシーンへの導入は同じ不老不死ネタの某ソフトを思い出して苦笑しながらやってました(^^; またシリアスパートに入ってからの展開のバリエーションが少ないのも難点です。 たった1人しかいないはずの「不老不死」という特性に他のキャラクターまで引きずられてしまったかのごとく。 最終的に全てその「不老不死」に関係した流れになってしまいましたから。 ある程度の線を引いた方が良かったと思うんですけどね。 発売前、私は不老不死の紗夜はともかく、他のヒロインとは比較的普通の話が展開されるんじゃないかと踏んでいたのですが、そっちの方が数段良かったと思います。 これって私だけですか? さらに言うならその不老不死について、理論背景を用意したところまでは良かったのですが、問題解決に理論を用いない点・理論そのものにいくつかの矛盾が生じている点なども不満です(生物学とか好きなんで)。 この手の超常現象には無理に理論背景を用意する必要はないと思いますし、もしも理論背景を用意するなら問題の解決にも何らかの理論を用意するべきかと。 そんなに都合のいい奇跡は必要ありません。 というわけでシリアス部に入った後の評価はおしなべて低いです。 反面、皮肉なことにコミカル部の評価はかなり高いです。 会話テンポはいいですし、日常のやり取りには笑える部分も多いです。 何よりヒロイン達のキャラ立てが上手いのが良かったですね。 個人的に若菜と霞はかなり萌えました。……終盤までは(爆死) キャラなんかの素材はいいだけに終わらせ方が本当に惜しいと思います。 次は萌えゲー路線でお願いしたいところ。 それなら結構いい物になると思うんですけど。前作の汐音とかも良かったし。 ―――追記 このゲーム、難易度の高さが話題になってますがそんなに難しいですかね? 少なくとも若菜は自力でクリアできましたし、2回目のプレイとCG回収だけは攻略のお世話になりましたが、それでフラグを分析してからは十分自力でいけたのですが。 というわけで個人的には中の上〜上の下くらいの難易度かな〜と。 まあ、みんな難しいと言っているので難しいのだとは思いますけど(ぉ 蛇足ながら、生物大好き人間としてこの作品の不老不死理論についての一考察を書いてみました。 ネタバレのみで構成されていますが、よろしければどうぞ。 |
総評 |
同じ柳の下にどじょうは二匹いないってとこですかね。 肩透かしくらっちゃいました。残念無念。 まとめ。素材はいいのに、調理法を間違えたというような印象のソフト。 まあ、勝手に普通のソフトを予想していたこっちが悪いかもですが。 とりあえず「誰彼」とかよりは同じ点数とはいえ面白いですが、どうせ不老不死を扱った作品なら「ヴェドゴニア」とか他をオススメします。 |
書いた時点での総プレイ時間 | 10時間20分(コンプ) | ||
お気に入りのキャラ | 村上若菜・早瀬霞 | ||
お気に入りのセリフ | 特になし |
初版2001/03/23