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− 目次 −
すべての『署』は『春宮坊』の管轄下にあり、東宮の政務を担当します。
養老令の頃は、『主殿〔しゅでん〕』『主馬〔しゅめ〕』『主工〔しゅこう〕』『主書〔しゅしょ〕』『主兵〔しゅへい〕』『主漿〔しゅしょう〕』の６署がありますが、平城天皇の代に、「主書」「主兵」は「主蔵監」へ、「主漿」は「主膳監」へ吸収合併されます。
ただし、残った３署のうちでも、時代が下ると、実際に任官があるのは主殿署・主馬署の２署のみとなるようです。
（※ 「春宮」「東宮」「皇太子」などについては、「予備知識」の「皇居、及び、皇族呼称など」の「皇子・皇太子の呼称」の項を参照ください。）
春宮坊 → 主膳監〔しゅぜんげん〕 主蔵監〔しゅぞうげん〕 舎人監〔とねりげん〕 主殿署〔しゅでんしょ〕 主馬署〔しゅめしょ〕 主工署〔しゅこうしょ〕 （主書署〔しゅしょしょ〕 主兵署〔しゅへいしょ〕 主漿署〔しゅしょうしょ〕）
署の四部官（四等官・四分官）には、次官のスケと三等官のジョウがなく、サカンの大少もありません。
※ 官位相当は時代によって若干の変更があるので、だいたいの目安とお考えください。
| 署の四部官（四等官・四分官） | 主殿署・主馬署・主工署 | ||
|---|---|---|---|
| カミ | 〔かみ／しゅ〕 | 首 | 従六位下 |
| スケ | − | ||
| ジョウ | − | ||
| サカン | 〔さかん〕 | 令史 | 少初位下 |
東宮に関わる湯沐、燈燭、洒掃、鋪設のことを担当します。職員構成は以下の通り。
首 → 令史 → 殿掃部 → 使部 → 直丁 → 駆使丁 （1名） （1名） （20名） （6名） （1名） （10名）
主殿首は、湯沐、燈燭、洒掃、鋪設のことを職掌とします。
東宮に関わる馬、鞍具の類を担当します。職員構成は以下の通り。
首 → 令史 → 馬部 → 使部 → 直丁 （1名） （1名） （10名） （10名） （1名）
主馬首は、乗馬、鞍具の類の供進を職掌とします。
東宮に関わる土木工作、及び、銅鉄・雑作物を担当します。職員構成は以下の通り。
首 → 令史 → 工部 → 使部 → 直丁 → 駆使丁 （1名） （1名） （6名） （6名） （1名） （60名）
主工首は、土木工作、及び、銅鉄・雑作物のことを職掌とします。
東宮に関わる書・筆硯・薬の類を担当します。
平城天皇の代、『主蔵監』に併合されますが、時代が下るとその「主蔵監」も実際の任官はなくなるようです。
職員構成は以下の通り。
首 → 令史 → 使部 → 直丁 （1名） （1名） （6名） （1名）
主書首は、書・薬・筆硯の類の供進を職掌とします。
東宮に関わる兵器、儀仗について担当します。
平城天皇の代、『主蔵監』に併合されますが、時代が下るとその「主蔵監」も実際の任官はなくなるようです。
職員構成は以下の通り。
首 → 令史 → 使部 → 直丁 （1名） （1名） （6名） （1名）
主兵首は、兵器、儀仗の類のことを職掌とします。
東宮に関わる粥や漿水、菓子〔くだもの〕の類のことを担当します。
平城天皇の代、『主膳監』に併合されます。
職員構成は以下の通り。
首 → 令史 → 水部 → 使部 → 直丁 → 駆使丁 （1名） （1名） （10名） （6名） （1名） （6名）
主漿首は、粥・漿水・菓子の類のことを職掌とします。