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付録:

養老期の度量衡

(最終更新日:00.04.02

長さ

律令制下の尺にはそれぞれ長さの違う大尺と小尺があります。大尺は土地測量に用います。

唐制と令制と延喜式制とはそれぞれだいぶ異なります。7〜8世紀の日本で普段使用されていた尺が「高麗尺」だったか「唐大尺」ないし「唐小尺」だったかは、議論が分かれているようですが、ともあれ、養老賦役令文の絹や布の尺度は「令小尺」=「唐大尺」=天平尺で、1尺=約29.64cmと推定されています(現代の1尺=30.305cm)。
これによれば「令大尺」=「高麗尺」は、1尺=約35.57cmですが、高麗尺制は律令施行後間もなく廃止され、全面的に唐制が採用されて、延喜式制に継承されたと考えられているようです。

≪長さの基本単位は尺≫ 以下で単に尺として換算しているのは小尺。

             1丈=10尺     =    2.96m=296.38cm
                 1尺=10寸           = 29.64cm
                     1寸=10分       =  2.96cm
                         1分〔ぶ〕=10厘=  0.3cm
                                1厘=  0.03cm

             1大尺=1.2小尺            = 35.57cm
       1歩〔ぶ〕=5大尺        =    1.78m=177.83cm
  1里=300歩        =0.53km=  533.49m

容積

律令制下の升にはそれぞれ容積の違う大升と小升があります。

大升は概ね小升の3倍ですが、時代による変遷があります。延喜式では通常の計量には大升を用いますが、養老賦役令でも大升のようです。
正倉院北倉漆胡瓶の測定によると1大升=現代の約4合3勺という結果が出ていますが、正倉院文書に基づき1大升=現代の4.06合という算出結果もあります。ここでは後者の1大升=現代の4.06合で換算してみました。(現代の1合=180.39ミリリットル。)

≪容積の基本単位は升≫ 以下で単に升として換算しているのは大升。

  1石=10斗=           73.24リットル
      1斗=10升=        7.32リットル
          1升=10合=    0.73リットル=732.38ミリリットル
              1合=10勺         = 73.24ミリリットル
                  1勺〔しゃく〕=10才=  7.32ミリリットル

         1大升=3小升
             1小升             =244.13ミリリットル

重さ

律令制下の斤にはそれぞれ重さの違う大斤と小斤があります。

延喜式では通常、銀・銅・穀類の重さには大斤を用い、小斤は薬などの場合に留まりますが、養老賦役令文では、鉄・鍬を除き、すべて小斤と推定されています。
唐制を踏襲しており、中くらいの大きさの黍〔きび〕100粒の重さを1銖として、これを基準にします。
1分〔ふん/ぶ〕=6銖、1両=4分、とする制は、平安以降に追加併合します。
中世以降、銭(唐の開元通宝)1文の重量(2.4銖)を1匁(文目)としたので、1匁=3.75g。

≪重さの基本単位は斤≫ 以下で単に斤として換算しているのは小斤。

  1斤=16両       =160匁=600g
      1両=4分=24銖= 10匁= 37.5g
         1分= 6銖
             1銖〔しゅ〕 =  1.5625g

     1大両= 3小両
          1小両=        12.5g



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