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付録:現代語訳「養老令」全三十編:

第十二 選叙令 全38条中20〜38条

(最終更新日:00.03.26

 − 目次 −




 

○20 官人至任条


官人(主典以上)の交替着任にあたっては、印文がない場合には、交替させてはならない。


 

○21 官人致仕条


官人は年齢70歳以上になれば、致仕(=定年退職)を許可する。五位以上の場合は上表する(=天皇に文書を奉る)こと。六位以下の場合は、太政官に申告して奏聞すること。


 

○22 職事官患解条


職事官は、病気となって120日を経過した場合、及び、親の病気によって休暇が200日を満たした場合、及び、父母の身の回りの世話をする(侍する)場合は、いずれも解官すること{侍すべき人が、有能かつ必要な人物で、駈使に力を借りることがあるようであれば、官帯のままで侍させること}。みな状況を詳細に太政官に申告して奏聞すること。番官は、本司が判断して解任すること。いずれも本籍地へ下すこと。解任については、申告後、すぐに取り消すことはできない。才能技術をもって諸司に長上している人については、もし侍に当たったり、喪に遭ったり、病気で解任した場合には、侍が終わったとき、服喪期間が満ちたとき、及び、病が癒えた日に、召還して本司に仕えさせること。侍に充てる人は、まず優先的に兼丁(=家に2人以上の正丁・中男がいる)を充てていくこと{兼丁とは、中男以上をいう}。


 

○23 癲狂【酉凶】酒条


過去に一度でも癲癇・発狂・酒乱のあった人、及び、祖父・父・子・孫が死罪を犯したならば、みな侍衛の官(侍従以上、内舎人中務判官以上、内記兵衛など)に任じることはならない。


 

○24 散位身才条


散位については、身体才能が劣弱で、理務に堪えない場合は、式部が判断して諸司の使部に充てること。


 

○25 失位記条


位記を紛失した場合は、所在地に陳牒すること。本籍地本司の長官は、その紛失理由を推問し、状況の詳細を省(中務式部兵部)に申告すること。授案(位記発給記録簿)を検討して、太政官に申告して再発給すること。紛失により再発給するとの旨を、新しい位記にも授案にも詳細に注記すること。


 

○26 位記錯誤条


位記の記載に錯誤があった場合に、訂正し改めて授ける場合には、五位以上は奏聞すること。六位以下は判定して改めること。いずれも授案に注記すること。


 

○27 国博士条


国博士、医師は、いずれも部内で任用すること。もし人材がなければ、付近の国から採用することができる{考限、叙法、及び相殺方法は、いずれも郡司と同じ}。補任の後は、いずれも理由なく安易に解任することはできない。


 

○28 内外文武有闕条


内外文武官は、欠員があれば、欠員数に応じてすぐに補充すること。総員を交替させることはできない。


 

○29 秀才進士条


秀才には、博学高才の人を任用すること。明経には、学2経以上に通じている人を任用すること。進士には、明確に時務をならい、併せて、文選、爾雅を読みこなした人を任用すること。明法には、律令に精通している人を任用すること。みな品行方正清廉であり、名声と素行が相副っていること。


 

○30 秀才出身条


秀才の出身(=任挙)にあたっては、上上の第(成績)に正八位上、上中に正八位下を叙す。明経の上上第に正八位下、上中に従八位上。進士の甲第に従八位下、乙第、及び、明法の甲第に大初位上、乙第に大初位下。秀才、明経は、上中以上を得て、蔭がある場合、及び、孝悌(子・孫としての徳)を表彰された場合には、本来の蔭、本来の第に1階加えて叙すこと。明経は、2経以外に、1経通じている毎に1等を加える。


 

○31 両応出身条


2種(以上)で出身資格がある場合は、高い方の位にしたがって叙すこと。


 

○32 為人後者条


誰かの養子である場合、それが兄弟からの養子でないならば、出身することはできない。


 

○33 贈官条


(子への)贈官(=蔭位の贈位)は、(父が)王の戦で死亡した場合には、(父が)生官である場合と同じ。それ以外は、1等下にすること。


 

○34 授位条


授位は、みな年齢25歳以上と制限すること。ただし、蔭を以て出身する場合は、みな年齢21歳以上と制限すること。


 

○35 蔭皇親条


皇親に蔭するについては、親王の子に従四位下。諸王の子に従五位下。五世王(=皇親ではなくなる)は従五位下。その子は1階下にすること。庶子はさらに1階下にすること。ただし、別勅で処分する場合には、この令に拘束されない。


 

○36 考満応叙条


考が満期となり授位する場合に、もし蔭の方が高いことがあれば、高い方に従えるのを許可すること。


 

○37 除名応叙条


除名の罪を犯したのち、処分期限が満期となり、(再び)叙すにあたっては、(もと)三位以上は、状況を記録して奏聞して勅を聴くこと。正四位は、従七位下に叙すこと。従四位は、正八位上に叙すこと。正五位は、正八位下に叙すこと。従五位は、従八位上に叙すこと。六位、七位は、いずれも大初位上に叙すこと。八位、初位は、いずれも少初位下に叙すこと。もし出身の位がこの法より高いことがあれば、その高い方に従えること。免官、免所居官も、またこれに準じること。{出身というのは、蔭によるもの、及び、秀才、明経の類をいう}。なお、才に優れていることから、特に授位なさる場合には、いずれも通常の例に拘束されない。


 

○38 五位以上子条


五位以上の子が出身するにあたっては、一位の嫡子に従五位下。庶子に正六位上。二位の嫡子に正六位下。庶子、及び、三位の嫡子に従六位上。庶子に従六位下。正四位の嫡子に正七位下。庶子、及び、従四位の嫡子に従七位上。庶子に従七位下。正五位の嫡子に正八位下。庶子、及び、従五位の嫡子に従八位上。庶子に従八位下。三位以上は、蔭を孫にまで及ぼすこと。(嫡孫、庶孫は、それぞれ)子の場合よりも1等下にすること。{外位の蔭については、内位に準じること}。五位以上は、高い勲位を帯しているならば、そのまま当該の勲の相当する階に依り、これを官位の蔭と同じにする。(ただしこのとき、)四位は1等下にすること。五位は2等下にすること。




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