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諸国の戸数人口、田畑、租税、山川、道路などに関することを担当する職で、『主計』『主税』の2寮を支配します。いずれも朝廷の収支に関することを扱っています。
『民部』は隋の職名にあるもので、他に唐の職名に依って『戸部〔こぶ〕』という言い方もします。(「中国(隋・唐)主要官職概覧」参照。)
左弁官局 → [民部省] → 主計寮〔かずえりょう〕 主税寮〔ちからりょう〕
卿→ 大輔(1名)→ 大丞(2名)→ 大録→ 史生→ 省掌→ 使部 権大輔(1名) 少丞(2名) 少録 少輔(1名) 権少輔(1名)
正四位下
正五位下
従五位下
正六位下
従六位上
※ 式部省と民部省、大蔵省、中宮職では、重要な任を務めているため、ジョウの中から特別に五位に叙される人もいました。これを『式部大夫』『民部大夫』などと呼びます。(※「位階」参照。)
正七位上
正八位上
諸国の戸数人口の名簿(要するに人別帳簿)、家人、奴婢、賦役、けん免、田畑、山川沢池、橋や道路などを管理し、中務卿・式部卿に次ぐ朝廷の要職です。
官位相当は正四位下の職ですが、納言以上の人(つまり三位以上)の兼任職とする習いです。定員は1名。
外記・史・式部丞・民部丞・左右衛門尉などは、「顕官」と言って、下級官職のうちでは特に重要な職、とされており、上流とされる家柄出身ではない人(=「卑姓官人」)にとっては、叙爵への足掛かりとなる官職です。(『職原抄』では、外記・史・式部丞・弾正忠・勘解由判官が「顕官」と解説されているようです。)
「顕官」には、「顕官の挙」ということがあって、これは、県召除目の二日目に、これらの職に任じる人を公卿に推挙させるものです。