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官職:八省:

式部省

(最終更新日:99.01.12

 − 目次 −




 

式部〔しきぶ〕


礼儀礼式、文官の考課(職務の勤惰、品行の良否を太政官に上申します)、選叙(授官授位)を担当し、大学寮を支配します。

※ 大宝令の頃は、他に『散位寮』(散位を管理する)も支配していましたが、宇多天皇の代に省内へ吸収合併しました。「大宝令・養老令」参照。

 

・ 式部省の別称


 『のりのつかさ』ともいい、略して『ののつかさ』。

『ののつかさ』は『のりのつかさ』の略です。規則を司る、の意でしょう。

 『吏部〔りぶ〕

中国の官名に当てたものです。



 

● 管轄


  左弁官局 → [式部省] → 大学寮〔だいがくりょう〕

 

● 式部省職員構成


  卿→ 大輔(1名)→ 大丞(1名)→ 大録→ 書生→ 史生→ 省掌→ 使部
     少輔(1名)  少丞(1名)  少録
     権○輔(※ 権官は大輔か少輔のどちらかを1名置きます)

 

● 式部省四部官(四等官・四分官)


 ・ カミ

『卿〔きょう〕

正四位下


 ・ スケ

『大輔〔たいふ〕

正五位下

『権大輔〔ごんのたいふ〕


『少輔〔しょう〕

従五位下

『権少輔〔ごんのしょう〕



 ・ ジョウ

『大丞〔たいじょう〕

正六位下

『少丞〔しょうじょう〕

従六位上

※ 式部省と民部省大蔵省中宮職では、重要な任を務めているため、ジョウの中から特別に五位に叙される人もいました。これを『式部大夫』『民部大夫』などと呼びます。(※「位階」参照。)


 ・ サカン

『大録〔だいさかん〕

正七位上

『少録〔しょうさかん〕

正八位上


 

○ 『式部卿』


文官の考課、選叙、礼儀を担当しますので、中務卿と並ぶ朝廷の重職です。定員1名。

四品〔ほん〕以上の親王が任じられる職で(無品親王はだめということです)、物語などに『式部卿の「宮」』『式部卿の「御子」』といった表現が見られるのはこうした理由によります。

 

・ 式部卿の別称


 『吏部王〔りぶおう〕

中国の官名に依るものです。「吏部」は「李部」と書かれていることもあります。

 


 

○ 『式部大輔〔たいふ〕 ・少輔〔しょう〕


儒者で『侍読〔じとう〕』(=天皇へ読書を教授すること)をした人のみが任じられる職で(※日野・菅原・大江氏の家筋の人を任じるのが通例)、定員はそれぞれ1名ずつです。


 

○ 『式部大丞〜式部少録』


定員は各1名ずつです。「六位の蔵人」で「式部の丞〔じょう〕」を兼任している人は『殿上〔てんじょう〕の丞』とも言われます。

外記・式部丞・民部丞左右衛門尉などは、「顕官」と言って、下級官職のうちでは特に重要な職、とされており、上流とされる家柄出身ではない人(=「卑姓官人」)にとっては、叙爵への足掛かりとなる官職です。(『職原抄』では、外記・史・式部丞・弾正忠勘解由判官が「顕官」と解説されているようです。)
「顕官」には、「顕官の挙」ということがあって、これは、県召除目の二日目に、これらの職に任じる人を公卿に推挙させるものです。

配下に大録〔だいさかん〕、少録〔しょうさかん〕、書生〔しょしょう〕、史生〔ししょう〕、省掌〔しょうじょう〕、使部〔しぶ〕などがあり、これらの人員で実務に当たります。





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