スープのコツ

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旭川ラーメンといえば魚ダシと思われておりますが、とんでもございません。
ベースは豚骨でじっくり時間をかけて作ります。ただ時間をかければいいのかというと決してそうではなく長い歴史の中で素行錯誤の結果12時間前後というのが当店ではベストと判断しました。
最近では旭川ラーメンの定義が多岐に広がり焦点がぼけてきた感じが否めません。以前は比較的澄んだスープが主流でしたが、白濁して油濃いスープも多くなってきております。
この寸胴でスープをつくっています。

スープが澄んでくるまで丁寧にアクを取り除きます。
12時間かけて出来上がるのですが間に一晩寝かせるという過程が重要なんです。味に厚みが出るとでも表現したらいいのかもしれません。プロといえどもいつも同じスープが出来るわけではありませんが、その差を極力小さくするのに苦労しているわけです。

まぁなんて綺麗な調理場なんでしょう..

昔は鉄の大きな釜(ひょっとしたら五右衛門風呂?)を使って石炭で炊いていました。
今思うとその火加減、すぐには火が落ちなくてじっくりと弱火で次の日迄煮出すことになっていました。
アルミの寸胴に替えた時、どうもいまいちピンとこないスープの日が続き頭を悩ませておりました。
ある日頭の中に、電気が点きました・・・鉄釜の時は洗うことはありませんでしたがアルミの寸胴は毎回
洗っていたのです。気がついた日からスープ取る寸胴は洗わない事にしました、右の寸胴がそうなんです。
焼き鳥のたれ・うなぎのたれも継ぎ足し継ぎ足しで良い味を保っていたのです、スープもそうなのです。
しばらくすると味が落ち着いてきて胸を撫で下ろした思いをしました。
出来上がったスープをこの寸胴でいつもあつあつのスープで出せるよう温めています。
ぬるいスープはいただけませんから気をつけています。
さて、題に入ろうと思う。上記に記したスープの取り方はなんら秘密でもなくおもしろくもないが、ここまで読んで頂いた方には当店の取り方を公開いたします。驚いたり、あきれたりするかもしれないが、スープに使用するのは「豚骨」だけである。多少長ネギをむいた皮、玉葱の皮、ニンジンの皮を入れるといってもかすかなものです。鶏ガラ・昆布・煮干・するめ・海老等色々と素材がありますが、一切使用しておりません。旭川ラーメンなのに魚のダシを使っていないのである。52年の中で何度となく試した素材はたくさんあります、確かに当初は煮干を使用していました。「蜂屋さん」「青葉さん」は煮干のダシを意識したと思われますが、豚骨というのは臭みがありこれが抜けるのには相当な時間が必要なのです。昔はとても忙しかったので時間をかけることが出来ず臭みに対して煮干で打ち消したものとうちの先代が話してくれたのを憶えております。よく言われることに「塩ラーメン」を食べるとその店のスープが解ると・・・本当なのです。但し、現在は味を作ることが出来ます、例えば、ゴマ・にんにく・ラー油・化学調味料等です。加えてスープを白濁させ、色々な素材を使用するとよく解らなくなります。味を創るということは迷路に入る危険を伴っています、常にこれが自分の求めているものなのかが解らなくなるという。秘伝だから教えない、公開しないというのはすぐに真似が出来るからいやなのかパフォ−マンスのどちらかである。うちはこうして公開している、スープに使用する素材は「豚骨」のみである。しかし全く同じ条件に設定することが難しいのである。例えは、熱源はガスなのか、灯油なのかまたその容量にもよる、そして水である、うちは受水槽で一晩置くので水道でも塩素がかなり抜けてしまう。寸胴に対しての豚骨の量、アクの取るタイミングでは最初強火でアクを取り3段階の火加減でアクを取り火加減を一定にする。一晩置いて再度火を入れる。ここまで公開すれば同じ物が出来ても不思議はないと思うが、果たして出来ますかどうか?もしご希望でしたら調理場へご案内します。だから秘伝なんて本当のところは教えても構わないのです。でもお客様はそういうことが好きなんです。素材の良さを引き出し「豚骨」だけで深いコクと味が出るのをまずご同業の方々や玄人はだしのラーメン食べ歩きにこだわっていらっしゃる方々に味わって頂きたいと思っております。お客様にも目を閉じて色々な素材に邪魔されない豚骨スープを味わってほしいと心から願っています。「あ〜こんなラーメンもあっていいか」と思っていただけたらうれしいです。うんちくにきりがありませんが別の機会にでもと・・・

・・・・・・今では幻のスープとなってしまいました。
「スープを作りたい時が」
お蕎麦屋さんは醤油を変えることが出来ないという話を聞いた事があります、当然味が変わるので変えることが出来ないという事であろう。私もスープを作ってみたいと思うが、豚骨の部位はお肉屋さんにお任せ(注文は色々付けるのですが)していました、時々スープの出来が良くない時にはお肉屋さんと2人で頭を傾げていたものです。ところが作りたくても作れないのです、取引していたお肉屋さんが閉店してしまったのです。自分の味が違うお肉屋さんのガラで出せるかどうかはわからない、やってみるしかないのだろう。しかし心もとなくて残念だ。

                        作ってみた!
平成20年にサブで取引(主と取引先が品切れ等の場合)のお店で、「豚骨」を購入して自宅の一番大きな鍋でスープ作りにチャレンジしました。
結果は・・・・・かなり近いスープを作ることが出来ました。ラーメン作りには欠かせないタレもチャーシューを作ったので何とか出来て、さあ麺も用意しました。

「割といけるね」という感じの出来栄えでした。餃子もたまに作るのですが餃子は冷凍したものを時々プレゼントしておりますが、ラーメンは自宅に招いてお出しするレベルまでいかないのが残念でした、しかし、家庭でのラーメン製作は一応成功したと思います。