官制大観 表紙へ [トップページ] [更新のお知らせ ( What's New )]
[和憩団欒房(ブログ)] [参考文献リスト] [資源栞 ( リンク集 )]

[官制大観総目次] [予備知識 総目次][官制の沿革 総目次][官職 総目次]
[役所名50音別索引]


[現代語訳「養老令」全三十編]

[養老各令の概説] [令条全索引] [現代語訳「養老令」凡例他] [官位令] [職員令(01〜20)] [職員令(21〜38)] [職員令(39〜57)] [職員令(58〜80)] [後宮職員令] [東宮職員令] [家令職員令] [神祇令] [僧尼令] [戸令(01〜22)] [戸令(23〜45)] [田令(01〜19)] [田令(20〜37)] [賦役令(01〜14)] [賦役令(15〜39)] [学令] [選叙令(01〜19)] [選叙令(20〜38)] [継嗣令] [考課令(01〜49)] [考課令(50〜75)] [禄令] [宮衛令] [軍防令(01〜23)] [軍防令(24〜51)] [軍防令(52〜76)] [儀制令] [衣服令] [営繕令] [公式令(01〜10)] [公式令(11〜22)] [公式令(23〜61)] [公式令(62〜89)] [倉庫令] [廐牧令] [医疾令] [假寧令] [喪葬令] [関市令] [捕亡令] [獄令(01〜20)] [獄令(21〜42)] [獄令(43〜63)] [雑令(01〜21)] [雑令(22〜41)]


付録:現代語訳「養老令」全三十編:

第二 職員令 全80条中01〜20条

(最終更新日:00.04.26

 − 目次 −




 

○01 (神祇官条)


神祇官〔じんぎかん〕

〔はく〕1人。{職掌は、神祇の祭祀、祝部〔はふりべ〕・神戸〔じんご〕の名籍〔みょうじゃく〕(=名帳・戸籍)、大嘗・鎮魂、御巫〔みかんなぎ〕・卜兆〔ぼくちょう〕(=亀卜)、官の事を惣判(=決裁)すること。その他の(官司の)長官の職掌については、これに准じること。}

大副〔だいふく〕1人。{職掌はに同じ。これ以外(の官司の規定)でも、次官の職掌を説明していないものについては、職掌は長官と同じである。}

少副〔しょうふく〕1人。{職掌は大副と同じ。}

大佑〔だいゆう〕1人。{職掌は、官内を糺判〔きゅうはん〕(=非違(=違法。法律違反)の糾弾・判定)し、文案〔もんあん〕(=公文書の草案)を審署〔しんじょ〕(=審査・署名)し、(検出された)稽失(=公務の遅滞や公文書の過失)の当否について判断し、宿直〔しくじき/とのい〕の割り当てを行うこと。その他の(官司の)判官の職掌については、これに准じること。}

少佑〔しょうゆう〕1人。{職掌は大佑と同じ。}

大史〔だいし〕1人。{職掌は、授かった命令を記録し、文案を勘署〔かんじょ〕(=考慮・作成して署名)し、稽失を検出し、公文〔くうもん/くもん〕(=公文書)を読みあげること。その他の(官司の)主典の職掌については、これに准じること。}

少史〔しょうし〕1人。{職掌は大史と同じ。}

神部〔かんべ〕30人。

卜部〔うらべ〕20人。

使部〔しぶ〕30人。

直丁〔じきちょう〕2人。


 

○02 (太政官条)


太政官〔だいじょうかん〕

太政大臣〔だいじょうだいじん〕1人。
この者は、一人〔いちにん〕(=天皇)の師範として、四海(=世界)の手本となる存在。国をおさめ道を論じ、陰陽を和らげおさめる。ふさわしい人がいない場合は闕官〔けっかん〕(=置かない官職。結果的に同じであっても欠員とは意味が異なる)とすること。

左大臣1人。{職掌は、衆務を統理し、(律令の(?))綱目を挙持し、庶事を惣判(=決裁)すること。弾正が不当な糾弾をした場合、さらにこれを弾劾することができる。}
右大臣1人。{職掌は左大臣と同じ。}

大納言〔だいのうごん/だいなごん〕4人。{職掌は、庶事に参議すること、(大事を)敷奏〔ふそう〕(=奏上)・宣旨(を伝えること)、侍従〔じじゅ/じじゅう〕として仕えること、献替〔ごんだい/けんたい〕(=是非を献言し非があれば置き替えていただくこと。ただの諫言よりも踏み込んだ態度)。}

少納言〔しょうのうごん/しょうなごん〕3人。{職掌は、小事を奏宣(=奏上・宣下)すること。鈴印〔りょういん〕(=駅馬〔やくめ〕の使用に必要な鈴(使用許可証明のようなもの)、及び、内印(=天皇御璽))・伝符〔でんぷ〕(=伝馬〔でんめ〕の使用に必要な鈴)を請進し、飛駅〔ひやく〕の函鈴〔はこすず〕(=飛駅のための函と鈴)を進付すること、併せて、官印(=太政官印=外印〔げいん〕)を監理すること。少納言侍従の員数のうちに入れる。}

外記〔だいげき〕2人。{職掌は、詔奏〔じょうそう〕(=詔書、及び、論奏・奏事)を作成すること、及び、公文を読みあげ、文案を勘署し、稽失(=公務の遅滞や公文書の過失)を検出すること。}

外記〔しょうげき〕2人。{職掌は大外記と同じ。}

史生〔ししょう〕10人。{職掌は、公文を繕写〔ぜんしゃ〕(=清書・複写・装丁)し、文案に行署〔ぎょうじょ〕する(=(主典以上のところへ)行って署名を得る)こと。その他の(官司の)史生の職掌については、これに准じること。}

大弁〔さだいべん〕1人。{職掌は、中務省式部省治部省民部省を管轄し、庶事を受け付け、官内を糺判し、文案に署名し、(検出された)稽失(=公務の遅滞や公文書の過失)の当否について判断し、諸司の宿直〔しくじき/とのい〕・諸国の朝集〔ぢょうじゅう/ちょうじゅう/ちょうしゅう〕(=政務報告のため、国司(からの使)が毎冬、朝廷へ集められる)を知っておくこと。もし右弁官が不在であれば、そちらの業務も併せて行うこと。}
大弁〔うだいべん〕1人。{職掌は、兵部省刑部省大蔵省宮内省を管轄すること。その他は左大弁と同じ。}

中弁〔さちゅうべん〕1人。{職掌は左大弁と同じ。}
中弁〔うちゅうべん〕1人。{職掌は右大弁と同じ。}

少弁〔さしょうべん〕1人。{職掌は左中弁と同じ。}
少弁〔うしょうべん〕1人。{職掌は右中弁と同じ。}

左大史〔さだいし〕2人。
右大史〔うだいし〕2人。

左少史〔さしょうし〕2人。
右少史〔うしょうし〕2人。

史生10人。
史生10人。

官掌〔さかんじょう/さかじょう〕2人。{職掌は、訴人〔そにん〕を通伝〔つうでん〕(=訴えを受け付け)し、使部を検校〔けんぎょう〕(=監督)し、官府〔かんぶ/かんぷ〕を守当〔しゅとう〕(=担当して守衛)し、庁事(=役所の行事)の鋪設〔ふせつ/ふせち〕(=設営)をすること。}
官掌〔うかんじょう/うかじょう〕2人。{職掌は左官掌と同じ。}

使部80人。
使部80人。

直丁4人。
直丁4人。

巡察使〔じゅんさつし/じゅんさちし〕。{職掌は、諸国を巡察すること。常置ではない(巡察に応じて置く)。巡察するときには、内外〔ないげ〕(=京内・京外)の官人で、清正灼然〔しょうじょうじゃくねん〕である(=清く正しいことがはっきりしている、といった意味か)人を選んで、仮に充てる。巡察の具体的な任務、及び、使(=巡察使)の数はその時に臨んで量定すること。}


 

○03 (中務省条)


中務省〔ちゅうむしょう/なかつかさしょう〕{職〔しき〕1つ・寮6・司3つを管轄する。}

〔きょう〕1人。{職掌は、侍従として仕えること、献替〔ごんだい/けんたい〕(=是非を献言し非があれば置き替えていただくこと。普通の諫言よりも踏み込んだ態度)すること、(天皇の)礼儀〔らいぎ〕を輔佐すること、詔勅の文案を審署し、命令を授かったときに覆奏〔ふくそう〕(=命令に相違がないか、あらためて確認を求めるための奏)すること、宣旨(を下すこと)・労問〔ろうもん〕(=勅によって慰労し安否を問うこと)のこと、上表〔じょうひょう〕(=天皇に奉る書)を受け納れ、国史を監修すること、及び、女王〔にょおう〕・内外の命婦〔みょうぶ〕(=内命婦と外命婦)・宮人〔くうにん〕等の名帳・考叙・位記のこと、諸国の戸籍〔こしゃく/こせき〕・租調帳〔そぢょうちょう〕・僧尼の名籍〔みょうじゃく〕(=名簿や戸籍)のこと。}

大輔〔だいふ〕1人。{職掌はと同じ。ただし、規諫〔きかん〕(=(小事を)正し諫めること。お諫め)するのみで、献替はしない。}

少輔〔しょうふ〕1人。{職掌は大輔と同じ。}

大丞〔だいじょう〕1人。{職掌は、宮人の考課のこと。その他は神祇官の大佑に准じること。}

少丞〔しょうじょう〕2人。{職掌は大丞と同じ。}

大録〔だいろく〕1人。

少録〔しょうろく〕3人。

史生〔ししょう〕20人。

侍従8人。{職掌は、(近習として)常に侍すこと、規諫し、拾遺〔しゅうい〕(=忘れ事の指摘)し、補闕〔ほけつ〕(=欠けや不足を補う)すること。}

内舎人〔ないしゃにん/うどねり〕90人。{職掌は、刀を帯びて宿衛すること、

雑使〔ぞうし〕(=雑用係)として供奉〔ぐぶう/ぐぶ〕(=身近にお仕え)すること。もし駕行〔がぎょう〕(=天皇のお出かけ)があれば前後で分衛する。}

内記〔だいないき〕2人。{職掌は、詔勅(の文案)を造ること。御所の記録の事。}

内記〔ちゅうないき〕2人。{職掌は大内記と同じ。}

内記〔しょうないき〕2人。{職掌は中内記と同じ。}

監物〔だいけんもつ〕2人。{職掌は、出納を監察すること、管鑰〔かんいち/かんいつ/かんやく〕(=鍵)の請進。}

監物〔ちゅうけんもつ〕4人。{職掌は大監物と同じ。}

監物〔しょうけんもつ〕4人。{職掌は中監物と同じ。}

史生4人。

主鈴〔おおいすずのつかさ/だいしゅれい〕2人。{職掌は、鈴印・伝符・飛駅の函鈴の出納。}

主鈴〔すないすずのつかさ/しょうしゅれい〕2人。{職掌は大主鈴と同じ。}

典鑰〔おおいかぎのつかさ/だいてんやく〕2人。{職掌は、管鑰の出納。}

典鑰〔すないかぎのつかさ/しょうてんやく〕2人。{職掌は大典鑰と同じ。}

省掌〔しょうじょう〕2人。{職掌は、訴人を通伝すること、使部を検校すること、省府を守当すること、庁事の鋪設をすること。その他の(省の)省掌の職掌については、これに准じること。}

使部70人。

直丁10人。


 

○04 (中宮職条)


中宮職〔ちゅうぐうしき〕

大夫〔だいぶ〕1人。{職掌は、啓(=皇后への文言。天皇の場合の奏に相当)・令(=皇后の文言。天皇の場合の宣に相当)をお伝えしたり下したりすること。}

〔すけ〕1人。

大進〔だいしん〕1人。

少進〔しょうしん〕2人。

大属〔だいぞく〕1人。

少属〔しょうぞく〕2人。

舎人〔とねり〕400人。

使部30人。

直丁3人。


 

○05 (左大舎人寮条)


大舎人寮〔ひだりのおおどねりりょう〕{右大舎人寮〔みぎりのおおどねりりょう〕もこれに准じる。}

〔かみ〕1人。{職掌は、左大舎人の名帳・分番・宿直・假使〔けし〕(=休暇申請と遣使)・容儀のこと。}

〔すけ〕1人。

大允〔だいいん〕1人。

少允〔しょういん〕1人。

大属1人。

少属1人。

大舎人〔おおどねり〕800人。

使部20人。

直丁2人。


 

○06 (図書寮条)


図書寮〔ずしょりょう〕

1人。{職掌は、経籍〔きょうじゃく〕(=儒教の古典)・図書〔ずしょ〕(=「河図・洛書」の略で陰陽五行関連の書物)のこと、国史を修撰(=編纂)すること、内典(=外典(儒教経典)に対する称で仏教経典のこと)・仏像・宮内の礼仏のこと、校写(=筆写・校正)・装【《さんずい》+黄】〔しょうおう/そうこう〕(=装丁及び用紙の染色)とその功程〔くうじょう〕(=作業量)のこと、紙筆墨の供給のこと。}

助1人。

大允1人。

少允1人。

大属1人。

少属1人。

写書手〔しゃしょしゅ〕20人。{職掌は、書史(=書物)を校写すること。}

装【《さんずい》+黄】手〔しょうおうしゅ/そうこうしゅ〕4人。{職掌は、経籍を装【《さんずい》+黄】すること。}

造紙手〔ぞうししゅ〕4人。{職掌は、各種の紙を造ること。}

造筆手〔ぞうひちしゅ/ぞうひつしゅ〕10人。{職掌は、管〔つつ〕(=筆)を造ること。}

造墨手〔ぞうもくしゅ〕4人。{職掌は、墨を造ること。}

使部20人。

直丁2人。

紙戸〔かみへ〕


 

○07 (内蔵寮条)


内蔵寮〔うちのくらのつかさ/くらりょう〕

1人。{職掌は、金銀・珠玉・宝器、錦綾・雑綏〔ぞうさい〕(=染色した絹)・氈褥〔せんにく〕(=毛氈〔もうせん〕や褥〔しとね〕)・諸蕃の貢献する珍宝、年料(=毎年の必要)に供進する御服、及び、別勅によって用いられる物のこと。}

助1人。

允1人。

大属1人。

少属1人。

大主鑰〔おおいかぎとり/だいしゅやく〕2人。{職掌は、出納を司ること(※ただし、出納するものが鍵なのか何なのか規定されておらず、実態としてもこの職は機能していなかったようである)。その他の(官司の)主鑰の職掌については、これに准じること。}

少主鑰〔すないかぎとり/しょうしゅやく〕2人。{職掌は、大主鑰と同じ。}

蔵部〔くらべ〕40人。

価長〔けちょう/かちょう〕2人。{職掌は、適正価格を判断して物品を購入すること。その他の(官司の)価長の職掌については、これに准じること。}

典履2人。{職掌は、靴履・鞍具を縫い作ること、及び、百済手部を検校すること。}

百済手部〔くだらてびと〕10人。{職掌は、各種の縫い作りのこと。}

使部20人。

直丁2人。

百済戸〔くだらへ〕


 

○08 (縫殿寮条)


縫殿寮〔ぬいとののつかさ〕

頭1人。{職掌は、女王、及び、内外の命婦・宮人の名帳・考課のこと、及び、衣服の裁縫・纂組〔さんそ〕(=帯や紐を編んだり組むこと)のこと。}

助1人。

允1人。

大属1人。

少属1人。

使部20人。

直丁2人。


 

○09 (陰陽寮条)


陰陽寮〔おんようりょう〕

1人。{職掌は、天文・暦数・風雲の気色のこと、異変があれば密封して奏聞すること。}

助1人。

允1人。

大属1人。

少属1人。

陰陽師〔おんようのし〕6人。{職掌は、占筮〔せんぜい〕(=筮竹占い)し、地相を択ぶこと。}

陰陽博士〔おんようのはくじ〕1人。{職掌は、陰陽生らに教えること。}

陰陽生〔おんようのしょう〕10人。{職掌は、陰陽を習うこと。}

暦博士〔りゃくのはくじ〕1人。{職掌は、暦を造ること、及び、暦生らに教えること。}

暦生〔りゃくのしょう〕10人。{職掌は、暦を習うこと。}

天文博士〔てんもんのはくじ〕1人。{職掌は、天文の気色をうかがい、異変があれば密封すること(※奏聞はが行う)、及び、天文生らに教えること。}

天文生〔てんもんのしょう〕10人。{職掌は、天文の気色をうかがうことを習うこと。}

漏刻博士〔ろこくのはくじ〕2人。{職掌は、守辰丁を率いて、漏刻〔ろこく〕(=水時計)の節〔とき〕を伺うこと。}

守辰丁〔しゅしんちょう〕20人。{職掌は、漏刻の節を伺い、時を以て鐘鼓〔しゅうく/しょうこ〕を撃つこと。}

使部20人。

直丁2人。


 

○10 (畫工司条)


畫工司〔えたくみのつかさ〕

〔かみ〕1人。{職掌は、絵のこと、彩色のこと、司の事を判断すること。その他の(司の)正の職掌については、これに准じること。}

〔まつりごとひと〕1人。

令史〔そうかん/さかん〕1人。

畫師〔えのし〕4人。

畫部〔えかきべ〕60人。

使部16人。

直丁1人。


 

○11 (内薬司条)


内薬司〔ないやくし〕

正1人。{職掌は、薬香(=薬物と香料)を供奉(=供給)し、御薬を処方すること。}

佑1人。

令史1人。

侍医〔じい〕4人。{職掌は、診察に供奉(=お仕え)すること。医薬の事。}

薬生〔やくのしょう〕10人。{職掌は、諸薬を搗〔つ〕き篩〔ふる〕うこと。}

使部10人。

直丁1人。


 

○12 (内礼司条)


内礼司〔うちのいやのつかさ/ないらいし〕

正1人。{職掌は、宮内(=宮門より内側)の礼儀のこと、非違を禁察する(=禁〔いさ〕め察〔み〕る=注意・監察する)こと。}

佑1人。

令史1人。

主礼〔しゅらい〕6人。{職掌は、非違を分察する(=分かち察〔み〕る=監察し分ける(?))こと。}

使部6人。

直丁1人。


 

○13 (式部省条)


式部省〔しきぶしょう〕{寮2つを管轄する。}

1人。{職掌は、内外文官〔もんかん〕の名帳・考課・選叙・礼儀・版位〔へんい〕・位記のこと、勲績〔ぐんしゃく〕を校定すること、論功を封賞すること、朝集・学校のこと、貢人〔ぐにん〕を策試すること、禄賜・仮使のこと、家令を補任すること、功臣の家伝・田のこと。}

大輔1人。

少輔1人。

大丞2人。{職掌は、考課を勘問(=審査・訊問)すること。その他は中務大丞と同じ。}

少丞2人。{職掌は大丞と同じ。}

大録1人。

少録3人。

史生20人。

省掌2人。

使部80人。

直丁5人。


 

○14 (大学寮条)


大学寮〔だいがくりょう〕

1人。{職掌は、学生を簡試(=簡〔えら〕び試みる=選ばれた中からさらに厳選)すること、及び、釈奠〔しゃくでん/せきてん/しゃくてん〕(=孔子等を祭る儀式)のこと。}

助1人。

大允1人。

少允1人。

大属1人。

少属1人。

博士〔はくじ〕1人。{職掌は、経業(=明経と業術)の教授、学生の課試のこと。}

助教〔じょきょう〕2人。{職掌は博士と同じ。}

学生〔がくしょう〕400人。{職掌は、経業を分かち受けること。}

音博士〔おんはくじ〕2人。{職掌は、音〔おん〕を教えること。}

書博士〔ふみのはくじ〕2人。{職掌は、書〔ふみ〕を教えること。}

算博士〔さんのはくじ〕2人。{職掌は、算術を教えること。}

算生〔さんのしょう〕30人。{職掌は、算術を習うこと。}

使部20人。

直丁2人。


 

○15 (散位寮条)


散位寮〔さんいりょう/さんにりょう〕

頭1人。{職掌は、散位の名帳、朝集のこと。}

助1人。

允1人。

大属1人。

少属1人。

史生6人。

使部20人。

直丁2人。


 

○16 (治部省条)


治部省〔じぶしょう〕{寮2つ、司2つを管轄する。}

1人。{職掌は、本姓・継嗣・婚姻、祥瑞、喪葬・贈賻〔ぞうふ〕(=死者への贈り物)・国忌〔こくき〕(=国家の忌日)・諱〔いみな〕、及び、諸蕃の朝聘〔ぢょうひょう/ちょうへい〕のこと。}

大輔1人。

少輔1人。

大丞1人。

少丞2人。

大録1人。

少録3人。

史生10人。

大解部〔おおいときべ〕4人。{職掌は、譜第(=系譜の次第)の争訟を鞫問〔きくもん〕(=鞫〔と〕い問う=追究・審問)すること。}

少解部6人。{職掌は大解部と同じ。}

省掌2人。

使部60人。

直丁4人。


 

○17 (雅楽寮条)


雅楽寮〔げがくりょう/うたりょう〕

1人。{職掌は、文武(=ここでは刀を帯びて舞うものと刀を持たずに舞うもののこと)の雅曲〔げこく〕・正舞〔しょうぶ〕・雑楽〔ぞうがく〕、男女の楽人〔がくにん〕・音声人〔おんじょうにん〕の名帳、曲課〔こくか〕の試練(=曲の調習)のこと。}

助1人。

大允1人。

少允1人。

大属1人。

少属1人。

歌師〔うたのし〕4人。{このうち2人の職掌は、歌人・歌女を教えること。別の2人の職掌は、時々に臨んで声音〔しょうおん〕があり供奉(=身近なお仕え)に堪える者を取ってこれに教えること。}

歌人〔うたびと〕30人。

歌女〔うため〕100人。

舞師〔まいのし〕4人。{職掌は、各種の舞を教えること。}

舞生〔まいのしょう〕100人。{職掌は、各種の舞を習うこと。}

笛師〔ふえのし〕2人。{職掌は、各種の笛を教えること。}

笛生〔ふえのしょう〕6人。{職掌は、各種の笛を習うこと。}

笛工〔ふえふき〕8人。

唐楽師〔とうがくのし〕12人。{職掌は、楽生を教えること。高麗・百済・新羅楽師はこれに准じること。}

楽生〔がくしょう〕60人。{職掌は、楽を習うこと。その他の楽生はこれに准じること。}

高麗楽師〔こまがくのし〕4人。

楽生20人。

百済楽師〔くだらがくのし〕4人。

楽生20人。

新羅楽師〔しらきがくのし〕4人。

楽生20人。

伎楽師〔ぎがくのし〕1人。{職掌は、伎楽生を教えること。その生には、楽戸を充てること。腰鼓生〔くれつづみのしょう〕はこれに準じること。}

腰鼓師〔くれつづみのし〕2人。{職掌は、腰鼓生を教えること。}

使部20人。

直丁2人。

楽戸〔がくこ〕


 

○18 (玄蕃寮条)


玄蕃寮〔げんばんりょう/げんばりょう〕

1人。{職掌は、仏寺、僧尼の名籍、供斎〔ぐさい〕(=宮内・在京の礼仏)のこと、蕃客〔ばんきゃく〕(=異国からの使節)の辞見〔じげん/じけん〕(=謁見と辞別)・讌饗〔えんごう/えんきょう〕(=饗宴)・送迎のこと、及び、在京の夷狄〔いてき〕のこと、(蕃客用の)館舎を監当〔かんどう〕(=管理)すること。}

助1人。

大允1人。

少允1人。

大属1人。

少属1人。

史生4人。

使部20人。

直丁2人。


 

○19 (諸陵司条)


諸陵司〔みさざきのつかさ/しょりょうし〕

正1人。{職掌は、陵の霊を祭ること、喪葬・凶礼、諸陵のこと、及び、陵戸の名籍のこと。}

佑1人。

令史1人。

土部〔はじべ〕10人。{職掌は、凶礼を輔佐すること。員外は(必要に応じて)臨時に取って充てること。}

使部10人。

直丁1人。


 

○20 (喪儀司条)


喪儀司〔そうぎし〕

正1人。{職掌は、凶事の儀式、及び、喪葬の具のこと。}

佑1人。

令史1人。

使部6人。

直丁1人。




[養老各令の概説] [令条全索引] [現代語訳「養老令」凡例他] [官位令] [職員令(01〜20)] [職員令(21〜38)] [職員令(39〜57)] [職員令(58〜80)] [後宮職員令] [東宮職員令] [家令職員令] [神祇令] [僧尼令] [戸令(01〜22)] [戸令(23〜45)] [田令(01〜19)] [田令(20〜37)] [賦役令(01〜14)] [賦役令(15〜39)] [学令] [選叙令(01〜19)] [選叙令(20〜38)] [継嗣令] [考課令(01〜49)] [考課令(50〜75)] [禄令] [宮衛令] [軍防令(01〜23)] [軍防令(24〜51)] [軍防令(52〜76)] [儀制令] [衣服令] [営繕令] [公式令(01〜10)] [公式令(11〜22)] [公式令(23〜61)] [公式令(62〜89)] [倉庫令] [廐牧令] [医疾令] [假寧令] [喪葬令] [関市令] [捕亡令] [獄令(01〜20)] [獄令(21〜42)] [獄令(43〜63)] [雑令(01〜21)] [雑令(22〜41)]

[現代語訳「養老令」全三十編]

[官制大観総目次][予備知識 総目次][官制の沿革 総目次][官職 総目次]
[役所名50音別索引]

[トップページ] [更新のお知らせ ( What's New )]
[和憩団欒房(ブログ)] [参考文献リスト] [資源栞 ( リンク集 )]


© 1997-2010 MinShig All Rights Reserved.